日本HP 金海涼子さん/ワークライフバランスを真剣に考えたからこそ新しい世界に飛び込めた 【連載:ワーキングビューティー・アルバム Vol.4】

突撃! 隣のステキ女子
ワーキングビューティ・アルバム

仕事でもプライベートでも輝いている女性をクローズアップ! 自分らしいワーク&ライフスタイルで充実した毎日を送っている女性たちから、ハッピーに生きるヒントを教えてもらっちゃおう。

 日本HP 金海涼子さん/ワークライフバランスを真剣に考えたからこそ新しい世界に飛び込めた 【連載:ワーキングビューティー・アルバム Vol.4】

日本ヒューレット・パッカード株式会社
テクノロジーサービス事業統括 サポートデリバリ統括本部 サービス資材本部 ロジスティックオペレーションズ部
金海 涼子さん

大阪外国語大学を卒業後、2007年に入社。現在妊娠5ヶ月。

今回紹介するワーキングビューティは、日本ヒューレット・パッカード株式会社に勤める金海涼子さん。
同社で大手通信業界向けにサーバーなどのインフラを提案する営業として5年のキャリアを築いた後、彼女が社内公募制度を利用して異動した部署は、まったく未経験の業務部門だった――。

社会人歴5年目になって、初めて自分のキャリアについて真剣に考えた

編集部:社内の公募制度を利用して営業から、業務系の部門に異動されたそうですが
キャリアチェンジを考えたきっかけは何だったのですか?

営業は楽しくてやりがいもありました。「社会のこんなところにシステムを入れた」という実感がすごく感じられましたし。
社会人として最初に営業職を経験したことで、その業界のことや会社全体の仕事の流れを知ることができたので、社会人の入り口としてはベストだったと思います。もともと就職した頃は、自分は絶対キャリアウーマンになると思ってましたし(笑)。35歳くらいまで結婚はしないで、そこから結婚したくなったらすればいいやなんて思ってましたね。
でも働きはじめると、いろんな現実が見えるじゃないですか(笑)。1~2年がむしゃらに働いたことで「営業をずっと続ける他にも、私の道があるのかも」と考えるようになりました。
5年目になって、結婚したこともあり、真剣にワークライフバランスについて考えたのが異動を希望したきっかけです。

編集部:仕事よりもプライベートを大事にしたいと思ったということ?

誤解を恐れずに言うと、そもそも仕事ってプライベートを充実させるために働くもの、極端に言うと、稼ぐために仕事をするんだと思っていました。
でも、営業で帰宅後も仕事しているような生活がつらいと思ったとき、充実した仕事でもってプライベートを支えないと私生活もいいものにならない、ということに気付いて。だから、仕事で充実感を得られて、且つ、比較的規則正しい生活が送れる道があるならチャレンジしたいと思ったんです。

つらいと思っていた5年分の経験が自分の基盤となっていた

編集部:異動してからは、プロセス改善が主な仕事ということですが、
実際、未経験の業務内容で最初は大変だったのでは?

今の部署は、それまで営業部門で自分が販売していた機器の、保守サービス用パーツのサプライチェーンを担う部署。全国にあるパーツセンターに置かれているパーツを、オーダーが入ってからどうやって出庫してお客さまに配送するかを管理しています。そのプロセスを改善していくのが主な仕事です。
異動後は新人に戻った気持ちで取り組みましたが、それまでのベースがあったから業務はすんなり理解できました。扱っている機器は自分がこれまで売っていたものだし、今の組織が会社のどの部分を担っているかもつかめていましたから。営業をやってて本当に良かったと思います。
実は、社内公募制度を利用して異動するという方法ではなく、転職も考えていたのですが、新しい業界でゼロから知識をつけるよりは、今ある基礎を活かせないかと思い、社内での異動のチャンスを狙いました。タイミングも良かったのか、まったく違う部署に異動することができたのはすごく恵まれていると思いますね。

編集部:仕事はかなり充実しているみたいですね。

もちろん細かい悩みはいろいろありますが、プライベートで楽しみなイベントがたくさん控えているので、仕事もプライベートも充実しているように感じています。

ライフイベントを機に変わる自分もいれば、変わらない自分もいる

日本HP 金海涼子さん/ワークライフバランスを真剣に考えたからこそ新しい世界に飛び込めた 【連載:ワーキングビューティー・アルバム Vol.4】

編集部:近々ある楽しみなイベントとは何ですか?

実は今妊娠5ヶ月目に入ったところなんです。それもあって、家を買おうかって話をしていて。人生の大きなイベントが今一気に来ちゃって、この後私の人生どうしようって感じです!(笑)
育児のことを考えると、自分の時間は相当減ると思うので、少し前までの自分だったら受け入れられなかったと思うんです。でも、自然と「そろそろ一人の女性として次のステップに進みたい」という気持ちが生まれてきて、これも1つの転機なんだと前向きに考えられるようになりました。そこからまた新しい何かが見つかる気がするんですよね。

編集部:それは楽しみですね。お仕事は今後も続けたいと思いますか?

えぇもちろん。出産後も仕事を続けたいという考えは最初からずっとですね。
実は、異動して1年もたたないうちに産休に入るということで、上司に妊娠の報告をするときはすごく緊張しました。はじめは、申し訳ない気持ちが強かったのですが、仕事面でもすごく尊敬している女性の部長だったので自分の想いをきちんと伝えることができました。自分以外はみんな40代以上の男性メンバーなのですが、一番若手のわたしのことも一人の仲間として扱ってくれている素敵なチームです。いつも言いたいことははっきり言っていますし。でも妊娠の件はほんと言いづらかったー(笑)。

視野を広く持てば困難なことも受け取り方が変わる

編集部:やりがいを感じる仕事と充実したプライベートを手にしているわけですが、
これまで、苦しかった時期もあったかと思います。そんなときのリセット法はありますか?

営業で24時間仕事をしているような時期は確かにつらかったですね。疲れが溜まったときは、家でごはんをつくって食べることがストレス解消法でした。見た目も味もこだわったごはんを作って、家族で食べる、その“の~んびりした時間”が一番癒されるんですよ。自称「引きこもり」っていうくらい家でほっこりするのが好きなんです。
とにかく家が大好きだから、インテリアとか食器とか、自分の世界観をつくるのにはお金を使っちゃいますね!今、家を買おうと思っていることもあり、そういうのを考えるのが楽しくてしょうがないんですよ。

編集部:自分を癒す方法が明確なんですね。
そんな金海さんの人生のモットーは?

視野を広く持つこと。困難があっても、広い視野で見たら、たくさんある中のたった一つのことだと思えるじゃないですか?
あとは、社会の中で自分の居場所を作っておきたい。専業主婦も悪くないけれど、自分の求める生き方にはもの足りないんです。家族の中にも社会の中にも自分の居場所が欲しいというか。子育てって5~10年したら一段落しそうじゃないですか?子どもに手のかかる時期なんて一瞬なんじゃないかなって。
まぁ夫の収入次第で考え方は変わるかもしれませんけどね(笑)。


社会人になって忙しく過ごしながらも、海外旅行やフラワーアレンジメントなど次々と新しい挑戦をしていたという金海さんだが、「学生時代にお金がなくてできなかったことをちょっとずつかじっただけ。チャレンジというよりは仕事の気分転換ですよ」と、いたって現実的。「頑張って自分磨きしてます!」という気負いがない姿がかえって彼女のきらめきを増しているように思えた。

日本HP 金海涼子さん/ワークライフバランスを真剣に考えたからこそ新しい世界に飛び込めた 【連載:ワーキングビューティー・アルバム Vol.4】

MARC BY MARC JACOBSのポーチは、2010年にハワイで挙式をした際に買ったもの。TOCCAのハンドクリームはクレオパトラの香りがお気に入り。

日本HP 金海涼子さん/ワークライフバランスを真剣に考えたからこそ新しい世界に飛び込めた 【連載:ワーキングビューティー・アルバム Vol.4】

愛用の文房具たち。手帳はプライベート予定の管理や、妊娠中なので体調や赤ちゃんの変化を記録したりするのに使っている。

取材・文/根本愛美(編集部)  撮影/赤松洋太