【女性エンジニア実態調査】半数以上が「職場の同性比率は2割以下」と回答。日々の仕事で困ること第1位は?

女性エンジニアの光と課題

アンケート実施期間/2021年11月18日~12月15日
有効回答数/79名
調査方法/女の転職type、type、type IT派遣の女性エンジニア会員、および(株)キャリアデザインセンター社員の知人・友人の女性エンジニアに対してWeb上で調査


今回の調査でわかったこと


ITエンジニアになった理由第一位は「手に職をつけたい」
「ロールモデル不在」という苦労はありつつも、約6割がITエンジニアは「女性におすすめの仕事」と回答

今回は女性エンジニアを対象にアンケートを実施。ITエンジニアになろうと思った理由は「手に職を付けたい」「専門的なスキルを身に付けたい」が上位に並び、スキルの体得を目的としている人が多いことが分かりました。

職場の女性比率については「女性比率が2割以下」との回答が約半数。それに伴う苦労として「職場に女性のロールモデルがいない」や「生理などの体調不良が言い出しづらい」といったコメントも見られました。

しかし、女性がITエンジニアとしてキャリアを築くメリットも多く挙がり、「専門的なスキルが身につく」「スキル次第で性別関係なく活躍できる」「リモートワークができる」といったポイントについては、いずれも6割以上の女性が利点として回答しています。

結果、他職種の女性がITエンジニアに転身することを「お勧めする・ややお勧めする」人が約6割と、非推奨派と比べて多数派となりました。

Q.1 ITエンジニアになろうと思った理由は?

Q1

※複数回答あり

ITエンジニアになろうと思った理由は、1位が「手に職を付けたい」(61.1%)、2位が「専門的なスキルを身に付けたい」(58.4%)となり、スキルの習得を目指す女性の多さが伺えました。

3位以降は「世の中に役立つものづくりがしたい」「プログラミングが好き」「小さい頃からコンピュータが好きだった」など、やりたいこと・好きなことを仕事にしたいという理由が続いています。

Q.2 1週間あたりどのくらい学習してる?

Q2

継続的な学習が必要となるイメージの強いITエンジニア。1週間の平均学習時間は「1時間程度」(24.1%)、「30分以下」(19.0%)が上位に並び、無理なく続けられる範囲で学習している人が多いことが分かりました。

一方で、週に合計2時間以上学習している人も40.5%おり、10.1%の女性が「5時間以上」と回答しています。この結果から、意欲的に学習に取り組む人とそうでない人で二極化している様子が見てとれました。

Q.3 勉強方法は?

Q3

※複数回答あり

学習方法は「書籍」(63.3%)が最も多く、次いで「Webサイト」(43.0%)、「社内の勉強会、セミナー」「オンライン学習サービス」(いずれも30.4%)となりました。

Q.4 職場の女性比率は?

Q4

職場の女性比率は「2割」(27.8%)が最も多く、次いで「3割」(26.6%)となりました。5割以上が職場の女性比率を「2割以下」と回答していることからも、ITエンジニアという職種における女性の少なさが見て取れます。

Q.5 女性であることが理由で、職場で苦労したことは?

Q5

※複数回答あり

性別を理由に職場で苦労する点としては「職場に女性のロールモデルがいない」(44.6%)、「生理などの体調不良が言い出しづらい」(44.3%)がいずれも4割以上の回答を集めました。

多くの女性が何らかの苦労を経験していることが明らかになった一方で、「苦労したことはない」(17.7%)と回答した女性からは次のようなコメントも寄せられています。

「苦労したことはない」人のコメント

・まだまだ男性が多い環境ですが、だからこそやりやすいこともあると思う(40代/千葉)

・コミュニケーション力のある女性が重宝される(30代/東京)

・女性が少ないからこそ、職場の女性とこれからのキャリアをどう描いていくか、お互いの人生を応援し合えるような関係が築けている(20代/東京)

Q.6 女性がITエンジニアというキャリアを歩むメリットは?

Q6

※複数回答あり

女性がITエンジニアというキャリアを歩むメリットは、「専門的なスキルが身につく」(67.1%)、「スキル次第で性別関係なく活躍できる」(64.6%)、「リモートワークができる」(62.2%)が、いずれも6割以上の女性からの回答を集めて上位に並びました。

「他職種より高年収が狙える」(39.2%)、「人手不足で転職しやすい」(38.0%)も約4割の人が回答しており、スキルを武器に収入アップやより良い条件の企業への転職が可能となる点に魅力を感じている様子が伺えます。

Q.7 他職種の女性がITエンジニアに転身する(目指す)ことは、お勧めできる?

Q7

他職種の女性が今後ITエンジニアを目指すことをお勧めするか、という質問に対しては、「やや勧める」(53.2%)が最も多くの回答を集めました。「大いに勧める」と合計すると推奨派は約6割となり、「あまり勧めない」「まったく勧めない」の非推奨派よりも倍近く多い結果となりました。

Q.8 どんな人がITエンジニアに向いている?

Q8

※複数回答あり

ITエンジニアに向いている人の条件としては、「論理的に物事を思考できる」(72.2%)が1位に。次いで「学習意欲が高い」(69.6%)、「トライアンドエラーを繰り返せる」(59.5%)、「新しいことへの好奇心が強い」(54.4%)など、学び続けられることが重要なポイントであると考えている女性が多いことが分かりました。

Q.9 未経験からITエンジニアに転職した方に質問です。転職前に準備したことは?

Q9

※未経験からITエンジニアに転職した人のみ(n:42)

未経験からエンジニアに転職する上では、事前に「独学でプログラミングを学んだ」(45.2%)人が最も多い結果となりました。

「何もしていない」(35.7%)が2位となってはいるものの、6割以上の女性が何らの準備をしてから転職をしていることが分かりました。

Q.10 IT業界にもっと女性エンジニアを増やすために必要だと思うことは?

Q10

※複数回答あり

IT業界にもっと女性エンジニアを増やすために必要だと思うことを尋ねると、6割近くの女性が「ITエンジニアは文系、理系関係なく目指せる仕事だという理解が進む」(58.4%)と回答。

また、「ITエンジニアは男性の仕事という固定概念をなくす」(51.9%)、「女性は論理的思考、数学が苦手、というジェンダーバイアスをなくす」(49.4%)が上位に並ぶことからも、ジェンダーバイアスに対する課題意識を持つ女性が多いことが伺えます。

その他、「エンジニアの仕事内容の理解が進み、具体的な働き方のイメージができれば、キャリアの選択肢にあがってくると思う(20代/東京)」「業務時間中の勉強や研修参加が認められるようになったり、バグ発生時のオンコール対応やリリース前の土日や夜出勤が当たり前の風潮が変われば、育児と両立しやすくする(30代/東京)」といったコメントも。

最後に、ITエンジニアを目指す女性たちへ、先輩女性エンジニアからエールをもらいました。

・女性だから、文系だからといってエンジニアを諦める必要はないです。頑張ってください!(20代/東京)

・意欲があればできる仕事であり、作ったものが誰かに使われるやりがいがあります(20代/宮城)

・全くの未経験でしたが、「SEは専門知識より人の話を聞いて、何をしたいのかが聞き出せる人が向いている」という言葉で決めました。今はテレワークなので通勤ラッシュにも合わず、自分の時間も取れて満足しています(40代/東京)

・やり方次第で、昇給、副業が可能な職種です。人材不足のため子供や家庭を犠牲にせずに一生働ける業界だと思います(50代/京都)

・ITエンジニアは働く時間や場所の自由度が高くて働きやすく、スキル次第で性別関係なく活躍できる比較的公平な職種だと思います!ひたすらキーボードを叩き続けているイメージを持つ人もいるかもしれませんが、意外とコミュニケーション力が大切だと感じています。分かりやすく説明することや人と話すことが得意・好きな人に向いている仕事なので、そういった女性はぜひ自信を持ってITエンジニアを目指してほしいです!(20代/東京)

・SEはコミュニケーションが苦手な人が多いです。しかし私は前職で接客業の経験があるので、それを武器にどんな時もコミュニケーションを取ることを日々心がけていました。女性が少ないIT業界ですが、そんな業界だからこそコミュニケーション能力を武器に、これから大いに女性が活躍する業界へと成長していったらうれしいです(20代/東京)

「長く働く」ことが当然となった今、手に職のつくエンジニアという職業に注目する女性も少なくないでしょう。以前女の転職typeが行った調査では、4割以上の女性が「エンジニアになってみたい」と回答しています。

これから先のキャリアの選択肢として、エンジニアという仕事を前向きに検討してみてはいかがでしょうか? Woman typeでは女性エンジニアに関する情報やインタビューをまとめた特集『私たちのエンジニアライフ』も好評掲載中です。ぜひチェックしてみてくださいね。


回答者属性

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※調査データ(グラフ)は、小数点第2位以下は四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります。