ウエディングパーク加藤絵理さん/「一番つらい時期」は「一番鍛えられた時期」大変な仕事が自分を成長させた【連載:ワーキングビューティー・アルバム Vol.15】

突撃! 隣のステキ女子
ワーキングビューティ・アルバム

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ウエディングパーク加藤絵理さん/「一番つらい時期」は「一番鍛えられた時期」大変な仕事が自分を成長させた【連載:ワーキングビューティー・アルバム Vol.15】

株式会社ウエディングパーク
ガールズスタイルLABO
副編集長 加藤 絵理さん

サイバーエージェントからの出向で、現在2年目。大人女子のトレンドを発信するサイト『ガールズスタイルLABO』の副編集長を務める

今回紹介するワーキングビューティは、結婚準備クチコミ情報サイト『ウエディングパーク』を運営する株式会社ウエディングパークに勤める加藤絵理さん。大学では、人間工学や心理学をもとに“売れる化粧品パッケージ”の研究をしていた加藤さんが、Webの仕事に就いた理由とは? 現在29歳の彼女が乗り越えてきた数々の壁を振り返る――。

やりたいことを選んだはずなのに
3日に一度は泣く日々

編集部:大学では化粧品パッケージの研究をされていたそうですが、なぜWebディレクターという仕事を選んだのですか?

大学の授業は、インターネット論とか心理学といった幅広い学術から授業を自分で選んでカスタマイズする形式だったので、主に「どんなパッケージだと消費者の手に取られやすいか」というテーマで、小さい頃からずっと好きだった化粧品に関して研究をしていました。そのうちに、「この人はこういう性格だからこういうスキンケアが合うんじゃないか」といったことを考えるのが楽しいことに気付いて、「人はどういうときに、どういうものを手にするのか」を考える仕事がしたいと思ったんです。当時アルバイトでお手伝いをしていた美容ジャーナリストの先生が、女性向けサイトで美容コンテンツを持っていたのがWeb業界に足を踏み入れたきっかけですね。

編集部:入社後はどんな仕事を?

読者モデルを使ったコンテンツの製作をしたり、ファッションモデルの撮影をお手伝いしたりといった、ユーザーのためにコンテンツを作る仕事でした。ところが、徐々に、サイトに掲載するWeb広告ページの作成を担当するようになり、そこから結構ハードな感じになってきましたね(笑)。

編集部:広告作成とはどんなお仕事だったのですか?
例えば、ある企業様が新商品を出すとします。じゃあ、どのタレントを宣伝に使って、誰にブログでクチコミを書いてもらって、どんな切り口でターゲットに訴求するか、それができるWebページはどんな形なのかを考えて、クライアントに提案をして、実際に作る、というのが仕事の流れ。もともとの性格がものごとをあまり深く考えないタイプなので、最初はすごく辛くて。いつも終電逃してタクシーで帰って、3日に一度はトイレで泣いて (笑)。寝る前に、あれやらなきゃーこれやらなきゃーって考えてたら朝になってたって日々でした。

編集部:描いていた華やかな仕事ではなかったのですね。一番つらい時期だったのでは?

うーん、「一番つらい時期」というより「一番鍛えられた時期」かも。やり方が分からなくて大変、とか、考え方が難しくて馴染めなかったとか、そういう理由で大変だったわけじゃないと思っているんです。ちょうどわたしが入社した頃がその事業の成長期だったので、会社がどんどん新しいことにチャレンジする流れにあった。だから自分の仕事も未知のものばかりになった、という感じ。「先輩はこうしてたな」「外部の企業さんはこんなやり方なんだ」と、仕事のやり方を盗んでは試し、の試行錯誤を繰り返しながら、現場で学んでいきました。会社の成長によって自分も成長させてもらったんだと感謝していますね。

「自分はこんなにできてないんだ」
組織が変わって未熟さを思い知らされた

ウエディングパーク加藤絵理さん/「一番つらい時期」は「一番鍛えられた時期」大変な仕事が自分を成長させた【連載:ワーキングビューティー・アルバム Vol.15】

編集部:地道な努力で乗り越えていったのですね。それなのになぜ出向という道を選んだのですか?

最初に道を作るのはすごく大変ですが、道を作っては整備し、スムーズになったらまた新しい道を作って、という積み重ねのうちに、自分の業務範囲もピシッと分けられるようになっていました。入社後、約5年走りきって落ち着いたときに、この先自分はどんな仕事がしたいんだろうと考え、子会社に出向することを決めました。広告の企画という仕事で、たくさんの案件を担当させていただき、ある程度成果を出せて、やりきった感もありましたし。もっと小さい組織で、もっといろんな挑戦をして、Webディレクターとしての幅を広げたいなと思ったんです。

編集部:実際に小さい組織に移ってどうでしたか?

もともと女性に向けた仕事をしたかったので、ウエディングを扱う会社に出向できたのは幸せでした。ただ、60人くらいの部署から10人ほどの部署に、というのは思った以上に大変で! 「あれ、これは前の部署だったら隣の部署がやってた仕事だよね」っていうのがたくさんあって戸惑いましたね。それまでの自分の仕事の範囲が1だとしたら、ここでは3も4も自分でやらなきゃいけない。

編集部:それまでの経験は通用しなかった?

ある程度は大丈夫って思ってたのに、ぜんぜん甘かったですね。部署があってないようなものだから、それまでのように組織ごとに仕事を分割することができない。周囲の人を巻き込んで仕事をするのが意外と苦手だったんだなと気付かされました。28歳にもなってこんなに苦労するとは思いませんでした(笑)。

仕事は「産んで育てる」こと
どれだけ愛着を持てるかを大切にしたい

編集部:今はお仕事も順調で楽しんでいるように見えます。

そうですね、今は仕事のやり方にも慣れて楽しんでいます。実は、仕事で常に心掛けていることがあって、それは「自分の作ったものをどれだけ愛せるか」ということ。以前は「産む」のが全てで、リリースしたら「はい次」という考えでしたが、今は「産む」のはただのスタートで、「産んで育てる」という価値観に変わりました。育てるには、どれだけそのものに愛着を持てるかが大事なんです。

編集部:素敵な仕事観だと思います。

仕事観といえば、ひとつ思い出深いことがありました。出向してから1年ほど経った頃、担当していたプロジェクトが行き詰っていたときに上司に、「このプロジェクト好き?」って聞かれたんです。その時は「いや、辛いんで!」と即答でしたが(笑)、今なら上司がどんな意図で聞いてきたか分かるんですよね。どれだけ好きになっているか、つまり、どれだけ育てることに頑張れているか確かめたかったんだと思います。その時は、「好きです」って答えられなかったからうまくいってなかったんだな、と。今では、「今日はどれだけクリックされたか」などが気になってしょうがないほど、コンテンツの成長に喜びを感じるようになりましたけどね!

編集部:ウエディングのサイトにそれだけ愛着があると結婚にまつわる情報に敏感になりそうですね(笑)。

確かに、友達の結婚話なんか聞くとすぐ「どんな式場!?」と聞きたくなっちゃうかも(笑)。でも、基本的には仕事とプライベーは分けるタイプなので、いつも仕事のことばかり考えているわけでもないんですよ。

編集部:では、オフタイムで一番リフレッシュできるのはどんなときですか?

お気に入りのリフレッシュ法は百貨店の化粧品フロアをウロウロして美容情報を仕入れたり、仕入れた情報を同じく美容マニアの母と情報交換したりすることですね。新しく見つけた化粧品を母に送って、レポーティングしてもらうなど、化粧品のマニアックな話題だけでよく電話で話してます(笑)。あとは雑誌やブログで美容情報をチェックするのも日々の楽しみです。

編集部:“美容好き”は仕事にも役立つのでしょうか?

今はまだないですが、今後、ブライダルエステやコスメのオリジナル企画をやりたいと思っているので、そこで発揮できるといいなと思います! 入社当時から社長にも伝えてあるので、そろそろ収集した美容知識が仕事に活かされる日がくるかも?(笑)


過去の仕事歴について、「あの仕事は大変でした」「あの時期は辛かったです」と振り返りつつも、表情はどことなく楽しげ。まるで、自分の選んだ道がいかに困難であっても通り過ぎれば「満喫した!」と吸収してしまっているかのよう。成長途中にある企業で自らの成長を楽しんでいる加藤さん、きっとこれから生み出すサービスも深い愛情で育て上げていくのだろう。

ウエディングパーク加藤絵理さん/「一番つらい時期」は「一番鍛えられた時期」大変な仕事が自分を成長させた【連載:ワーキングビューティー・アルバム Vol.15】
ホワイトニングマニアを自称する加藤さん愛用の歯磨き粉たち。「いろいろ試しましたが海外の歯磨き粉が特に好き。常時いくつか持っていて、その時の気分によって変えるんです」(加藤さん)
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最近はまってるのが、ミント錠菓『FRISK Neo』。普通のフリスクよりもちょっとマイルドな清涼感がお気に入りだそう。「ミントが強いのはくしゃみが止まらなくなって苦手だったんですが、これは大丈夫」(加藤さん)
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取材・文/根本愛美(編集部)  撮影/赤松洋太