トレンドの「先取り」は避けるべき? フォロワー約4.2万人のアパレル販売員に聞く、TikTok活用テク

超実践!オンライン接客コンテスト1位&2位に聞く
アパレル販売員のSNS活用3Points Lesson

「買い物はECサイトで」「情報収集はSNSで」という人が増えた今、アパレル販売員に新たに求められるのは、オンラインでのマーケティングスキル。接客コンテストでグランプリ・準グランプリに輝いたカリスマ販売員から、超実践的なSNS運用ノウハウを学ぼう

今回は、オンライン接客やSNS運用のスキルにスポットをあてたコンテスト「STAFF OF THE YEAR 2021」の初代グランプリ・村岡美里さんが、TikTokの活用方法を伝授。

15秒から3分ほどの短い動画が主流のTikTok。他のSNSと大きく異なるのは、その利用者層。現在、TikTok利用者は10〜20代の若い世代が大多数を占めている(出典)。

TikTokといえば、歌やダンスなどのコンテンツをイメージする人も多いかもしれない。しかし、最近は企業がマーケティングに活用する例も増えているそう。

3年前からTikTokを使っていたという村岡さんが見つけた、アパレル販売員ならではのTikTok活用術とは?

村岡美里さん

BAROQUE JAPAN LIMITED VISUAL STAFF デジタルマネジメント部所属
村岡美里さん

『STAFF OF THE YEAR』初代グランプリ。2012年バロックジャパンリミテッドに入社し、『rienda』福岡ソラリアプラザ店に9年勤務した後、21年に営業・販売本部へ異動。現在は販売スタッフのSNS活用に関する教育などに携わる。Instagramの他、TikTokでも積極的な投稿を行い、約4.2万人のフォロワーを持つ

■村岡さんのTikTokアカウント(muraoka_misato

2022年6月時点でフォロワー数は42万人。コーディネートの紹介や日々のお仕事風景、接客動画などが人気を集めている。

テクニックその1:TikTokは「今、この瞬間のトレンド」が命!

どのSNSでもトレンドが大切であることに変わりはないのですが、一番「今、この瞬間のトレンド」が求められるのがTikTok。

例えば、Instagramの場合は少し季節を先取りしたアイテム紹介でも反響がいいけれど、TikTokでは先取り系の情報はスルーされがち。若い世代のユーザーが「見た瞬間に参考にできるもの」を求めていることが理由かと思います。

なので、一番大切なのはこまめに更新すること。「ここぞ!」という時に気合いを入れて大作を作っても、月に1度しか更新できないなら意味がないんです。TikTokは流れが速いので、すぐに埋もれてしまいますからね。

裏を返せば、一つ一つの動画を作り込みすぎる必要はないということ。日常のコーディネートや使用アイテム紹介など、簡単でもいいので、「これなら続けられそう」と思えるものをコツコツ毎日投稿するのがポイントです。

テクニックその2:結論ファーストで簡潔に!

TikTokはいろんな動画をサクサク見ていくSNSなので、最後まで見てもらおうとしない方がいいと思っていて。冒頭だけでも要点が分かるように、最初に一番大切なことを言ってしまうのも一つのテクニックです。

私のアカウントだと、フォロワーさんからの質問に答える接客風の動画が好評なのですが、2~3つ程度のポイントを伝えるだけにしています。長すぎるのもTikTokには合わないので、動画の内容は少し浅いくらいでもOK。文章やコメント欄で補足することもできますからね。

Watch on TikTok

テクニックその3:「保存」してもらえるお役立ちコンテンツを意識

TikTokには、気になる動画をあとで見返すために使う「セーブ(保存)」という機能があります。

ユーザーとの接点を増やすためには、動画保存をしてもらうことが重要。あとで見返したくなるコンテンツって何だろう、と考えた結果、アイテムの使い方や着こなし術をより具体的に伝えるような動画を投稿するようになりました。

Watch on TikTok

例えば、ストールの巻き方や、ロング丈のニットベストやマーメイドスカートなどのちょっと使い方に悩むアイテムの着こなしなど。いざという時に役立つ動画は、保存されやすいですよ。

【まとめ】TikTokは、新しいファンとの接点づくりの場所

私にとってTikTokは、私を知らない人とつながるための「入口」。簡潔で分かりやすい、短い動画を通じて少しでも興味を持っていただけたら、と思っています。

コメント欄で「詳しくはInstagramやYouTubeへ」と他のSNSに誘導することで、私のファンになっていただける場合も。実際、TikTokを始めてからInstagramのフォロワーが2万人くらい増えたんですよ。

最近では「TikTokを見ました」と店舗に足を運んでくれる方も増えてきました。まだまだ未知な部分の多いSNSですが、日々トライアンドエラーを重ねて研究していきたいですね。

取材・文/安心院 彩 編集/秋元 祐香里(編集部)

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