16 MAY/2023

【木村文乃】人を頼るのがすごく苦手だった――自分のマインドを変えるチャレンジで知った「チームでいい仕事」をする秘訣

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木村文乃

「人に頼れるようになったことで、悩む時間が少し減った気がします」

俳優業を始めて15年以上がたつ木村文乃さん。

20代の頃の自分を振り返り、「仕事で壁にぶつかったときは、いつも『自分一人で解決しないといけない』と思い込んでいた」と明かす。

しかし、30代になってからは、その考えに少しずつ変化が表れてきているという。

「この歳になって、人に頼らないことによるしんどさやつらさを感じるようになってきて。

今は、できないことは『できない』と、分からないことは『分からない』とちゃんと伝えることが、チームでいい仕事をするための近道になるんじゃないかと思えるようになりましたね」

こうした木村さんの仕事観の変化は、2023年5月26日公開の映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の奈々瀬を演じる上でも生かされたという。

「原作ファンの期待を裏切りたくない」気持ちが強かった

木村文乃

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の原作は、荒木飛呂彦の大人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ『岸辺露伴は動かない』。 20年に高橋一生さん主演で実写ドラマ化され、23年劇場作品となった

主人公・岸辺露伴は特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を備えた漫画家であり、本作では「最も黒い絵」を探すためにフランスのルーヴル美術館を訪れるという物語が展開される。

木村さんが演じる奈々瀬は、青年期の岸辺露伴が出会う謎多き女性だ。

木村文乃

原作では感情の起伏が激しいキャラクターとして描かれており、木村さんは「あまりやったことがないタイプの役柄だったので、演じていて楽しかった」と声を弾ませる。

「奈々瀬は謎のベールに包まれた女性。原作やこれまで放送されたドラマを見た上で、自分なりに考えて役づくりをしていきました。

そして、『本当にこれでいいのかな』と不安に思うことがあれば、渡辺監督に『今の演技どう思います?』とすぐに確認しながら演じていきましたね」

本作の原作『ジョジョの奇妙な冒険』は、世界中に熱狂的なファンを持つ作品。木村さんは、「撮影中は、『原作ファンの期待を裏切りたくない』気持ちが強かった」と話す。

「原作ファンの方にも納得していただける演技がしたいと思っていたので、監督には『率直に意見を聞かせてください』とお願いしていました。何しろ、監督自身がジョジョの大ファンなので(笑)

『僕が良いと感じるものなら、ファンに通用する演技だと思うし、大丈夫だと思いますよ』と力強く言っていただけて。監督のこの言葉のおかげで安心できたし、自信を持つことができました」

仲間を頼る、相談することの大切さを知った

原作『岸辺露伴は動かない』は、シリーズ累計発行部数1億2000万部超の大ヒット作品。木村さんにとって、国内外にいる原作ファンの期待に応えることは、大きなプレッシャーでもあった。

そこで、監督はもちろん、人物デザイン監修・衣裳デザインを務めた柘植伊佐夫さんと、長い時間をかけてコミュニケーションを取り、役へのアプローチ方法を決めたという。

また、「こうやって人に相談できるようになったのは、私としてはすごい進歩なんです」と木村さんは少し照れくさそうな笑顔を見せる。

「20代の頃は、何か悩んだり不安に思ったりすることがあっても、自分で100%正しい答えをださないとダメなんだと思っていました。

何でも一人で完璧にやらなきゃと思い込んでいたんですよ。

だけど、15年以上この仕事を続けてきて、身近な人たちとの人間関係が構築されていく中で、ちょっとずつ弱音も吐けるようになりました。

すると、ありがたいことに、助けてくれたりアドバイスをくれたりする人が現れて、救われることが増えました。

そして、私も周囲の人とよりいっそう意思疎通ができるようになって、さらに働きやすくなったし、チームでより良い仕事ができるようになったんですよね」

強がったり、かっこつけたりせずに、仲間を素直に頼る――。人によっては何気なくできることかもしれないが、木村さんにとっては大きな気付きだった。

「人に頼らずに自分で何でも解決しようとしていた頃は心に余裕もなくて、仕事仲間とのコミュニケーションもおろそかにしていた気がします。

今思えば、それが自分の成長をさまたげていたし、自分の世界を狭めてしまっていました。だから、コミュニケーションの取り方から『自分を変える』努力をして、本当に良かったなと思いますね」

これまでと違う役どころにも、貪欲に挑戦していきたい

周囲の人にうまく頼りながら、演じるプレッシャーや新しい挑戦への不安を乗り越えられるようになった木村さん。

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』への出演を通して演じる役の幅がさらに広がったことで、「今後のキャリアへの影響も大きいと思う」と実感を語る。

「ここ最近は、会社員の役とか、リアリティーのある役を演じることが多かったんですよ。

それに対して、今回の作品では、かなりファンタジックで奇抜な役を演じたので『そういえば、私はもともとこういう役も好きだったな』って思いだすことができたんですよね。

今後もし機会をいただけるのであれば、こういう一風変わった役どころにも貪欲に挑戦していきたいなと思いました」

「一人で全部頑張る」から「周囲を頼って、みんなで頑張る」へ――。

自分を変えるチャレンジを通して、これまでよりも、よりいっそう「役を楽しく仕事に取り組めるようになってきた」と話す木村さん。その心の余裕が、また新しいチャレンジへの扉を開いてくれそうだ。

<プロフィール>
木村文乃(きむら・ふみの)さん
1987年10月19日生まれ、東京都出身。2006年『アダン』のヒロイン役としてキャリアをスタートさせ、同年の『風のダドゥ』では主演を務める。以降も数多くのドラマ、映画に出演。近年の主な出演策に『居眠り磐音』、『ザ・ファブル』シリーズ、『麒麟がくる』、『BLUE/ブルー』、『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』、『七人の秘書 THE MOVIE』、『LOVE LIFE』などがある

取材・文/阿部裕華 

作品情報

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』 公開日:2023年5月26日(金)
出演:高橋一生 飯豊まりえ / 長尾謙杜 安藤政信 美波 / 木村文乃
原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」(集英社 ウルトラジャンプ愛蔵版コミックス 刊)
監督:渡辺一貴 
脚本:小林靖子  
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
人物デザイン監修・衣裳デザイン:柘植伊佐夫
製作:『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』 製作委員会
制作プロダクション:アスミック・エース、NHKエンタープライズ、P.I.C.S.
配給:アスミック・エース
© 2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
公式サイト