アン ミカに学ぶ、褒める・褒められ上手の秘訣とは? 「うらやましい気持ちに素直になりましょう」
悩んでいるのは、一生懸命生きてる証ーー。ポジティブ姉さんアン ミカが、働く女性のお悩みにズバリ回答していきます!

アン ミカさん
1972年生まれ。韓国出身大阪育ち。1993年 パリコレ初参加後、モデル・タレント、時には歌手として、テレビ・ラジオ・ドラマ・CM出演など幅広く活躍。「漢方養生指導士」「日本化粧品検定1級」「ジュエリーコーディネーター」など多数の資格を生かし、化粧品、洋服、ジュエリー等をプロデュース。ポジティブな生き方が共感を呼び、多くの世代から支持を得ている。韓国観光名誉広報大使、初代大阪観光大使、神都高千穂観光大使、化粧品検定協会プレミアムアンバサダーも務める
相談:褒められ方も、褒め方も、どちらも分かりません
今の会社に新卒で入って7年目になります。後輩も増え、自分が同僚から褒められることがすっかりなくなり、寂しさを感じています。
自分が褒められるには、人を褒めればいいのではと思うのですが、どうやって人を褒めればいいのか分かりません。
褒め上手なアン ミカさん、コツを教えてください!
アン ミカさんの回答:「うらやましい」を認めれば、褒め言葉は勝手に出てきます!
ご相談ありがとうございます。
ご相談を聞いて一つ心配なことが。「褒められること=自分の存在価値」にQさんがなっている気がするのです。
人からの評価を自分の価値と認識してしまうと、常に周りの評価に一喜一憂してしまい、自分らしさが分からなくなってしまう危険があります。その大前提でお話しさせてくださいね。
しかし、褒め合う言葉と心は気持ちが良いものではあります。そこで、どうやって褒めると互いに心地がいいのかを考えていきましょう。
「褒める」と「うらやましい」は紙一重。まずは自分の感情に素直になってみましょう。
そこで提案です! 身近な人に直接ではなく、SNSの「いいね」を押すことから始めてみてみませんか?
うらやましいと感じる投稿があっても、それが身近な人だと悔しくて「いいね」を押せないという声をよく聞きます。
もしかしたら、気恥ずかしさもあるかもしれません。
しかし、そこにあえて、「いいね」をして、いっそのことコメントもしちゃいましょうよ!
すてきだと思う気持ちを認めてしまえば、褒め言葉は勝手に出てきます。「その服めっちゃ似合っててステキ!」とか….。
「急にこんなことを言って変だと思われるんじゃないか」という人もいますが、そこはもう、そういうキャラになってしまえばいいんです。
普段の生活でも「おはようございます」とあいさつをするときに、「きれいなワンピースですね!」とポジティブな言葉を添えてみる。
Qさんがおっしゃる通り、そうやって相手を認めると、次は向こうが自分のことを褒めてくれるように。「あなたのパンツもすてき!」って。
褒めることに慣れましょう

さて、次に気になるのが、どこをどうやって褒めるか、ですよね。
私は関西人なので、どちらかと言うと思っていることがすぐに口から出ちゃうタイプ。
会った瞬間から、「あんたワニ柄着て! 動物園からワニが脱走したってテレビで見たけど、あんたの仕業か!」みたいなことを、普通に言ってしまう(笑)
そこからやり取りが始まり、「でも、そのワニ柄シックでええやんか」と、自然とファッションを褒めていたというか。
相手のことをいじりながら褒め合う文化があったように思います。私は、そういう中で、褒め方を身に付けていきました。
でもね、これって慣れの問題だと思うんです。
最初は褒めることを意識しなくていいので、相手の変化など、気付いたことをポジティブに口にすることから始めるといいかもしれません。
「髪切られましたか?」
「今日のネクタイの色珍しいですね」
「もしかして眼鏡変えました?フレーム個性があってステキです」
これだけでも、相手を気にとめていることが伝わりませんか?
「髪がきれいでいいな〜と思っていたんですけど、どこの美容院に行っているんですか?」と、「うらやましくて思わず聞いちゃった」ような会話にするのもいいですね。
ただし、今のご時世はハラスメントと受け止められないよう要注意。慣れないうちは本人の身体的なことではなく、身に付けている物について触れていくと、トラブルにはなりにくいと思います。
ちなみに私の友達は「アンミカゲーム」を考案したらしいんです(笑)。順番にお題を出して、お題について褒めるゲームだそうですが、そうやって楽しく慣れていくこともオススメします。
「全然褒められてへんやん!」「ちゃうねん、そこがチャームポイントやねん!」などと笑い合いながら、楽しく褒めることに慣れて、慣れたら実際に誰かを褒めてみてはいかがでしょうか。
アン ミカ流、褒めるの鉄則

また、人を褒めるときの鉄則は、うそを言わないこと。
私は思っていないことは一切言いません。特に美意識に対してプライドを持っていますので、そもそも思っていないことは褒められないんです。
「おでこの形がきれい」
「肌のトーンが明るい」
「耳の形がいい」
そうやって意外なパーツが褒められるのもうれしいもの。個人的には、頬骨の位置が高い人も好きですね。
あとは、つい手を見てしまいます。
私は爪の形が四角いんです。きれいに見えるように常に整えていただいていますが、元々の爪の形がきれいで、白魚のような細長い指の人のことがうらやましくて、つい気になってしまいますね。
そうやって、ちゃんと自分が「いいな」と思ったところを伝えてみましょう。思ってもいないことを言うと、しらじらしくなりますから。
ただね、人って面白いんですよ。
私は講演会で、隣の人同士でお互いを褒め合う時間を5分間取るのですが、皆さんが褒めている箇所は「さすがだな」というところばかり。
例えば好みが分かれる風変わりなファッションに対して、「華やかでいいですね」と無理に褒めようとする人はほとんどいません。
一方、本人がコンプレックスだと思っているところが褒められることは非常に多く、その結果、コンプレックスが自信に変わる現象が起きるんです。
コンプレックスと個性は紙一重。自分の自意識が働く場所は、人から見たらチャームポイントであることも多いんですね。
自分が褒めることで、相手がコンプレックスに自信を持てるようになる。そう考えれば、褒めることは幸せの循環を生み出すことでもあるかもしれません。
普段意識せずにやっている「褒める」について、Qさんからご質問いただいて、私も勉強になりました。聞いていただいたことに感謝ですね。
取材・文/天野夏海 撮影/SHITOMICHI(SEPTEM)
書籍紹介
『Let’s Do アンミカ! アン ミカのポジティブ相談室』(講談社)

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