「LGBTQ+当事者が働きやすい職場づくり」に取り組むのは約1割。実現のために必要なことは?【534名調査】

LGBTQ+の人が働きやすい職場に必要なことは?

アンケート実施期間/2023年6月20日~7月3日
有効回答数/女性534名
調査方法/女の転職type会員によるWeb調査


今回の調査でわかったこと


●LGBTQ+当事者が働きやすい環境づくりに取り組んでいる職場は約1割

●職場にLGBTQ+の人がいるかどうか「分からない」が約7割

●働きやすい職場づくりにもっとも必要な取り組みは「あらゆる差別の禁止、多様性の明文化」

今回『女の転職type』会員を対象に、職場でのLGBTQ+の人への取り組みについて調査しました。

アンケートの回答を見てみると、LGBTQ+の人が働きやすい環境づくりに取り組んでいる職場は13.3%、「取り組んでいない」または「職場がそのような取り組みをしているか分からない」という人が多数派という結果に。

また、職場にLGBTQ+の人がいる場合、「教えてほしい」と思う人は全体の23.1%で、「どちらでもかまわない」を選ぶ人が67.6%と最も多いことが分かりました。

LGBTQ+の人が働きやすい職場になるために必要なことを尋ねると、1位「あらゆる差別の禁止、多様性の明文化」49.4%、2位「LGBTQ+の研修・ハラスメント対策」44.4%となっており、ジェンダーギャップによって職場で生きづらさを感じる女性が多い現状が垣間見えます。

また実際の人事制度や設備を整えることよりも、多様性の明文化や研修の実施など、LGBTQ+への理解を深めるための取り組みの方が重要と考える人が多いことも分かりました。

Q.1 職場はLGBTQ+の人が働きやすい環境づくりに取り組んでいる?

職場はLGBTQ+の人が働きやすい環境づくりに取り組んでいる?

女の転職type会員に、職場でLGBTQ+(※)の人が働きやすい環境づくりに取り組んでいるか尋ねたところ、「分からない」36.0%が最も多く、次いで「まったく取り組んでいない」が33.3%でした。

「少し取り組んでいる」、「積極的に取り組んでいる」はそれぞれ8.2%、5.1%となり、環境づくりに取り組んでいる職場は全体の13.3%という結果でした。

※LGBTQ+とは:レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Trance Gender)、クエスチョニング(Questioning)、プラスアルファ(+α)、の頭文字からできたセクシュアルマイノリティの人の総称です。

Q.2どんな取り組みをしてる?

どんな取り組みをしてる?

※複数回答あり
※Q.1で「取り組んでいる」と答えた人のみ

職場がLGBTQ+の人が働きやすいよう取り組みをしていると回答した人に、どのような取り組みをしているかを尋ねました。

1位は「人事制度の整備(結婚・育休・慶弔など)」36.5%、僅差で同率2位は「LGBTQ+の研修・ハラスメント対策」、「あらゆる差別の禁止、多様性の明文化」35.8%という結果になりました。

Q.3 職場にLGBTQ+の人はいる?

職場にLGBTQ+の人はいる?

職場にLGBTQ+の人がいるかを尋ねたところ、「いない」が19.3%、「いる」が7.1%となり、「分からない」が73.6%と最も多い結果となりました。

Q.4 LGBTQ+の人がいたら教えてほしい?

LGBTQ+の人がいたら教えてほしい?

仕事で関わる人にLGBTQ+の人がいた場合、教えてほしいかを尋ねた結果、「どちらでもかまわない」が最も多く、67.6%でした。

「教えてほしい」、「できれば教えてほしい」を選んだ「教えてほしい派」の人は23.1%という結果でした。

Q.5 教えてほしいと思う理由は?

教えてほしいと思う理由は?

※複数回答あり
※Q.4で「教えてほしい」、「できれば教えてほしい」と答えた人のみ

Q.4で、仕事で関わる人にLGBTQ+の人がいた場合「教えてほしい」、「できれば教えてほしい」と回答した人にその理由を尋ねると、1位は「知らずに傷つけたくないから」69.1%、2位は「配慮のある対応がしたいから」61.0%という結果になりました。

Q.6 教えてほしいと思わない理由は?

教えてほしいと思わない理由は?

※複数回答あり
※Q.4で「教えてほしいと思わない」と答えた人のみ

Q.4で、仕事で関わる人にLGBTQ+の人がいた場合「教えてほしくない」と回答した人にその理由を尋ねると、1位は「本人の自由だから」62.5%、2位は「性別・性的指向は仕事に関係ないから」58.3%となりました。

Q.7 職場選びの際、LGBTQ+の人が働きやすい環境づくりに取り組んでいるかどうかは重要?

職場選びの際、LGBTQ+の人が働きやすい環境づくりに取り組んでいるかどうかは重要?

職場を選ぶ上で、LGBTQ+の人が働きやすい環境づくりに取り組んでいるかどうかは重要なポイントになるかを尋ねたところ、最も多かったのは「あまり重要ではない」31.8%でした。

「まったく重要ではない」、「あまり重要ではない」を選んだ「重要ではない派」が45.3%いるのに対して、「やや重要」、「かなり重要」を選んだ「重要派」の人は36.3%とやや少ない結果となりました。

Q.8 LGBTQ+の人が働きやすい職場に必要なことは?

LGBTQ+の人が働きやすい職場に必要なことは?

※複数回答あり

LGBTQ+の人が働きやすい職場になるために必要だと思うことを聞きました。

1位は「あらゆる差別の禁止、多様性の明文化」49.4%、2位は「LGBTQ+の研修・ハラスメント対策」44.4%、3位は「人事制度の整備(結婚・育休・慶弔など)」38.6%となりました。

実際の人事制度や設備を整えることよりも、多様性の明文化や研修の実施など、LGBTQ+への理解を深めるための取り組みの方が重要と考える人が多いことも分かりました。

その他コメント

●会社が制服なので、パンツスタイルやネクタイなどユニセックスで好きなものを選べるようになれば良いなと思います(30代/サービス・販売系/大阪)

●度を過ぎた配慮は逆に本人を苦しめる可能性もあるため、こんな人もいるのだという理解を深める機会は設けたほうがいいと思う(30代/サービス・販売系/東京)

●人は人、自分は自分。比べたり見た目で判断せず考え方の多様化を大切にすること(20代/サービス・販売系/茨城)

●人間同士として認め合えばいい (40代/営業系/北海道)

誰もが自分らしく働けるために、一人一人が心掛けること

LGBTQ+に限らず、性別や人種、文化的な背景などさまざまな多様性が重要視されるようになりました。たとえ自分が当事者でないとしても、同じ職場で働く人たちがそれぞれ自分らしく、生き生きと働ける環境づくりを心掛けていきたいですね。

過去にWoman typeでは、株式会社TIEWA(タイワ)CEO・合田文さんなど、LGBTQやダイバーシティについての事業を行ったりさまざまな活動をしたりしている方にお話を伺いました。

ぜひこれを機に、記事をチェックしてみてくださいね。

※調査データ(グラフ)は、小数点第2位以下は四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります。

※本記事は『女の転職type』のコンテンツを一部編集の上転載しています
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