令和に「1社で長く働く」ってどうなの? 転職未経験者の3割が「不安」と答える理由とは【女性100人アンケート】
転職してキャリアを築くのが当たり前になった今、同じ会社で長く仕事をする意味って? キャリアの専門家、人事、先輩女性たちの話から「1社で長く働く」を見つめ直そう

新卒入社した会社である程度キャリアを積んだ頃、同期から突然「転職する」と連絡が来たり、SNSでいろいろな業界や職種にチャレンジして生き生きと働いている同級生の姿を目にしたり……。
今の会社に大きな不満はないし、長く勤めるつもりで入ったけど、次々と周りが転職していく様子を見て「他の会社も経験した方がいいのかも?」と、何となく焦りを覚える人もいるかもしません。
転職を経験する人が増えた今、「1社で長く働く」ことを世の女性たちはどう考えているのでしょうか。
リアルな声を調査すべく、20~30代の働く女性たち100名にアンケートを実施しました。
「1社で長く働く」は勤続何年以上から?
まず、「1社で長く働く」とはどのくらいの勤続年数を指すのでしょうか。同じ会社で何年以上働いたら「長く働いた」と感じるのかを聞いてみました。

その結果、最多は「5年以上~7年未満」(33%)。
一通り経験を積んでチームリーダーなど責任ある立場を任され始めることが多い時期であり、新卒入社した人の場合、30歳という年齢的な節目を意識するタイミングでもあります。
これまでの社会人生活を振り返る機会も増え、自らのスキルや経験の棚卸しを行った際に「長く働いた」と実感する人が多いのかもしれません。
次に多かったのは「3年以上~5年未満」(27%)。「3年は頑張ろう」など、3年を一つの指標とする人は多いもの。そこを超えたことが「長く働いた」と感じる要因になりそうです。
比較的浅い年次が上位を占める一方で、「10年以上」は3番目に多い(22%)結果に。10年もまた一つの区切りであり、社内でも中堅社員やベテラン社員として扱われ始めるタイミング。
社内の信頼を得てようやく「長く働いた」と思えるのでしょう。
「1社で長く経験を積んだ方がプラス」が最多の回答に
では、女性たちは「1社で長く働く」ことがキャリアにどのような影響を与えると考えているのでしょうか。

1社で長く働くことは「プラスになる」「どちらかというとプラスになる」と回答した人は合計で7割以上。ほとんどの人がポジティブに捉えていることが分かりました。
その理由を聞くと、納得の意見が寄せられました。
【経済的なメリットがある】
「勤続年数によってもらえる退職金が増える」(30代後半/事務・経理・人事系)
「同じ会社に長く居た方がボーナスが上がる」(20代後半/介護・医療・福祉系)
「会社や業種が安定しているのならば、収入も安定しているので安心して生活を送れる」(30代後半/事務・経理・人事系)
【責任あるポジションへの抜てきにつながる】
「信頼につながり、どんどん仕事を任せてもらえる」(20代後半/事務・経理・人事系)
「難易度の高い仕事を任せてもらえて、自身の強み形成につながる」(30代後半/事務・経理・人事)
【より良い人間関係が構築できる】
「職場の人とより深い信頼関係が築ける」(20代後半/介護・医療・福祉系)
「人間関係が構築できるため、社内での影響力が強くなる」(30代後半/事務・経理・人事系)
【転職活動で好印象が得られる】
「転職活動をしたとき、転職先で『長く居てくれそう』という印象を与えられる」(30代前半/クリエーティブ系)
「勤続年数が長い方が、ほかの会社でも採用されやすくなりそう」(20代後半/事務・経理・人事系)
一方、1社で長く働くことは「マイナスになる」「どちらかというとマイナスになる」と回答した人も12%いました。
理由を聞いてみると、長く働くことで専門性を高められる一方、「スキルが限定的になる」「社外で通用しない人材になる」など、専門性を発揮できる場所が限られてしまうのではと懸念する声が上がりました。
【身に付くスキルが限定されてしまう】
「1社に長く居ても勤続年数が増えるだけで、実際にキャリアアップにつながるような資格も取れず、発揮できる場所が限定的なスキルしか身につかない」(30代後半/事務・経理・人事系)
「いろいろな会社で働いた方が、知識や技術をより多く取得できる」(30代前半/事務・経理・人事系)
「特定の仕事しかできない人間になってしまう」(30代前半/エンジニア系)
【特定の会社のカルチャーに染まり、外では通用できない人になる】
「会社のカルチャーに染まってしまい、転職後に上司とうまくやれなさそう」(20代前半/企画・マーケティング系)
「1社が長いとその会社の常識が全てになってしまって、外の社会で常識が通用しない可能性がある」(30代前半/コンサルタント・専門職系)
【客観的な評価が分からなくなる】
「同じ会社で長く働いていると、自分が現在どの位の能力があるか分かりにくい」(30代後半/サービス・販売系)
「転職経験がない」当事者の3割以上からは不安の声も
では、実際のところ転職経験がない人は、転職未経験であることをどう受け止めているのでしょうか。
アンケート回答者の中で転職経験がない人を対象に「転職経験がないことを不安に感じることはありますか?」と聞いたところ、約33%が「ある」と回答しました。

Q.2で1社で長く働くことは「プラスになる」「どちらかというとプラスになる」と回答した人の合計は全体の7割以上。
勤続年数が長くなるにつれて昇給や昇格が見込めたり、周囲との信頼関係が構築しやすくなったりと、さまざまなメリットがあるのも事実です。
それなのに、なぜ転職経験のない人の3割以上が不安を覚えてしまうのでしょうか。
その理由を聞いたところ、「同じ職をずっと続けてきたので、いざ転職したとしても他の環境に順応できるか、他の職でもやっていけるか不安」(30代前半/事務・経理・人事系)、「新卒から同じ会社で働いているので、今から転職して他社の仕事を覚えられるか不安」(20代後半/事務・経理・人事系)など、Q.2で上がったマイナスイメージと似た回答が寄せられました。
今は副業を始めたり、社外の交流会に参加したりと、会社に身を置いたまま外部と関わりを持つ方法も多くあります。
そうやって外の世界を知ることで「1社しか知らない不安」を軽減することはできるはず。
その上で、同じ会社で長く働くからこそ得られるメリットを享受する道を模索しながら、1社で長く働くことのプラス面を伸ばしていきたいですね。
【調査概要】
●調査方法:20~39歳の女性へのWebアンケート(クラウドワークス)
●調査期間:2023年09月11日~2023年09月25日
●有効回答者数:100名
文/柴田捺美(編集部)
『転職時代の「1社で長く働く」を考える』の過去記事一覧はこちら
>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/work/tenshokujidai/をクリック