未経験からのエンジニアデビューって実際どうなの? 成功者3人の体験談に学ぶ【満足度は89%!Woman type×Ms.Engineerイベントレポート】
エンジニアの仕事に興味はあるけれど、経験がない自分にもできるのかな?
具体的にどんなことをやるんだろう? 自分には向いてるのかな?
エンジニアの仕事に興味はあっても、未経験からのキャリアチェンジに不安を感じ、一歩踏み出せずにいる女性も少なくないかもしれません。
そこで、Woman typeでは「未経験からのエンジニアデビュー応援イベント」を、2024年4月24日(水)に六本木の会場にて開催しました。

イベント前半では、未経験からスキルを身に付けエンジニアデビューした女性3人の実体験を紹介。
後半では、女性向けプログラミングスクールを運営するMs.Engineerの講師・Meiさんが登壇し、イベント参加者が実際にパソコンに触れて、プログラミングを体験しました。
この記事では、当日の様子を抜粋してお届けします。

黒澤楓さん
専門学校卒業後、宮城県で医療事務として従事したが、収入やキャリアの限界を感じ、上京。非正規雇用でIT事務を経験し、エンジニアという選択肢に出会い、ブートキャンプを受講。現在はMs.EngineerでITエンジニアとして開発プロジェクトに参画中

平田唯さん
早稲田大学国際教養学部卒業。新卒でIT企業に就職し、研修時に初めて触れたプログラミングに興味を抱き、エンジニア業務に配属される。現在は、ブートキャンプで培ったスキルを活かし、仕事ではUXエンジニアポジションに異動、プライベートでもハッカソンに出場し受賞経験あり

岩本直海さん
関西大学卒業後、ハウスメーカーに就職し、営業として従事。ライフイベントをきっかけに、ソフトウエアエンジニアへキャリアシフト。2023年3月に株式会社アルファドライブに入社し、4月から株式会社ユーザベースに転籍。現在SSOシステムなどを開発
給与も働き方も…社会に出て気付いた「エンジニア」という選択肢

──皆さんは、なぜエンジニアになったのでしょうか?
私はもともと「女性が働きやすい」というイメージから医療事務として働いていたのですが、当時は年収が200万円ほどで、コロナ禍ではリモートワークができないなどの働き方の制限にも悩んでいました。
その後「エンジニアなら、給与アップも幅広い働き方もかなえられる」と知って、プログラミングスクール『Ms.Engineer』を受講した後、ITエンジニアとして働き始めました。
私は新卒でIT企業に入社して、始めはエンジニアになるつもりはなかったのですが、会社の研修を受ける中でプログラミングの魅力を知りました。
自分が感じた課題を解決するための方法を、自分の手で作れる楽しさを感じましたし、もし最新のスキルが身に付いたら何でもできるようになるのでは、 とワクワクしたんです。
そしてこれから本当にエンジニアとして働けるのかを試す意図もあり、スキルアップを見据えて『Ms.Engineer』のスクールを受講し、会社での配属もエンジニアとなりました。
私は新卒でハウスメーカーに入社し、営業として働いていましたが、結婚を機にエンジニアへとキャリアチェンジをしました。
結婚して転勤族になったので、自分の手に職を持っておきたくて。
エンジニアはリモートワークができる会社も多いですし、ワークライフバランスを見据える上でも手に職は必要だと思っていました。
──エンジニアデビューする時に、大変だったことは何ですか?
私は働きながらスクールを受講していたので、勉強の時間をつくるのが大変でしたね。趣味の時間などを削って、半年間は集中して時間をやりくりしていました。
振り返ると、勉強の難しさは意外と苦になりませんでした。
当初はIT知識もほとんどなくて「エンジニアって何する仕事?」レベルだったので、分からないことは開き直って「分かりません!」と大きな声で言っていましたから(笑)
私は現場でエンジニアとして「自走力」が求められることが大変だと感じました。
「そもそも何が分からなくて、何の答えを求めているのか」を言語化して、調べる方法を調べる、なんていうところから全て自分でやらなければならないのが、とても難しかったです。
もともと会社の研修で少しだけITについてかじってはいたのですが、エンジニアとしてのスキルは全くなかったので……。
それでもスクールで学んでいた時にイチから自分で調べて学んでいく経験をしていたので、で「分からないのが普通なんだ」と思えて。メンタル的にも楽になりましたね。
私はもともと営業職だったので、Excelを扱ったこともほとんどないし、皆さんと同じように分からないことだらけからのスタートでした。
それでも一からスキルを身に付けて転職ができたので、準備段階でしっかり学習して良かったと思いましたね。
仕事は「分からないことが普通」だからあせらない

──現在はエンジニアとしてどんな業務をしていますか?
私はITエンジニアとして開発プロジェクトに携わっています。担当しているのは、アプリのエラーの原因を突き止めて、修正を繰り返すような業務です。
もちろん分からないこともたくさんありますが、仕事を進めるうちに「これってもしかして、勉強したあれのことかも?」という瞬間も出てきて。その後の動きも想像がつくようになったので、学びが身になっている実感があってうれしいですね。
私は製品全体のUI/UXという、「人がどうやってサービスを使うのか」を考えてデザインしながら開発する業務をしています。今は人事の方が勤怠を管理したり、給与計算をしたりするソフトウエアが主な担当です。
私はもともと画面の裏側、処理の部分の技術を学んでいたのですが、さまざまな技術を学ぶうちに、ユーザーから直接見える画面の方の技術に面白さを感じるようになりました。
例えば、サイトで少し画面の色が変わっただけで、より使いやすくなりますよね。
それを視覚に障がいがある人たちにも使いやすくなるようなデザインにしたり、技術をより多くの人たちに使ってもらえるような設計をしたりするのが、とても楽しいです。
私は今「認証」と言って、例えばサイトにログインするような部分の機能を作っています。自分が作った機能をユーザーに使ってもらって、「より仕事が楽になったよ」と言われるのはとてもうれしいです。
初めてのタスクを任されることも多いので、常に調べて勉強しながら進めることに難しさは感じます。
でも先ほど平田さんも言ってたように、エンジニアの仕事は「分からないことが普通」なので、落ち込むことはあまりないんですよ。あせらずしっかり理解しながら進めようと思っています。
『Ms.Engineer』が分からないことがあってもすぐに答えを教えずに自分で調べさせる方針を取ってるので、エンジニアデビューする前に、「分からないことにぶつかった時に、自分で調べる」訓練ができたのは、すごく良かったなと思っています。
どんなに勉強してからエンジニアデビューしても、絶対に現場で分からないこととは出会うので。
同感です!
つまづいた時に「分からなくて当たり前なんだから、自分で調べてみよう」と切り替えられる力は、現場ですごく生きている実感があります。
学び続けて「ほしいものを諦めない人生」を送りたい

──最後に、皆さんの今後のキャリアについて教えてください。
まずはエンジニアとして一人前だと胸を張って言えるようになること。そしてどんなライフイベントを迎えたとしても、キャリアを続けられるように学んでいきたいです。
仕事も勉強も、恋愛も趣味も、全部の選択肢を常に持ち続けたままで、エンジニアとして働き続けたいと思います。
自分の「Want」を大切に、ほしいものを諦めない人生を送りたいです。
例えば私は旅行が好きなので、世界中を回りながら仕事をしてみたいですし、人助けをしたい気持ちも強いため、技術を使っていろいろな人を救えたらと考えています。
エンジニアとしてスキルがあれば自由度は高くなりますから、自分の人生を諦めずに生きていきたいなと思っています。
私はまだいろいろなことに挑戦している最中なので、2、3年後には自分の得意分野を見つけて、そこでリードできるようなエンジニアになりたいですね。
参加者満足度は89%! プログラミング体験会も大盛況
トークイベントが終わったあとは、女性向けのコーディングブートキャンプを運営する『Ms.Engineer』講師のMeiさんが登場し、プログラミング体験会を実施しました。

Ms.Engineer 講師 Meiさん
Ms.Engineer0期生として2021年7月にスターターコースを卒業し、2021年11月からブートキャンプに進学。 現在はMs.Engineerでスクール運営や講師を担当している
この体験会で参加者が挑戦したのは、JavaScriptという言語を使って行う基礎的なプログラミング。
参加者が実際にパソコンに触れて、疑問を一つ一つ解消しながら学習を進めていきました。
終了後には、「複数人のアシスタントの方がいて、丁寧にサポートしてもらえたので安心できた」、「プログラミングは初体験だったが、Excel関数の考え方などは現在の業務でも活かせると思った。もともと関数を組むのが好きだったので安心できた」などのコメントが寄せられました。
事後アンケートによる調査では、参加者満足度は89%(「大変満足」「満足」で回答した人)の高得点を記録。「エンジニアの仕事が『名前だけ知っている仕事』ではなくなった」という声も届きました。

Woman typeでは、今後もエンジニアデビューを目指す女性を応援・サポートする各種コンテンツを提供していきます。
イベントを実施する際はまたサイトで情報発信しますので、ぜひチェックしてくださいね!
文/大室倫子(編集部) 撮影/KeitaSawa