正直ありがた迷惑…!先輩からの“クソバイス”はどうかわす?【職場の人間関係トラブル護身術】
「あなたのためを思って」「脅しているわけじゃないんだけど」……頼んでもいないのに、なんだかモヤモヤするようなアドバイス。いわゆる「クソバイス」の被害にあう女性は多いのでは?
職場にはそんな「災害」とも言える、人間関係の問題や理不尽の“危険”といつどこで遭遇するか分かりません。
そんな問題から、働く女性たちが身を守って気分良く働くには、どうすればいいのでしょうか?
「災害から身を守るためには防災の知識が必要。人間関係も同じです」
そう語るのは、人間関係の災害から身を守る心理テクニックを紹介した書籍『職場の人間関係 防災ガイド』(サンクチュアリ出版)を上梓した藤本梨恵子さんです。
本記事では、人間関係の防災の知識を学ぶべく、本書から一部を抜粋してご紹介します。
今回は「ゴリ押しアドバイスをしてくる人」から身を守るための防災方法を見てみましょう!

藤本 梨恵子さん
キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、カラーセラーセラピスト、NLPマスタープラクティショナー。10年以上デザイナーを経験。「幸せな生き方とはなにか?」を考え、本格的にキャリアカウンセリングや心理学を学ぶ。学んだ内容を基に講座や講演を実施。講演回数は2000回を超え、婚活から就活まで相談者数は1万人を超えている。著書に『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』など
【災害名】ゴリ押しアドバイスの猛暑~お節介で恩着せがましい人~

【災害】ゴリ押しアドバイスの猛暑
仕切りたがりで、頼んでいないのに仕事や生活のことまでアドバイスをしてきて、従わないと怒ります。口は出すのに手は貸してくれません。
先輩が『その地味な服装ウケ悪いよ』とか『脅すわけじゃないけど、この仕事、もっと飲みニケーションしないと生き残れないよ』とかのアドバイスくれるんですよ。無視するわけにもいかないし、でも、正直、余計なお世話なんですよね……
無視しちゃいけないって思っちゃいますよね
そうなんですよ。親切心なのかな? とも考えちゃって
なるほど、実は、『脅すわけじゃないけど』とかの求めてないアドバイスは、カワウソ君のためじゃなくて、自分のために言ってるだけだよ
【分析:原因と特徴】あなたのためは自分のため?
求めてないのにアドバイスをされたことはありませんか?
そんなときは「あなたのためを思って、私がわざわざ忠告するのだから、言う通りにしなさい」と翻訳が必要です。
こんなふうにあなたを支配しようとする人、ちょっと怖いですよね?だから、言われると直感的に不快に感じるんです。

仕事で先輩にアドバイスを受けるのは大切。でも、求めていないのにアドバイスをしてきて、こちらが感謝や実践しないとムッとする人は要注意です。
その人は実は「自分は価値がない」と深層心理で信じています。だから、無意識にアドバイスをすることで、誰かの役に立ち、自分の価値を証明したいんです。それで、意見を受け入れてもらえないと、自分を否定されたと感じて、怒っちゃうんです。
本当に親切な人は、相談ごとでも思考の整理を手伝うように「どうしたい?」とコーチング的な質問をしたり、「もしよければ」と強制しない提案をするはずです。
ことわざの「人のハエを追うより己のハエを追え」は、他人に余計なお節介を焼くヒマがあったら、自分の問題を解決しろという意味です。
同様に求めてないアドバイスをする人は、他人に干渉することで、無意識に自分の人生の問題から目を背けています。
だから、あなたを助けたいわけではなく、困っているあなたより自分の方が優れていると思いたいだけ。口先だけで、手を貸しません。
【STEP1: 防災】クセの強い人に出会っても助かる方法

アドバイスされやすいのは、ズバリ、あなたが困ったり、弱っているときです。
雑談中、ちょっとでも弱音を吐こうものなら「前々から言おうと思ってたんだけど……落ち込む時間ムダじゃない? 君より大変な人はいっぱいるよ」「みんなこれぐらい経験してるよ」とあなたの背景を理解せず、人格や経験を批判し、傷つけます。
下手に傷つかないためにも、困ったり、弱ってるそぶりは見せないことです。できるだけ、プライベートな情報を公開しないこと。
詮索されたら、どうでもいい情報を話すのがオススメ。たとえば、「子どもが不登校で困っている」などの深刻な悩みに、上から目線のアドバイスをされるのはイヤですよね?
でも、「子どもが滑り台でズボンを破いた」という重要でない話に何か言われても気にならないですよね?
だから、当たり障りない会話をして、助言する隙を与えないのが得策です。
【STEP2.復興プラン】ピンチを切り抜ける方法
基本、相手本位のアドバイスはスルーでOK! 臨機応変にかわしましょう。
《水流ブロック―最後までアドバイスを聞いてしまった場合》
上司の助言など、遮れない場合は、「ありがとうございます。参考にします」「検討します」「なるほど、そういう考え方もあるんですね」と軽く流しましょう。相手の助言を否定していないので、地雷を踏まずに済みます。
《チェンジブロック―アドバイスが始まる前に阻止する場合》
「そう言えば〇〇さんは、例の件、どうなったんですか?」と相手が興味のある話題に切り替えてしまえば、あなたの話をせずに済みます。
さらに、相手に関心を払っているから、相手は承認欲求が満たされ、喜んで自分の話を始めるはずです。
《ダークオーラブロック―絶対に触れられたくない話題の場合》
「仕事ばっかりしてないで、早く結婚した方がいいよ」と、余計なお世話を焼かれたら、「親にも、早く結婚しろって言われて、つらいからこの話はしたくない……」と暗いオーラで伝え、相手の罪悪感を刺激して、ブロックしましょう。
《「はい……。でも……」ブロック―くり返されるくどいアドバイスを阻止する場合》
「若いんだから、積極的にいかなきゃ!」などの毎度うんざりなアドバイスには、「はい……。でも、試したけどダメでした……」と助言通り行動しても、失敗したと残念そうな顔で伝えましょう。
心理学でも「はい……。でも……」という発言は、助言した人に無力感を与える効果があると言われています。だから、相手もだんだんアドバイスしなくなるはずです。

風邪を引いていないときに薬を飲んでも、効果がわからないですよね? 同様に、求めてないときにアドバイスされてもピンとこないものです。
禅の世界では「啐啄同時(そったくどうじ)」といって禅問答で師匠と弟子のタイミングが一致したときに悟りが得られるとされています。
「啐」はヒナが孵化かするときに中から鳴くこと。「啄」は母鳥が外側から殻を突っつくことです。
もしヒナが鳴く前に母鳥が殻を突っつけば、ヒナは死にます。一方ヒナが鳴いても母鳥が気づかなければ、ヒナは殻を破れません。つまりタイミングが命なんです。
アドバイスも同じ。求めてないアドバイスは迷惑でしかありません。
【防災標語:気にしすぎないための考え方】
君のため 洗脳ワードと 心得よ
書籍情報:『職場の人間関係 防災ガイド』2024年6月7日発売!

職場の理不尽や人間関係の問題を、そもそも起こさないために!
嫌な人が嫌なことをする前に、ストレスゼロで働くためのガイドブック
職場には災害とも言える、人間関係の問題や理不尽が溢れています。
でも何をされても、「耐えるしかない」「気にしないことしかできない」と思っていないでしょうか? 実はこうした問題は、悩む前に、未然に防ぐことができるんです。
本書では、人間関係の問題を災害に例えながら、心理学に基づいた「そもそも問題を起こらないようにする方法」を紹介。
相手を知り、うまくかわし、ストレスを溜めず、やり過ごす。
きっとあなたの悩みも解決できる、人間関係の防災ガイドです。