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MAR/2016

「ほどよく真面目に」藤原竜也を“別格の存在”にするのは百戦錬磨の遊び心

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一流の仕事人には、譲れないこだわりがある!
プロフェッショナルのTheory

今をときめく彼・彼女たちの仕事は、 なぜこんなにも私たちの胸を打つんだろう――。この連載では、各界のプロとして活躍する著名人にフォーカス。 多くの人の心を掴み、時代を動かす“一流の仕事”は、どんなこだわりによって生まれているのかに迫ります。

藤原竜也
藤原竜也(ふじわら・たつや)
1982年5月15日生まれ。埼玉県出身。97年、蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』主役オーディションでグランプリを獲得し、ロンドンで初舞台を踏む。以降、『バトル・ロワイアル』(00)、『DEATH NOTE デスノート』(06)、『カイジ』シリーズ(09,11)など大ヒット映画に多数主演。映画・テレビドラマ・演劇の分野を問わず、圧倒的な才能と存在感を放つ

リラックスして臨めた“ちょっとダメな普通の男性”役

芝居の世界では、優れた役者の資質として「一声、二顔、三姿」という言葉がある。彼の深みも甘みもある低い声を聞くと、役者として天賦の才の主であることを改めて思い知らされてしまう。俳優・藤原竜也――舞台『身毒丸』で衝撃の役者デビューを飾ってから、もう19年の時が流れた。

その間、『DEATH NOTE デスノート』、『カイジ』シリーズなど主演映画を数多くヒットさせてきた藤原さんの最新主演作が、2016年3月19日に公開する映画『僕だけがいない街』だ。

「今回の現場は本当にリラックスしてやらせてもらいました。撮影も主人公が成長していく過程に合わせて進めていってくれたので、役にも入り込みやすかったですね」

そうはにかむ笑顔には、年齢を重ねた今も少年のような人なつっこさが残る。これまで異端な役どころを担うことが多かった藤原さんが本作で演じたのは、売れない漫画家志望の悟。事件や事故の原因に気づき、それを未然に防ぐまで何度も同じ場面まで巻き戻る「リバイバル(再上映)」という現象に巻き込まれるが、人柄はいたって普通。その“怪演ぶり”が度々話題に上がる藤原さんにとっては、新鮮な印象さえある。

芝居はやればやるほど分からなくなってくる

藤原竜也
タイムリープというSF要素に、謎解きミステリーの妙味が加わった本作。藤原さん自身が「もし過去に戻るなら」と挙げたのは、14歳のとき、演劇の世界に一歩足を踏み入れたその日だという。

「あの日の僕の選択が、自分にとってプラスだったのかを確かめるために戻ってみたい。芝居の世界が正しかったのか……。違う道もあったんじゃないかって。撮影中もよく考えていましたね。

実は、子どものころは西武ライオンズか浦和レッズの選手になりたかったんですよ。スポーツ選手って、究極の趣味の延長ですよね。楽しいことを仕事にされていて、すごく羨ましい。芝居を「楽しい」と感じる瞬間はほとんどないですし、やればやるほど分からなくなってくる。どこに行っても指差されますし、常に自分との格闘です(笑)」

そう言いながらも、「楽しくない」と言い切る地平をひた走ってきたのには、確かな理由がある。

「やっぱり役者を続けていると、自分の世界を広げてくれるような出会いがたくさんあるんですよね。新しい現場に行けば、今回のように架純ちゃんや平川監督との出会いがあって。その出会いが、僕を次のステージに進ませてくれる。役者という仕事に関してはね、これだけやっていても難しいことだらけ(笑)。だから、今はあれこれ考えず肩の力を抜いて、目の前にある仕事を楽しくできればいいなと思うようになったんです」

あえて“ほどよく真面目に”、監督に駆け引きを仕掛ける

藤原竜也
33歳の若さにして演技派俳優として確固たる地位を築き上げた藤原さん。役への憑依ぶりにも、職人的な匂いを感じさせるが、意外にも仕事に関して「こだわりはない」と言う。

「映画は監督のものだから、役者がこだわりを貫いたところで、いい作品になるとは限らない。でも、ただ1つ言えるとすれば、役者と監督の“セッション”がすごく大事だということ。それがあるかないかで現場の雰囲気と、できあがる作品の質に違いが出てくると思っているんです。

だから、僕はいつも監督に“駆け引き”を仕掛けるんですよ。納得できないことがあれば監督の目を見て唸ってみたり、真面目に話を聞いたり。それで現場も本気になってくるし、監督からいろいろなものを引き出していく。

今回の現場でも、平川(雄一朗)監督との駆け引きはすごく面白かったです。さっき『こだわりはない』って言いましたけど、強いて言うなら、“常に真面目”というわけではなくて、“ほどよく真面目に”ってことなのかもしれません、僕の信念は」

その言葉に、数多の現場を渡り歩いてきた百戦錬磨の遊び心がにじむ。

「あとは、作品の中心に立たせてもらっているからこそ、現場のいろいろな状況をよく見て、臨機応変に現場をまわしていくようにという意識はいつも持つようにしています。それは、僕の仕事じゃないのかもしれないですけどね」

同世代の中でも別格の存在感を見せる天性の俳優は、意外にも、周囲への“気配りの人”だった。

「やればやるほど難しくなっていく」と藤原さんが表現する芝居の世界。だが、そんな中でも藤原さんが輝きを増し続けているのは、演技力によるものだけではない。いい作品が生まれる「現場」を作るための、観察眼をも備えているからなのだろう。

これまで培ってきた役者としてのスキルと勘に、自然体な魅力が加わってきた現在の藤原さん。これから先も、“中心に立つ者”として、魑魅魍魎の芝居の世界を突き進んでいく。

【映画情報】『僕だけがいない街』
監督:平川雄一朗
公開日:3月19日(土) 全国ロードショー
出演:藤原竜也、有村架純、及川光博、杉本哲太、石田ゆり子 ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/bokumachi/

取材・文/横川良明 


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