【声優・アーティスト 上田麗奈】ネガティブで心配性な私がプレッシャーと闘えるワケ

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Another Action Starter

日々の暮らしの中で、ちょっとしたチャレンジをすること。それが、Woman typeが提案する「Another Action」。今をときめく女性たちへのインタビューから、挑戦の種を見つけよう!

『鬼滅の刃』や『機動戦士ガンダム』、『わたしの幸せな結婚』など数々の話題作で活躍する声優の上田麗奈さん。

近年は歌手デビューも果たし、声優・アーティストとして活動の幅を広げる上田麗奈さん

2024年9月13日(金)公開の映画『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』では、キュアリリアン/猫屋敷まゆ役を演じる。

近年は歌手デビューも果たし、声優・アーティストとして活動の幅を広げる彼女。しかし、意外にも「実はすごくネガティブで、自信のなさと日々闘っているんです」と素顔を明かす。

そんな上田さんが、挑戦を続けられる理由とは?

「弱さ」を受け入れ成長していくキャラクターに共感

2004年の放送開始から約20年、多くの人々に愛され続ける『プリキュア』シリーズ。

シリーズの中でも史上初の「犬のプリキュア」が誕生した『わんだふるぷりきゅあ!』は、「人間も動物も、みんな友達になれる!」という種族の壁を超えた絆、大切な誰かを互いに想い合う心の交流がテーマだ。

本作で、キュアリリアン/猫屋敷まゆ役を演じている上田さん。自分に自信が持てず心配性な一面を持つまゆの姿に、「強く共感した」と明かす。

上田さん

自分のためにはなかなか勇気が出ないけれど、大切な存在のためなら強くなれる。

そんなちょっと不器用な優しさや強さを持つまゆは、自分と重なる部分も多いと感じました。

キュアリリアン/猫屋敷まゆ役を演じた上田さん

さらに監督からは、役作りにあたって印象深い一言をもらったそうだ。

上田さん

監督から、「まゆは、4人のプリキュアの中で一番成長していくキャラクター」だと言われたのが印象に残っていて。

上田さん

「一緒にプリキュアやろうよ!」という主人公・いろはやこむぎからの誘いにも、最初は勇気が出なかった彼女が、愛猫のユキへの想いをエネルギーにして、弱さや不安を前向きなパワーに変えていく

そんな1人の女の子の等身大な成長ストーリーを意識して演じていきました。

しかし、「共感できるからこそ、演じる難しさも感じた」と上田さん。

作品が持つ明るさやポジティブさを保ちつつ、いかにまゆらしさを表現するか。それが今回の作品の難しさだったという。

上田さん

共感できるがゆえに、リアルな感情が出すぎてしまうのが悩みでした。

プリキュアシリーズが積み重ねてきたポジティブで明るい世界観から離れないようにするのが難しかったですね。

周りのキャラクターの温度感やニュアンスに近づくよう、そして表現がリアルになりすぎないようにチューニングしていく。そんなところは、この作品ならではの“挑戦”でした。

良くて引き分け、勝とうとしない

上田さん

実はすごくネガティブで心配性なので、チャレンジングなお仕事を任せていただく度に「本当に私でいいのかな」ってプレッシャーや不安な気持ちと闘っているんですよ

少し照れたような笑みを見せながら本音を明かしてくれた上田さん。

デビュー以降、ヒット作や話題作への抜擢が続く彼女は、不安やプレッシャーとどう向き合い、乗り越えているのだろうか。

尋ねると、「迷った時は、大切にしていることが2つある」と教えてくれた。

上田さん

1つ目は、人生で最も大切にしている欲求や信念に立ち返ること。

私の場合は『人の役に立ちたい』『人を笑顔にしたい』という思い。その役を演じることで、周りの人を笑顔にできるって考えたら、挑戦する勇気が湧いてくるんです。

迷った時に、大切にしていることを話す上田さん

しかし、キャリアを積んでいくと、調子が良い場面ばかりではない。

時には周囲の期待に応えられるか不安になったり、プレッシャーに飲まれそうになったりする瞬間もあるだろう。

そんな時に大切にするのは、「完璧を求めすぎないこと」だそうだ。

上田さん

ネガティブな自分が顔を出す瞬間も、もちろんあります。

気負いすぎてしまう自分の性格をよく理解しているからこそ、「良くて引き分け」「勝とうとしない」のも大事かなって。

だって、いつも「完璧にやろう」と思いすぎていると、うまくいかなかった時にヘコんじゃうし、疲れちゃうじゃないですか。調子が悪い時は誰でもありますから。

「ネガティブで心配性だからこその克服方法です」とうつむきながらほほ笑む。

上田さん

最初からうまくできなくて当たり前! と思えば挑戦のハードルも下がります。

完璧を求めてそもそもチャレンジしないよりも、自分の気持ちを楽にしてあげてチャレンジできた方がいいですよね。

上田さん完璧を求めすぎない自分

自分の力を過信しすぎず、肩の力を抜いて、まずは小さく一歩、踏み出してみる。

それこそが、上田さんがチャレンジを続けられる所以なのだろう。

不安や心配はさらけ出せばいい

現在は声優業から歌手、アーティスト活動まで仕事の幅を広げている上田さん。

だが、アーティスト活動を始める際には「手を広げると、どれも中途半端になってしまうのでは」という不安もあったという。

上田さん

やっぱり私の中では声優のお仕事を一番大事にしたいという思いが強くて。

他の仕事に挑戦して、声優業をないがしろにはしたくないなって思っていたんです。

だから『アーティスト活動をしませんか』ってオファーをいただいてからも、なかなか決心がつかずにいました。

そんな上田さんの心を動かしたのは、周りの人の声だった。

上田さん

たくさんの人に相談していたら、ある人から「アーティスト活動をしていくことで、きっとお芝居にも還ってくるよ」とアドバイスをもらって。

たしかに、そういう考え方もあるかって。その言葉を素直に受け取ってみようと思えたんです。

「もっと良い役者になるために、アーティスト活動がしたい」そんな思いを周囲の人たちに伝え、上田さんは協力を仰いだ。

上田さん

そうしたら、私の思いを大切にしながら、アーティスト活動を手伝ってくれる人がたくさん集まってきてくれた。

今声優とアーティスト活動を両立できて、「やってよかった」と思えているのは、協力してくれる仲間たちの力があったから。

チャレンジのハードルを下げる上田さん

不安や心配は一人で抱え込まずに、周囲の声を聞く。そんなスタンスが、さらに上田さんのチャレンジのハードルを下げているのだろう。

知人からのアドバイスの通り、アーティスト活動を始めたことで、上田さんは本業への予想外の効果を感じているという。

上田さん

経験がないジャンルの仕事にチャレンジしたことで、うまくいかなかったり、恥ずかしさや歯がゆさを感じたこともたくさんありました。

でも、そんなちょっとネガティブな感情も全部お芝居に活かせるなって。声優としての表現の幅が広がった感覚があります。

さらに、「より一つ一つの作品が大事に思えるようになった」とも続ける。

上田さん

声優は、ものづくりの最終段階に近いタイミングで役に命を吹き込むのが仕事。

そういった意味では、アーティスト活動を始めて、ゼロから作品を作る経験ができたのは貴重だなと思っていて。

上田さん

ものづくりの大変さ、作り手の思い、そして完成した時の達成感や喜び。

一つの作品が完成するまでの過程を一から体感したことで、今まで以上に一つ一つの作品への愛情が湧いて、大切に思えるようになった気がするんです。

新しいことに挑戦する時、誰しも不安や迷いを抱えるもの。でも、その気持ちと向き合い、周りの人の力を借りながら一歩を踏み出す。

そんな上田さんの姿勢は、きっと多くの人の背中を押してくれるはずだ。

上田さん プロフィール写真

上田 麗奈(うえだ・れいな)さん

2011年、「第5回81オーディション」で準グランプリ、2015年には「第九回声優アワード」で新人女優賞を受賞。数々のアニメやゲーム作品に出演し、その知名度を高める。主な出演作品は、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(ギギ・アンダルシア役)、『鬼滅の刃』(栗花落カナヲ役)、「アイドルマスター ミリオンライブ」(高坂海美役)など。2016年12月にミニアルバム『RefRain』でアーティストデビューを果たし、2021年3月には自身初となるライブ'上田麗奈1st LIVE Imagination Colors'を開催。同年8月18日にはニューアルバム『Nebula』を発表した。■XInstagram

取材・文/安心院 彩 撮影/竹井俊晴 編集/光谷麻里(編集部)

作品情報

映画『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』2024年9月13日(金)公開

大人気ゲーム【ドキドキ♡タヌキングダム】で遊ぶため、こむぎ、いろは、ユキ、まゆ、大福、悟が集合!

みんな仲良ゲームスタート!のはずが…
あやしいタヌキがいるゲームの世界に吸い込こまれちゃったみたい…。

さらに大ピンチ!こむぎは、いろはやみんなと離れ離れになっちゃった…!?

「ずっとずっといろはの隣にいたいんだワン!」大好きないろはに会うために、こむぎはいろんなゲーム対決に挑戦することに!

一体どうしてこんなことに…?ゲームの世界に隠された秘密ってなに…?
手がかりはゲームをつくった少女・ナツキが握っていて——。

「ひろがるスカイ!プリキュア」と「魔法つかいプリキュア!」も大集合!
みんなの想いがひとつになった時、わんだふるな奇跡が巻き起こる!?

声の出演:長縄まりあ 種崎敦美 松田颯水 上田麗奈
関根明良 加隈亜衣 村瀬歩 七瀬彩夏 古賀葵
高橋李依 堀江由衣 早見沙織 齋藤彩夏
寺島拓篤 立花慎之介

ゲスト声優:ジャルジャル(後藤淳平・福徳秀介)

原作:東堂いづみ監督:宮原直樹
脚本:加藤陽一
演出:村上貴之
音楽:深澤恵梨香
キャラクターデザイン:宮谷里沙
美術監督:谷岡善王
色彩設計:横山さよ子
撮影監督:大島由貴・佐々木果南
CGディレクター:中沢大樹
音響監督:菅原三穂

わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!製作委員会:東映アニメーション 東映 ABCアニメーション バンダイ ADKエモーションズ マーベラス

©2024 わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!製作委員会

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