自分らしい道を歩む元アイドルたちの、セカンドキャリアへの踏み出し方【前田敦子 大木亜希子 深川麻衣 十束おとはインタビュー】
新しい仕事にチャレンジしたいと思っても、畑違いの仕事や経験のない分野に踏み出すのは勇気がいるもの。
そこで今回は、自分らしいセカンドキャリアを見つけた4人の元アイドルたちのインタビューをご紹介します。
彼女たちは、どのようにして新しい道へと踏み出したのでしょうか。
前田敦子「好きなことを伝え続ける」
「ずっと女優になりたかったんです」と話すのは、かつてAKB48のセンターとして日本中を魅了した、前田敦子さん。
今やドラマや映画に引っ張りだこの女優へと成長した前田さんはどのように自分の夢をかなえたのでしょうか。
一番大きかったのは、とにかく好きなものを“好き”って言い続けたことです。
AKBにいた頃は、『映画が好き』って、あまり言ってこなかったんですよ。はっきり周りに言えるようになったのは、20歳を過ぎてから。
映画の世界で働いている人とか、映画に出ている人を見つけたら、『私、映画が好きなんですけど、オススメの作品は何ですか?』って勇気を出して声を掛けたりして。
そうやって、好きなものを通じていろいろな方とコミュニケーションを取るようにしていったら、いつの間にか『あっちゃんは映画が好きなんだってね』って、皆さんから声を掛けてもらえるようになりました
大木亜希子「他者ではなく自分と向き合う」
深川麻衣「自分の心の声にピントを合わせる」
『SDN48』卒業後に作家に転身した大木亜希子さんと、『乃木坂46』卒業後に俳優に転身した深川麻衣さん。
順風満帆なセカンドキャリアを歩む彼女たちですが、良くも悪くもイメージが固定されがちなアイドルという職業からの転身は、決して平たんな道のりではなかったそう。
そんな彼女たちは、どのようにして「元アイドルだからね」のレッテルをはがし、自分らしい道を歩めるようになったのでしょうか。
「元アイドル」と言われることに過剰に反応していたのは、自分だったことに気付いたんです。
それからは、過去にとらわれてしまう自分と決別し、ゼロから再出発しようと覚悟を決めました。
向き合うべきなのは他者ではなく、私自身だと思うようにしています。自分で自分に「よく頑張ったね」ってはなまるをあげられることが一番大切なんです。
それに、他者を変えることはできない。状況を変えたいのであれば自分が変わるしかない。そう割り切ってから楽になりました。
今は「元アイドル」も私の大切な属性の一つだと思えるようになりました。それに自分がどんなに「こう見られたい」と願ったとしても、どう見るかは相手次第じゃないですか。
だからもう、見られ方は相手に任せちゃってもいいのかな、って。その代わり私自身は、過去に甘んじずに一人の俳優として認めてもらえるように努力を続けていけばいい。
時折聞こえてくる意地悪な声に耳を傾け過ぎないで、自分の『好き』とか『やりたい』って心の声にピントを合わせて生きていけば、どんな選択をしても自分らしくいられると思っています。
十束おとは「あえて自分を崖から突き落とすつもりで、目標を口に出す」
元『フィロソフィーのダンス』の十束おとはさん。
ファーストシングルはオリコン2位、4thシングルがアニメ映画の主題歌になるなど、さらに上を目指せる時期だったにも関わらず、「戦力でいられるうちに卒業したい」と、グループを潔く卒業しました。
そんな彼女がセカンドキャリアで選んだのは、キャリアコンサルタント。
今後は「若者と女性のキャリア支援」に尽力していきたいと話す彼女は、どのようにやりたいことへの一歩を踏み出したのでしょうか。
キャリアコンサルタントという仕事を知った時、学んでみたいと思うと同時に昔つまずいていた時に相談してみたかったなと感じました。
私は引きこもりからしばらくしてアイドルになり、異業種からの転職も経験しています。
さまざまな失敗や挫折を含めたあらゆる経験をした今だからこそ誰かの役に立てるのならと、キャリアコンサルタントを目指そうと思いました。
思ったよりも覚えることが多いうえに、タレントと会社の仕事との両立で心が折れてしまいそうな瞬間が何度かありました。
ひっそりと誰にも告げずに勉強していたら、途中で諦めていたかもしれません。あえて自分を崖から突き落とすつもりで、言ったからには「絶対に取る!」と思っていました。
文/Woman type編集部