Kis-My-Ft2 藤ヶ谷 太輔「実は緊張しやすいタイプなんです」どんな環境でも仕事で成果を出すために必ずやっていること

アイドルグループKis-My-Ft2のメンバーとして活動する傍ら、数々のドラマ・映画作品に出演し、ヒット作を世に送り出してきた藤ヶ谷太輔さん。

『幸せカナコの殺し屋生活』

アイドル、歌手、俳優、MC、ブランドプロデューサーなど、さまざまな顔を持って活動している。

そんな彼がこれまで大切にしてきたのは、どんな立場・環境でも自分の実力をしっかり発揮して、「いい仕事」をするという心掛け。

それを実現するために、藤ヶ谷さんが意識的に取り組んでいることを教えてもらった。

実力を発揮し続けるコツは「緊張」の見極め

「周りの人からはよく『何でも完璧にこなすタイプですよね』って言われるんです。

でも、僕自身は全くそう思っていなくて、慣れないことをしたり準備不足だったりすれば、仕事でミスすることもあります」

そう言って、少し照れくさそうな笑顔を見せる藤ヶ谷さん。意外にも、人前では緊張しやすいタイプなのだそう。

『幸せカナコの殺し屋生活』

「もともと緊張しやすい人間なのはよく分かっているので、人一倍練習をして事前準備はしっかりしていくタイプです。そうすることで、自信を持って仕事に取り組めるようになりますから。

ただ、準備をしても自分の実力が追い付かずにどうしても緊張してしまうときは、その場で『良い緊張』と『悪い緊張』を見極めることを意識しています。

例えば、『良い緊張』は自分の集中力を高めてくれるもので、ある程度は必要なもの。『悪い緊張』は、自信のなさから来るものでパフォーマンスの質を下げてしまうもの。

自分の感情を細分化してとらえて、緊張をコントロールするようにしています」

「悪い緊張」にとらわれて体が震えてしまうようなときは、そんな自分を俯瞰して見てみるのが効果的だという。

「人生でこんなに緊張すること、あと何回あるかな? 震えるほど緊張しているなんて、自分はいますごく真剣なんだな……。

そんなふうに自分のことを客観的に考え出すと、その状況を面白がることができるようになっていきます。すると、気持ちがすごく楽になるんですよね。

『どうしよう』『うまくやれるかな』って不安になってしまったときは、緊張している自分のことを笑っちゃえばいいんです」

人から評価されたことは、素直に受け止める

『幸せカナコの殺し屋生活』

10代の頃から芸能活動を続けてきた藤ヶ谷さん。

アイドル・俳優としてキャリアを重ねた末、19年4月からはラジオ番組『藤ヶ谷太輔 Peaceful Days』(ニッポン放送)をスタート。

同番組では自身初となるソロラジオパーソナリティーを務め、翌年にはトーク番組『A-Studio+』(TBS)のMCにも就任した。

MC業に取り組むようになった頃の心境を聞くと、「不安もあったし、すごく緊張していた」と当時の様子を打ち明ける。

「それまでは、しゃべるスキルを磨くようなことを全くしてこなかったから、最初にトーク番組でMCをやってほしいというオファーをいただいた時は『何で僕が?』と驚いたくらいです。

でも、よくよく考えると、僕にオファーをくださった方は『藤ヶ谷は人の話を聞くことが好きそうだ』とか『人の話を自然と聞き出しそうだ』とか、そういうことを期待してくれていたんじゃないかと勝手に分析していて(笑)

しゃべるのが『上手い』とか『下手』とかそういうことじゃなく、僕にしかできないことがあると思ったから、期待を寄せて声を掛けてくれたはず。

そういうふうにとらえたら、自信を持ってMCの仕事に取り組んでいいのかなと思えるようになったんです」

悪い緊張を招いてしまうときはたいてい、自分に対して必要以上に「低い」評価を下しているときだ。

だからこそ、藤ヶ谷さんは「自信がない時ほど、その場を楽しむ」ことに目を向けるという。

「たとえ、スキルの面ではつたない部分があったとしても、番組や作品を作る側が『楽しんでいる』かどうかは、絶対に観ている人に伝わると思うんですよね。

そして、そういうものが『上手い』『下手』以上に人の心をつかむ“何か”になると思うんです。

だから、自分に自信がないときほど、その場を楽しむ。それが、僕が仕事をする上でいつも大事にしていることですね」

人を楽しませるには、自分が仕事を楽しむことから

10代で芸能界デビューを果たしてから、すでにキャリアは27年目。37歳を迎えた藤ヶ谷さんは、「仕事選びで大切にしている基準も、変わってきている」と明かす。

「20代の頃なんかは、俳優として出演する作品であれば、『脚本が面白い』とか『作品の規模が大きい』とか、そういうことを重視することもありました。

でも、いま一番大切にしているのは、その作品に出ている自分自身が『ワクワクするか』『心が躍るか』……そういう感覚的な部分なんです。

そういう仕事をする方が、自分が本気で楽しんでいる姿をファンの皆さんにも見せられるし、皆さんにも楽しんでいただけると思うんですよね」

そう話す藤ヶ谷さんが新たに出演するのが、DMM TV オリジナルドラマ『幸せカナコの殺し屋生活』だ。

『幸せカナコの殺し屋生活』

本作は、のんさん演じる主人公・西野カナコが転職先の「超ホワイト」な殺し屋企業で思わぬ才能を開花させるブラックジョーク満載のコメディー作品。

「奇想天外な要素満載の脚本を見て、一瞬でワクワクしましたね。

そして、この作品に出演できたら、ファンの皆さんにも心から楽しんでいる自分を見せられそうだとすぐにイメージできました。

ですから、出演オファーをいただいた時は『ぜひやらせてほしい』とお返事しました」

『幸せカナコの殺し屋生活』

本作で藤ヶ谷さんが挑戦したのは、中途入社したばかりのカナコに伴走しながら暗殺スキルを指導する先輩社員・桜井役。不愛想ながら、ツンデレな一面を持つ個性的なキャラクターを演じている。

「コミカルだけど口数の少ない桜井のようなキャラクターを演じるのは初めてだったので、撮影初日はやっぱり緊張しましたね。

無言のまま目線だけで演技をする必要があったり、表情だけで考えていることを伝える必要があったり。

いつもとはまた違った神経を使いながら、集中して撮影に挑みました」

自分の新たな一面を引き出してくれる作品との出会いは、藤ヶ谷さんにとっても「楽しみ」の一つだ。

『幸せカナコの殺し屋生活』

「今回は、監督やのんさんをはじめ、一緒に撮影に臨んだスタッフさんたちとみんなで本気で楽しみながら作品づくりができましたし、僕自身も桜井を演じられました。

ぜひ、ファンの皆さんにもワクワクしながら観てもらって、ハラハラしたり、スカッとしたりしてもらいたいですね」

インタビュー中、藤ヶ谷さんの口からは何度も「ファンの皆さんに楽しんでもらいたい」という言葉が出てきた。

アイドルとして、俳優として、MCとして……人を楽しませることが自分の仕事だからこそ、まずは自分自身が仕事を楽しみ続けたいーー。

クールな表情の中に、プロのエンターテイナーとしてのまっすぐな思いが見えた。

<プロフィール> 藤ヶ谷 太輔(ふじがや・たいすけ)さん
1987年6月25日生まれ。Kis-My-Ft2のメンバーとして活動し、11年にデビューシングル『Everybody Go』をリリース。俳優として、数多くのドラマや映画、舞台にも出演。近年の主な主演作に、映画『MARS 〜ただ、君を愛してる〜』『傲慢と善良』などがある。トーク番組『A-Studio+』(TBS)にMCとして出演中

作品情報

『幸せカナコの殺し屋生活』 2025 年 2 月 28 日(金)、DMM TV で独占配信スタート

監督:英勉
原作:若林稔弥『幸せカナコの殺し屋生活』(星海社COMICS)
出演:のん 藤ヶ谷太輔 矢本悠馬 山崎紘菜 菅井友香 菅田俊 木村多江 渡部篤郎
https://info.tv.dmm.com/original/pre-membership/kanako/
コピーライト:©DMM TV ©若林稔弥/星海社

取材・文/根津 香菜子 編集/栗原千明(編集部)