生成AI活用で資料作成にかける時間が3分の1に。『Copilot』を味方に付けて激変した仕事・子育ての両立生活【AI×リスキリング体験談】

この連載では、女性のIT人材育成を支援する『Code; Without Barriers in Japan』とWoman typeがコラボレーションして、AIの活用例やスキル磨き方、AIスキルの習得で「自分らしい未来」を手にした女性たちの“before after”ストーリーなどをご紹介していきます!
今回“before after”ストーリーを紹介してくれたのは、育児をしながらIT企業でフルタイムで働くMinobuさん。
以前からAIに興味はあったものの、『Code; Without Barriers in Japan』への参加は「不安だった」と振り返ります。
ところがAIについて学んだ今、「学習は本当に楽しかった」「キャリアに自信が持てるようになった」と明るい表情を見せてくれました。一体、Minobuさんに何が起きたのでしょうか?

【お話を伺った方】 Minobuさん
外資系のIT企業でマーケティング関連の仕事に従事。3歳になる娘の育児をしながらフルタイム勤務中。仕事でもプライベートでも、AIをフル活用中
受講への不安は「頑張らない」ことで払拭できた
ーー普段はどのようなお仕事をしていますか?
外資系のIT企業でマーケティング関連の仕事をしています。3歳になる娘の育児をしながらフルタイム勤務中です。
ーー『Code; Without Barriers in Japan』(以下、CWBJ)のオンラインプログラムを受講してみようと思った理由を教えてください。
以前からCopilot(※)等のAIは使っていて、「もっとしっかり使えた方がいいんだろうな」という感覚もあり、CWBJには興味がありました。
でも実は、二の足を踏んでしまって……1期への参加は見送ったんです。その後、受講生の記事などを見て、「2期があるなら絶対参加しよう」と決意しました。
Microsoft社の生成AIサービス、Microsoft Copilotは、情報収集や情報整理、プログラミングや様々な学習支援にも利用可能。時間短縮や生産性向上はもちろん、苦手なことを助けてもらったり、自分以外の視点でアドバイスをもらうなどにも利用できる
ーー何に不安を感じていたのでしょうか。
不安な要素は三つありました。
一つ目は、自信がなかったこと。「参加すればすごいことが起きるかも」と直感的に思ったけど、その分ついていけるか心配もあったんです。
二つ目は、CWBJに参加した先の未来をイメージできなかったこと。
エンジニアになりたいわけでもないし、学んだことが自分の業務や生活にどうつながっていくのか、イメージが湧きづらかったなと思います。
そして三つ目は、学ぶ時間です。小さな子どもを育てながらフルタイム勤務しているので、時間の確保が不安でした。
ーー実際に受講をする中で、どのように不安を払拭していきましたか?
まずは「頑張るのを辞める」ことを意識していました。
以前、職場の先輩に英語の勉強方法を聞いたとき、「息をするように学んでいる。勉強するって思ったら負け」と言われたことがあって。AIの勉強でも同じことができるのではと思ったんです。
そこでスマホの一番目に入る、タップしやすい場所にCopilotとCWBJの資料リンクのアイコンを置いて、スマホを触ったら即チェックできるようにしました。
時間を決めて勉強するというよりは、なんとなくSNSを見る時間を学習に置き換えるイメージですね。
あとは、CWBJのキックオフイベントで、CWB創設者のアニーとお話できたことも大きかったです。
私は出産してフルタイムで復帰したけど、どこかで自分のキャリアを諦めていたことに気付かされて……。そんな私の背中を「諦めなくていい、やりなよ」とアニーが押してくれました。
その時に、「この瞬間を忘れちゃダメだ」と思い、一緒に写真を撮ってもらったんです。写真は印刷して自分のパソコンの横に置いていて、机に座るたびに写真を見て、自分を盛り上げています。
「みんなで同じことを学ぶ」のは幸せな日々
ーー「ついていけるか不安だった」とのことですが、実際に学んでみてどうでしたか?
頑張っている感覚がないので、ひたすら楽しかったです。
LinkedInに学習グループがあり、「みんな頑張っているんだな」「一人じゃないんだ」と感じられたのも大きかったですね。
特にオンライン学習で参加者の皆さんと話をしたのが印象残っています。AIを通して、心がつながった感じがしたんですよね。
育休中にも何かに迫られるような気持ちで勉強しようとしたことがあったのですが、すごくきつくて。「学びたいけど、どうしたらいいかわからない」思いはずっとありました。
だからこそ、学びの場があることが本当にありがたいと、毎日のように思っています。みんなで同じことを学ぶなんて学生以来でしたが、すごくうれしい経験でした。
また、私の場合は学んだことを仕事ですぐに使える環境があったので、「これを明日試してみよう」と思えるのもよかったです。
自分がやりたいと思った時に、それをやれる環境があることの幸せを噛み締めています。
ーー反対に、苦労したことはありましたか?
CWBJの学習中に分からない単語が出てきたり、自分の読解力では理解が難しい文章があったりもしましたが、Copilotに「3歳児でも分かるように、語彙少なめで説明してください」など、かみ砕いて説明してもらうことで乗り切れたと思います。
Copilotに「たまにクイズを交えながら説明してください」とお願いし、Copilotから「〇〇という単語を覚えていますか?」と時々聞いてもらうことで復習もできました。
そういったCopilotの使い方も、CWBJのLinkedInグループのAIの使い方や学び方に関する投稿からインスピレーションをいただきましたね。
Copilotの存在が心理的な安心感につながっている
ーーAIについて学んだことで、実際の業務にはどのような影響がありましたか?
今まで10時間かかっていたPowerPointの作成が3時間で終わるようになりました。
自分一人では実現ができなかったVBAや関数を組み合わせのExcelや 『Power Apps』のアプリ構築も、Copilotという専門家と肩を組んでやっています。
今は『Copilot エージェント』による営業支援ができるシステムを組みたいと思い、ゼロから必死に学んでいるところです。
ーー新しい業務にもチャレンジできるようになったのですね。
そうですね。 CWBJの受講を通じて、心理的な安心感が得られた気がします。
これまでは「専門用語が分からなくても大丈夫」と書いてあっても躊躇してしまっていましたが、今は「Copilotと話し合えばどうにかなるかも」と思えるようになりました。まるで自分を強化したり補足したりしてくれる魔法を使えるような感じです。
だから私は具体的なキャリアのイメージがあるわけではないけれど、「チャンスがあるなら飛び込んでみよう」という前向きな気持ちが今はありますね。
Copilotに「褒めてください」とお願いして、「あなたは今こんな風に学んでいます」と言ってもらったり、CWBJから習得スキルを証明するデジタルバッチがもらえたりと、そういうことからも勇気づけられたと思います。
「まだまだやれるかも」なんて、受講前は全く思いませんでしたが、夫からも「CWBJを受講してからのあなたは全然違う」と言われますし、我ながらすごい変化だと思いますね。
初心者におすすめのAI活用方法
当初の私は「AI=仕事」のイメージが強かったのですが、CWBJを通じて「プライベートでAIを使うのはこんなに楽しいんだ」と気付かされました。
私が実際にやっている、身近なおすすめの活用方法を3つ紹介します。働く女性にぴったりなので、ぜひ試してみてください。
・日記の整理に活用
長期休暇やイベントの際に写真を撮っても、後から見返した時に忘れてしまっていることはよくあると思います。
そこで、「年末年始の楽しい思い出を毎日送ります。写真と文章を送るので、それを10日後に集約して思い出のアルバムを作ってください」とCopilotにお願い(入力)すると、デジタルで綺麗にまとめてくれるんです。
写真をアルバムにまとめるサービスはすでにあるけど、コメントと共に写真を整理してくれるのは、Copilotならではだと思います。
他に、育児日記整理にCopilotを使っても便利だろうなと思います。ミルクや排便の時間や回数の記録も、Copilotでデータ化できます。質問もできるので、検索の時間もグッと減ると思いますね。
・両親の詐欺被害防止に活用
最近、詐欺被害が多いですが、両親に聞いてみたところ、メールなどで送られてくる「困っています」といったメッセージに対して、怪しいと思っても両親は「もし本当だったら助けになりたい」と思ってしまうようです。
なので、両親にはそのメッセージをCopilotに「怪しいと思うところを教えてください」と入力して聞いてみるように勧めています。
Copilotは冷静に怪しいポイントやその理由、詐欺の可能性について教えてくれるので、娘がとやかく言うよりも受け入れやすいようですね。
・家庭の議長に活用
マイホームの購入時、我が家では議長をCopilotにお願いして住宅購入までのサポートをしてもらいました。
夫と私それぞれの家に求める要件について、細かく質問をしてもらって壁打ちをしながら決めていけましたし、その上でお互いの要件の間はどこなのか提案してもらったことで、建設的にスピード感を持って進めることができたと思います。
無料のオンラインプログラム『Code; Without Barriers in Japan』概要
このプログラムでは、女性がAIスキルを習得し、キャリアをステップアップするための包括的なサポートを無償で提供しています。
オンラインで参加できるプログラムなので、自分のペースで学習を進めることができ、実践的なスキルを身につけることが可能です。
▼登録方法はこちら
無料で参加できるオンライン学習プログラム「CWBJ」への登録は、下記のマイクロソフトWebページから可能です。「紹介コード」の項目には、「WOMEN25」の記載をお願いします。
取材・文/天野夏海 取材・連載企画 /マイクロソフト河村明子
『AIスキルで変わる女性の未来』の過去記事一覧はこちら
>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/work/aiskill/をクリック