川口春奈「視聴率への声に悩んだ時期もあった」周囲の評価を怖がらずにチャレンジできるようになるまで

川口春奈「視聴率への声に悩んだ時期もあった」周囲の評価を怖がらずにチャレンジできるようになるまで

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Another Action Starter

日々の暮らしの中で、ちょっとしたチャレンジをすること。それが、Woman typeが提案する「Another Action」。今をときめく人たちへのインタビューから、挑戦の種を見つけよう!

「ダメなやつだと思われたくない」「できない自分を見せるのが怖い」

周囲からの見られ方が気になるタイプの人ほど、チャレンジの一歩は重くなりがち。

自分を守ろうとするあまり、ついコンフォートゾーンに収まってしまう女性たちに届けたいのが、俳優・川口春奈さんのマインドセットだ。

『Silent』(フジテレビ)、『9ボーダー』(TBS)、『アンサンブル』(日本テレビ)など、人気作の主演を担う俳優となってからも、バラエティーやYouTubeなど活動の幅を広げ続ける彼女だが、実は「気にしい」な一面があると語る。

川口さん

20代の頃は、「川口春奈のドラマ、視聴率ダメだね」なんていう世間の評価が耳に入ってきたりすると、しんどいなと感じることもありました。

活動のフィールドを広げれば広げるほど、できないことに直面したり、耳を覆いたくなるような声にさらされたりする機会も増えるだろう。

それでも彼女は、なぜ挑戦の幅を広げ続けられたのか。川口春奈さんが実践する、しなやかなマインドセットと“挑戦し続ける力”に迫る。

カメラに向かってポーズをとる、川口春奈さん

川口春奈さん

1995年生まれ、長崎県出身。2007年、ファッション誌のオーディションでグランプリを獲得。09年、ドラマ『東京DOGS』で俳優デビュー。12年、映画『桜蘭高校ホスト部』で映画初主演を果たす。近年の出演作にNHK大河ドラマ『麒麟がくる』、連続テレビ小説『ちむどんどん』『舞いあがれ!』、ドラマ『silent』(フジテレビ)『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日)『9ボーダー』(TBS)、『アンサンブル』(日本テレビ)、映画『極主夫道 ザ・シネマ』『マイ・エレメント』(声の出演)など。20年から『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』にレギュラー出演。公式YouTube「はーちゃんねる」も好評

普段と“逆の立場”を演じる新鮮さと複雑さ

川口さんの最新作、ABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』は、スキャンダルをめぐる事務所と週刊誌の攻防を題材に「芸能界の裏側」を描いた作品だ。

劇中では、世間の目や厳しい評価にさらされ苦しむ芸能人の姿もリアルに映し出されている。

川口さんが演じたのは、週刊誌記者・平田奏。本作で最初に彼女の心が動かされたのは、ドラマの切り口と“攻めた姿勢”だった。

川口さん

芸能界の裏側とスキャンダルって、すごくインパクトのあるテーマですよね。今まで演じたことも、作品として見たこともなかったんです。

台本を読み進めるうちに「こういうシチュエーション、リアルにあるよな」と思う場面がたくさんあって。ここまで攻めて描く際どさに面白みを感じて「やってみたい」と思ったんです。

スキャンダルから所属俳優を守ろうとする芸能事務所側が、「何年も前のスキャンダルを掘り起こして何の意味があるのか」「人生を壊す気か」と憤る一方で、平田は「有名税だから仕方ない」と主張する。

『スキャンダルイブ』場面写真

普段とは逆の立場を演じながらも、どちらの言い分も理解できたからこそ、撮影中は複雑な心境だったと振り返る。

川口さん

それぞれ守るべきものがあって、「これが自分の正義だ」と信じているからぶつかるんですよね。

私自身は普段“言われる側”であるからこそ、事務所との攻防のシーンは複雑でした。

自分のセリフに対して、「こわ……」なんて思うこともあって(笑)。普段はなかなか味わえない感覚で、演じていてとても刺激的でした。

作品について語る言葉の端々から、“見られる側”として生きてきた川口さん自身の経験がにじむ。

代償や痛みを伴いながら作品を作り、届け続けてきた彼女は、仕事に誇りと責任感を持って向き合っている一方で、「天職だとは思っていない」とも語る。

川口さん

小さい頃から学校もあまり行かず、この仕事で生きてきたので、「これしかできない」という気持ちも少しあります。

素晴らしい部分も残念な部分も知っているからこそ、うまく付き合いながら良い作品を届けたい。私は特別な人間ではないし、芸能界もキレイで美しいことばかりではありません。そういう部分も含めて描かれた作品です。

なかなか演じられる役ではないので、挑戦することに迷いはありませんでした。ただ、曲がって伝わってしまうのは怖い。この作品に込めた思いが、まっすぐ届いて欲しいと思っています。

人はいつか死ぬから、「後悔しない」選択をしたい

本作には、新人俳優が視聴率を理由に世間から叩かれ、苦しむシーンがある。川口さん自身も若い頃、出演作の視聴率などをめぐる声に悩んだ時期があったという。

川口さん

もちろん今もいろいろ言われますよ。それは変わりません。この仕事の宿命だと思います。

でも、一番しんどかったのは、YouTubeもInstagramもやっていなかった十代の頃。自分から発信する手段がなく、「違うのに」と言いたくても言わせてもらえないもどかしさがあって。誤解や世間の評価がひとり歩きしていくのを、ただ見ていることしかできませんでした。

「心配性で気にしい」な一面があるという川口さん。そんな彼女を支えたのもまた“仕事”だった。

川口さん

当時は仕事がとにかく忙しくて、落ち込む暇も、考える時間すらも与えられなかった。それが逆によかったのかもしれません。

もしあの頃、立ち止まる時間がたくさんあったら、精神的に参っていたと思います。

カメラに向かってポーズをとる、川口春奈さん

周囲からの評価の声に思い悩む余裕がなかったからこそ、次のチャレンジを恐れずに続けてこられた川口さんだが、彼女が活動の幅を広げ続けられた理由はもう一つある。

川口さん

人間はいつか死ぬじゃないですか。もしかしたら明日死ぬかもしれない。

他人の意見は気になるけれど、そればかり気にしてやらずに後悔するくらいなら、「何を言われてもいいからやりたい」と思うんです。

「できないと思われたくない」という感情に引っ張られ過ぎると、自分が本当にやってみたいことに手を伸ばせなくなってしまう。

川口さんの根底にあるのは、そんな恐怖を上回る「人生を後悔したくない」という強い思いだ。

川口さん

一人でも二人でも、自分のことを理解してくれて、応援してくれる人がいれば十分かな。家族だけでもいいし。

全員に分かってもらえなくても、「この人たちが理解して味方でいてくれれば大丈夫」と思えるくらいの強さはあるのかもしれません。

カメラに向かってポーズをとる、川口春奈さん

まったく気にしない境地にはなかなかたどり着けない。それでもまわりの声に「振り回されないこと」はできる。

世間の声がつらいと感じる時は、たとえ少数でも「近くで自分を見て応援してくれる人」の存在に目を向ける。そのスタンスこそが、川口さんが周囲の評価を恐れずにチャレンジするための原動力なのだ。

場数を踏むにつれて、恐怖は自信に変わっていった

世間の評価に悩んだ時期を経て、今のマインドに至るまでに劇的な転機はなかったという。

川口さん

「この出来事で一気に考え方が変わりました」みたいなものはないですね。

年齢を重ねて場数を踏み、自信が付いたことが大きいと思います。

川口さん

失敗も成功も、自分のキャリアとして積み重なっていくもの。「あの時もなんとかやり切れた」という過去の経験が、今の自分を支えてくれています

慣れや忍耐力って、結局のところ経験でしか身に付かないんですよね。

経験を重ね、「できないかもしれない」という恐怖を越えられた成功体験が増えるほど、挑戦へのハードルは少しずつ下がっていった。とはいえ、新しいことへの怖さがなくなったわけではない。

川口さん

怖さはもちろんあります。でも「なんとかなるでしょ」と思う自分もいる。

やらなきゃ何も始まらないので、あえて自分を追い込むこともあります。始めてみると意外とうまくいったり、楽しかったりするんですよね。

川口さん

大切にしているのは、ネガティブなシミュレーションばかりしないこと。

30代になっても新しい環境に飛び込める仕事やチャンスがあること自体、すごくありがたいことですから。

カメラに向かってポーズをとる、川口春奈さん

このチャレンジマインドを起点に、俳優としての仕事に留まらずにバラエティーやYouTubeにも活動の場を広げた川口さん。

登録者196万人を誇るYouTube「はーちゃんねる」も、始めるときには不思議と「素を見せる怖さ」はなかったという。

川口さん

役をまとってしか表に出ない仕事なので、パブリックイメージが固定されがちなんですよね。だからこそ、本当の自分を出せる場所が欲しくてYouTubeを始めたところもあるんです。

私が食べたいものを食べて、行きたいところに行っている姿を楽しんで見てくれる人がいるなんて、こんなに幸せなことはないですよ。

ふたを開けてみたらポジティブなコメントをくださる方が多くて、「こういうつながり方ができる時代なんだ」と嬉しくなりました。

30歳の節目を迎えた川口さんは、今後は裏方の仕事にも挑戦してみたいと語る。

川口さん

本当はそっちの方が向いているというか、性に合っているなとは思っていて。いつかご縁があれば、人や作品をプロデュースしたり、モノ作りに関わったりしてみたいです。

カメラに向かってポーズをとる、川口春奈さん

周囲の評価を気にして身動きが取れなくなりそうなときこそ、「どう見られるか」ではなく「どう生きたいか」を自分に問い直してみる

ひとつでも自分の軸があれば、怖さはゼロにならなくても、場数を踏むにつれて少しずつ自信に変わっていく。

進むペースは人それぞれ。ゆっくりでもいい、少しずつ強くなることで、その先の景色はきっと広がっていくはずだ。

取材・文/石本真樹 撮影/笹井タカマサ 編集/光谷麻里(編集部)

作品情報

ABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』 2025/11/19(水)よる10時〜無料配信(全6話)

『スキャンダルイブ』キービジュアル画像

芸能事務所社長 “柴咲コウ” vs 週刊誌記者 “川口春奈”!

芸能事務所と週刊誌による、スキャンダルを巡る禁断の攻防戦を描く、ABEMA新オリジナルドラマ『スキャンダルイブ』

芸能事務所社長・井岡咲(柴咲コウ)の元に飛び込んできたのは、所属俳優Fのスキャンダルが掲載されるという週刊誌からの告知であった。

記事が出るまで、あと72時間。

スキャンダルの水面下で巻き起こる、事務所と週刊誌の熾烈な争いが火蓋を切る。
いまだかつて描かれることのなかったスキャンダルの裏側、そして芸能界の深い闇へと切り込んでいくサスペンスドラマ。

■キャスト
柴咲コウ、川口春奈、浅香航大、橋本淳、影山優佳、鈴木浩介、前田敦子、鈴木保奈美

■企画・プロデュース:藤野良太
■脚本:伊東忍 ・ 後藤賢人 ・ ⽊江恭(storyboard ライターズチーム)
■監督:金井紘
■制作プロダクション:storyboard
■製作著作:ABEMA

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