「未経験からフルリモ-トで副業」の罠。プロが教える“まともな副業”を見分ける5つのチェックリスト
SNSを開けば流れてくる「未経験からフルリモートで稼げる」「スキル不要で自由な働き方」という広告。「なんだか怪しい……」と画面を閉じてしまった経験はないだろうか。
一方で、将来への不安から「良い副業があるならやってみたい」と揺れる気持ちがあるのも本音。
では「まともな案件」と「避けるべき案件」の境界線は、一体どこにあるのか?
今回は、女性向け実践型リスキリングスクール『リモラボ』代表で、8,100人以上のキャリア支援に携わってきた小森優さんにインタビュー。
自分を守りながら賢く副業を始めるための“見極め方”を聞いた。
女性のためのWEBスクール「リモラボ」代表
小森優さん
保育士からWeb業界へ未経験で転身。SNS運用代行などのクライアントワークを経て、女性向けの実践型リスキリングスクール「リモラボ」を設立。これまでの経験をもとに8,100名以上の”女性の選択肢を広げる”サポートを行うほか、フルリモートワークのSNSコンサルタントとしても活動している。著書に「私たちは“通勤”を辞めました 新時代のキャリアの築き方と20人のリアルな経験談」「にゃるほど! 心のモヤモヤがスーッと消える仕事術図解100」(KADOKAWA)など。 X Instagram
正直怪しい?「未経験OKのフルリモート副業」
女性向け実践型リスキリングスクール『リモラボ』で講師も務める小森さん
SNSなどで「未経験から誰でも簡単に稼げる」と謳う広告が増えていますが、正直かなり怪しく感じてしまって……。プロの視点から見て、どう捉えていますか?
そう感じるのは、すごく健全な感覚です。実際に「未経験OK」や「リモート」という耳障りのいい言葉だけで飛びついてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれるケースも増えています。
「そんなにうまい話、あるわけない」と思いつつも、つい気になってしまうのも事実で……。
誤解してほしくないのは「未経験OK」という言葉そのものが悪ではない、ということです。
本来は「未経験からでも、正しい努力を積めば仕事にできる」という意味。それがいつの間にか「誰でも楽にすぐ稼げる」というニュアンスですり替えられてしまっているのが問題なのです。
副業は、成果がそのまま次の仕事につながる世界なので、「キラキラしてる」「すぐ稼げそう」だけで選んでしまうと、後から苦しくなることが多いと思います。
「怪しい副業案件」を見極める5つのサイン
では自分で副業の案件を探す際、「これは辞めておいた方がいい」と判断するための基準はありますか?
主に5つのチェックポイントがあります。これに当てはまったら、一度立ち止まって考えてみてほしいですね。
【1】仕事内容が具体的ではない
例えば「SNSの運用をお願いします」とだけ書かれていて、何を、どの頻度で、どこまでやるのかが曖昧な案件です。
「初心者歓迎」と言いつつ範囲が不明確だと、後から「これも、あれも」と依頼が増え、気付けば時給換算で300円くらいでは!? なんてことも。
実は私も過去に、具体的な期待値をすり合わせないままInstagramの運用を引き受けてしまい、疲弊した経験があります…。
【2】報酬や条件が「書面」で残らない
契約内容を口頭やチャットだけで済ませ、PDFなどの書面を交わさない案件はリスクが高いです。
「やりながら決めましょう」という言葉は、副業初心者にとって一番危険。自分の身を守るために、条件の文章化は必須です。
【3】「案件紹介」を装ったケース
「この副業をするために、先にこの教材を30万円で買ってください」などといった、副業する側が先に支払いを求められるケースです。
案件を紹介すると見せかけて、自社サービスの販売が目的である可能性が高いです。
【4】会社の実態や担当者の実績が見えない
SNSのDMだけでやり取りが完結し、会社名や所在地、担当者のフルネームが分からない場合です。
トラブルがあった時に、問い合わせ先がないのは致命的。公式HPやこれまでの実績が確認できない相手との取引は避けるのが無難です。
【5】面談ややり取りの中で違和感がある
「今すぐ始めないと損ですよ」と焦らせたり、根拠なく「絶対儲かる」と言い切ったり。質問に対してはぐらかしたり、違和感を抱いたりしたときは、その直感は当たっていることが多いと思っていいですよ。
「まともな副業案件」は、どこにある?
怪しい案件の特徴は分かりましたが、逆に安全な副業案件って、どこにあるんでしょうか……?
最初の入り口としては、クラウドソーシングサービス(クラウドワークスやランサーズなど)を活用するのが現実的です。
クラウドソーシングって、単価が低いイメージもありますが……。
確かに最初は高くありませんね。でも、仕事内容や報酬がシステム上で明確に管理され、相手の評価も可視化されているという大きなメリットがあります。
なるほど。「安全に経験を積む場所」として使う、という感じですね。
その通りです。そして意外と侮れないのが「身近なつながり」です。「副業を探していて、こういうことができます」と周りに伝えておくだけで、信頼できる知人からお仕事に繋がるケースはとても多いんですよ。
周りに聞くのには、かなりの勇気がいりそうですが……。
いきなり仕事をください、でなくてもいいんです。「こういうことに興味があって、少しずつ経験を積みたいと思っていて」と伝えるだけでも十分ですよ。
副業は「合わなかったらすぐ辞めればいい」
仕事内容が具体的で条件が明確、信頼できる場所で経験を積める……このあたりが「まともな副業」の共通点というわけですね。
ええ。そしてもう一つ大事なのは、最初から大型の案件や難易度の高い案件を探そうとしなくていいということ。
「怪しいかどうか」を見抜こうとする姿勢を持った上で「この範囲ならできそう」と小さくトライできる人ほど、結果的に長く続けられると思います。
もし、やってみて「やっぱり自分には合わない」と思ったら……?
そう感じたら、無理に続ける必要はありません。 副業は、自分に合うかどうかを「お試し」できるのも大きなメリットですから。
大事なのは、誰かと比べたり、稼ぐことを急ぎすぎたりしないこと。自分のペースで、安心できるかたちを選んでいけば、その先には場所や時間に縛られない「自由な働き方」の可能性がぐっと身近なものになりますよ!
取材・文/大室倫子(編集部)


