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DEC/2014

「有給NG」に「残業代なし」これってアリ? 働く女性が会社に対して抱く“4大疑惑”の実態

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20代~30代の働く女性419名にアンケートを実施した結果、「自分が勤めている会社の制度や社風について『これって法的にアリなの?』という疑問を感じたことはありますか?」という質問に対し、8割以上もの人が「ある」と回答している。

これってNG?
これってNG?

さらに、Q.1で「ある」と回答した女性に「これって法的にアリなの?」という疑問を感じた点について具体的に聞いてみると、「残業をして当たり前の風土」「残業代がもらえない」「有給休暇が使えない」「休暇の日数が少ない」という回答が多く寄せられ、会社への“4大疑惑”として浮かび上がった。そこで、労働法に詳しい矢作麻子弁護士に、働く女性が会社に対して抱く4大疑惑について、完全に違法なNGケースと、合法だが違法だと誤解されがちなケースの両方を教えていただいた。

働く女性が会社に対して抱く4大疑惑を解説
完全NGケース&“違法”と誤解されがちな合法ケース

これってNG?
【1】残業をして当たり前の風土
→会社が「36協定」を結んでいるか&就業規則に残業の根拠が記載されているかチェック

「残業をして当たり前の風土について、会社側が完全に違法となるNGケースは次の3つのケース。『会社が「36(さぶろく)協定」を結んでいないのに社員に残業をさせた場合』、『「36協定」があってもその上限である1ヵ月45時間以上の残業をさせた場合』、『就業規則などに残業を命じる根拠が無い場合』です。『36協定』とは、労働組合または従業員の過半数を代表する者が会社と結ぶ協定で、労働者が法定労働時間を越えて働くことを可能にするものです。法定労働時間は1日8時間、1週間で40時間までと決められていますが、この『36協定』と就業規則によって会社には従業員に一定の残業を命じる権利があるのも事実。ほとんどの会社については、『36協定』を結び、就業規則に“社員に残業させる根拠”を設けているはずなので、それらが定める限度内であれば、従業員は残業をしなくてはなりません。むしろ、正当な理由なしに必要な残業を拒むと、懲戒になることもあり得ます」

ブラック企業という言葉の流行とともに、「残業=悪」というイメージが一般的になりつつあるので「毎日残業があるのはおかしい!」と誤解してしまう女性も多いとのこと。だが、職場の人の多くが毎日残業しているからといって必ずしも違法かというと、そうではない場合も多そう。

【2】残業代がもらえない
→雇用契約が裁量労働かどうか&固定給に見込み残業代が含まれていないかチェック

残業代がもらえないことが法律上問題になるのは、残業手当が支給される職種にも関わらず支払われない場合のみです。営業職など外回りの仕事をする人、プログラマーなどの専門職の人、社内で権限を持っている管理職クラスの人などは、既定の時間内で働いている裁量労働と見なされるため、そもそも残業代がつかない場合があります。一方、残業代を請求できる職種としては、事務職が代表的。ただし、事務職の場合でも、月々の給与に見込みの残業代がついている場合もあるので、残業したらした分だけ必ず残業代が支払われるというものではないんです」

働く女性の中には、『会社員であれば必ず残業代がもらえて当然』と誤解している人も少なくないそう。実際は、多くの人が就いているであろう営業職なども、残業手当支給の対象外職種となる場合があるので注意が必要だ。

【3】有給休暇を使えない
→会社側が無根拠に有給取得を妨げていないかどうかチェック

社員が有給休暇を使うことを会社が妨げたり、有給を使った従業員に対して不当な扱いをしたり、有給と言っておきながら減給されたりしたら、完全に違法です。とはいえ企業には、社員に有給を積極的に消化させる義務まではありません。なので、『上司や先輩が有給を使わないから、休暇の申請がしにくい』など、有給を使いにくい雰囲気がある程度では、法律違反にはなりません」

加えて、企業には繁忙期などを理由に「有給の取得時期をずらしてほしい」などの要求をする権利があるので、会社からのリクエストがあった場合には、希望の日程で有給休暇が取得できないこともあるとのこと。

【4】休暇の日数が少ない
→労働基準法が定める最低ライン&雇用契約の休暇日数をチェック

「労働基準法では、週に1日または4週で4日の休みを与えることが最低限の条件として定められています。なので、法律的には1週間に1日休日があればOK。接客・サービス関係の仕事だと、連続の休みがもらえない場合や、週に1日しか休めないような場合も往々にしてあるでしょう。でも、一般的には週に2日休めて当然と考えている人も多く、そのような場合は、『私の会社って休みが少ないかも?』と誤解する人も多いかもしれませんね」

「週に1日、4週で4日の休み」という基準は、あくまで国が定める最低ライン。もしも入社時に会社と結んだ雇用契約に「週に2日は休みを与える」とあるのなら、それに準じる必要があるそうだ。

こうして整理してみると、完全に違法になるケースは意外に少なく、「これってアリなの?」と感じてしまうけれど法的にはOKとされていることも多そう。会社に対してモヤモヤした気持ちを抱えているのなら、まずは雇用契約や就業規則を見直してみると良いだろう。会社に対する疑問を解消し、気持ち良く働いていけるようにしよう。

【お話を伺った方】
弁護士 矢作麻子さん
早稲田大学法学部卒業・早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了(MBA)。2007年に弁護士登録。外資系法律事務所、企業内弁護士を経て、ユウキ法律事務所に入所。労働問題、離婚問題、男女トラブルなどの訴訟を得意とする
■HP:http://www.hamagiku-law.com/
取材・文/吉戸 三貴

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