後輩に頼ってはいけないと思っていた――「自分」という人間を知った30代で変化した価値観
20代後半の女性たちがよく口にする、「30歳になっちゃう」という言葉。なぜ私たちはこんなにも30代になるのが怖いのだろう? これからの人生について、一人であれこれ悪い想像をしてしまうから? それなら、少し先の未来を歩く先輩たちが、何に悩み、何に喜びながら30代を過ごしてきたのかを知れば少しは不安がなくなるかも。すでに30代を乗り越えた“40’sウーマン”たちが語る等身大の言葉に耳を傾けてみよう。
「エクスウェアは女性が長く働けていいね」
世間がうらやましく思うような会社をつくりたい
![古家麻美さん](https://woman-type.jp/wt/feature/wp-content/uploads/2016/01/xware_inter2.png)
私は3年前、母を病で亡くしました。とてもつらく悲しい出来事でしたが、それを乗り越えられたのも「私は単純だから大丈夫」と思えたから。どんなに気持ちが落ち込んでも、職場に来て仲間とおしゃべりするだけで楽しい気分になれるという自分の単純さを知っていたから、何とか立ち直れたのだと思います。
そして、私は本当に仲間に恵まれました。母の余命が長くないと分かってから、「母のそばにいてあげたい」という思いと、「仕事をしなくては」という思いの間で板挟みになった時期があったんです。
それで職場の仲間に正直に事情を話したら、仕事の融通が利くよう皆が協力してくれて……。おかげで、週に何日かは仕事を早めに片付けて早退し、母のいる病院に泊まり込むことができました。
これも「周囲に弱みを見せたくない」と肩肘張っていたころの私だったら、絶対にできなかったことでしょうね。ただしそのためには、日頃から頑張るべきところは頑張っていなくてはいけない。頑張らずに助けてもらうことばかり考えるのはルール違反です。でも普段から一生懸命仕事をしていれば、必ず誰かが見ていてくれるし、大変な時に助けてくれる人がきっと現れます。
30代のころは、結婚や出産をするか迷った時期もありました。そして考え抜いた結果、結婚や出産よりも仕事を選んで今に至ります。
一番大きな理由は、自分が採用に関わった社員たちが成長し、会社がどこまで発展していくのか見届けたいと思ったからです。仕事と家庭や育児を両立するという選択肢もありましたが、自分が一つのことに夢中になるタイプなのは分かっていたので、結局どちらも中途半端になって後悔するだろうと考えました。
正直に言えば、この少子化の時代に産まない選択をしたことについて、後ろめたい気持ちがないわけではありません。でも、だからこそ人事の責任者として、女性社員たちが結婚・出産後も長く働けるような制度や風土を作ることで社会に貢献していきたい。
「エクスウェアは女性が長く働けていいね」と世間からうらやましく思われるような会社にすることが私の目標です。
取材・文/塚田有香 撮影/吉永和志
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