26 MAY/2015

「46歳の時、忘れていた夢を思い出した」元専業主婦が65歳で見つけた“新たな使命”

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大先輩の姿から“長く働く”を探る!
~Over60~私たちが仕事を続ける理由

定年まで勤めることが当たり前で、生涯仕事をし続けることが珍しくない男性に対し、同じようにずっと働き続けている女性はまだまだ少ない。「今後20年、30年と仕事を続けていくことが想像できない」「長く働きたいけど、『長く』って一体いつまで?」。周囲にロールモデルがいないからこそ、自分の将来の姿を思い描くのは難しいもの。そこでこの連載では、定年を超えてなおイキイキと活躍し続けている女性たちにインタビュー! 人生の大先輩の姿から、“生涯働き続ける”とはどのようなことなのかを探ってみよう。

専業主婦だった46歳の時に一念発起
英検1級と通訳案内士の資格を取得

 65歳を過ぎても私が仕事を続ける理由

株式会社イーオン
非常勤講師
日高由記さん(65歳)

1950年生まれ。20代から20年以上を専業主婦として過ごし、40代半ばから英語を本格的に学び始め、51歳で英検1級、53歳で通訳案内士の資格を取得。フリーの通訳案内士や専門学校の講師を経て、2006年より英会話イーオン勤務。現在は吉祥寺校、高田馬場校にて週6日勤務。TOEICスコア970点、TESOL(英語教授法)も保有

私は今年で65歳になりましたが、現在も英会話学校のイーオンで非常勤講師として勤務しています。65歳というのは、普通なら定年を迎える年齢ですが、仕事を辞めたいとか、働くペースを落としてゆっくりしたいという気持ちは全くありません。私は働き始めたのが遅かったので、気分としては“まだまだ新人”なんです。

もともと学生時代から英語が好きで、高校3年生の時にはアメリカ留学も経験しました。同時通訳者の草分けと言われる鳥飼玖美子さんのご活躍を知って、「私も通訳者になりたい」と憧れたこともあります。ただ、20代で結婚して家庭に入ると、仕事が忙しい夫のサポートと子育てに振り回される毎日が続き、気付いたら40代になっていました。

でも、子育てがひと段落した46歳のある日、ふと思ったんです。「このままじゃダメだ、何かしなくては」と。若いころは自立した女性になるのが夢だったのに、目の前の生活に追われるうち、その夢が埋もれてしまっていたことにハッと気付いたのです。その“何か”を考えた時、英語しかないと思いました。他の選択肢は全く思いつかなかった。英語で天職のことを“a call”と表現しますが、まさに天からの声が私を呼んだ気がしました。

専業主婦だった20年間も細々と英語には触れていましたが、こうして改めて英語を学ぶ日々がスタート。英会話学校に通い始め、ほどなくして、通訳ガイドのボランティアをしたり、自宅で近所の主婦の方たちに無料で英会話を教えたりするように。でもそのうち、「ボランティアではなく、仕事をしたい」という気持ちが強くなりました。

社会人として長いブランクのある私が仕事をするには、やはり資格が必要。そう考え、朝から晩まで必死に勉強して、英検1級と通訳案内士の資格を取りました。

幸いなことに、資格取得後すぐに、通訳案内士の資格対策講座を持つスクールに講師として採用され、それと併行して、フリーの通訳案内士として外国人観光客を案内する仕事も行うようになりました。

休みが週1回でも全く苦にならない!
56歳で目覚めた「教える喜び」

日高由記さん

そんな時、イーオンに勤めている知人から、「うちの学校でも教えてみないか」と誘われて、週に1度、非常勤講師として勤務することになりました。それが56歳の時です。

ところが教え始めてみたら、どんどんのめり込んでしまって。集まってくる生徒さんたちは、モチベーションが非常に高いのです。

「外資系企業に就職したい」「TOEICで900点を取りたい」といった目標が明確で、皆さんすごく努力されている。だから私が熱意を持って教えれば教えた分だけ、生徒さんたちの成長がはっきりと見えて、大きな手応えややりがいが返ってくるんです。

自分が教えた方たちが次々と夢や目標を達成していく姿を見て、私自身も励まされたし、教える喜びを心の底から実感しました。

それで週1回だった勤務が、2回、3回と増えて、とうとう今では週6日に。でも私は英語を教えるのが大好きなので、お休みが週1日でも全然苦になりません。むしろ、出勤するのが楽しくて仕方ないくらい。週に20クラスほどのレッスンを受け持っていますが、教える相手は子どもから学生、社会人まで本当にさまざま。幅広い層の方たちと触れ合えるので、毎日が刺激的でダイナミックです。

働く上で、年齢がハンデになると感じたこともありません。もちろん働くには体力や気力が必要ですから、毎日の食事や睡眠はしっかり取るよう心掛けていますが、特別なことは何もしていませんね。別に山登りをするわけではありませんから(笑)、ごく普通に体調管理をしていれば問題ありません。

私の場合、むしろ年齢を重ねたことがプラスになることの方が多いんじゃないかしら。生徒さんへの教え方にしても、「こんな時は、こういう励まし方をした方がいいのね」といったことは、日々の経験で学ぶしかありません。

どんな生徒さんやシチュエーションにも、動じることなく対応できるのは、年齢を重ね、さまざまな経験を積んできたからこそ。とても貴重な財産だと思っています。

「社会のために何ができるか」
長く働き続けるために必要なこと

日高由記さん

それに私、まだまだやりたいことがたくさんあるんです。

これまでにも、私の発案で始まったクラスがいくつかあるんですよ。通訳案内士として働いてきた経験を他の方たちとも共有したいと、通訳ガイド養成クラスを開いたり、現在はリーディングを強化するためのクラスも開講中です。

イーオンは基本的に英会話の学校ですが、TOEICや英検を受験する生徒さんから「速読の力を伸ばしたい」というニーズがあったので、私から学校に提案して新しくクラスを開いてもらいました。

私は働く環境に恵まれていて、そのことにとても感謝していますし、何よりイーオンが大好きです。だからこそ、その恩恵をただ受け取るだけではなく、私も学校や生徒さんのお役に立ちたいという思いは強い。

長く働くために大事なのは、「自分が社会のために何ができるか」を考えることではないでしょうか。いくら自分が働きたくても、社会からのニーズに応えられる人間でなければ、活躍の場を与えてもらうことはできないのですから。

そのためにも、長く働きたい女性の皆さんには、自分の武器となるスキルを磨くことをおすすめします。例えば英語の場合、通訳案内士などの資格を取れば、その仕事は一生ものです。

私のようにブランクがあっても社会復帰しやすいですし、年齢に関わらず働き続けることだってできます。育児や介護で仕事を離れる時期があったとしても、その合間の時間を使って勉強はできますから、コツコツ努力を積み重ねれば、いつかきっと役に立つ日がくるはずです。

これまで日本の学校教育では、コミュニケーションで最も重要なスピーキングの学習が欠けていました。一方で、イーオンのように以前から会話に特化した教育を実践してきた民間の学校には、貴重なノウハウの蓄積があります。私は、そのノウハウをより多くの人たちに発信したい。日本の英語教育全体をレベルアップし、英語を話せる日本人をもっと増やしたいというのが私の夢であり、使命なのです。

ですから、まだまだ仕事を辞めるわけにはいきません。社会が私を必要としてくださる間は、ずっと現役で働き続けるつもりです。

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取材・文/塚田有香 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)