その誤解がチャンスを逃す!? 勘違いしがちな職務経歴書の書き方

転職をしたいと思ったときに、第一関門となるのが職務経歴書の作成ではないだろうか。
履歴書は学歴や職歴などをフォーマットに添って書いていけばいいけれど、職務経歴書はそもそも何を書いたらいいのか、何が正しい形なのか分からないもの。そんな悩める転職希望者に向けて、『女の転職@type』が主催する『営業・販売・サービス職経験者のための! 初めての「職務経歴書」書き方セミナー』が12月9日に開催された。ここではその内容を一部紹介する。
採用条件を満たしていなくても
「会ってみたい!」と思わせるには?
書類選考や面接時に使われる職務経歴書。選考の最初のステップである書類選考の際に、採用する側は、まず年齢、学歴、経験社数などをチェックし、更に経験や実績などの情報を読み込んでいく。採用条件が合致すれば書類選考通過となるわけだが、中には条件を満たしていなくても選考に通るケースもある。
「例えば、年齢が想定していたより高いけど良い実績を上げ続けている、経験年数が足りていないけど商材が同じである、といったように、足りない条件を補う何かがあれば、『会ってみたい』と思ってもらえることもあります。だからこそ、『どんなことができるのか』を採用する側が判断しやすい職務経歴書を作ることが、チャンスを増やすために重要なんです」
こう話すのは、講師である『typeの人材紹介』のキャリアアドバイザー・青柳真理子さん。そうとなればポイントを押さえた書類を作りたいところだが、残念ながら職務経歴書の書き方を誤解している人も多いのだとか。勘違いしてチャンスを逃している例を見ていこう。
勘違い1
職務経歴書の情報は多い方が有利
「自己PRを膨らませて枚数を増やす方が多いのですが、基本的に職務経歴書は1~2枚にまとめてください。例えば、合コンで知り合った男性から初めて来たメールがすごく長かったら、ちょっと重たく感じませんか?(笑)それと一緒で、長過ぎる職務経歴書は人事も読むのがつらいですし、何より枚数が多いだけで何だか身構えてしまうものです。どんなに多くても3枚以内には納めましょう」
勘違い2
人事は職務経歴書を最初から最後まで読むもの
「書類選考の段階で、人事が一人の書類を見るのに掛ける時間は1~2分程度です。だからこそ、面接と同じで職務経歴書も第一印象が肝。ぱっと見たときに、どこに何が書いてあるのかが分かるような書類になっていることが大切です。丁寧に書こうとするあまり、一文が長い作文のような文章を書いてしまっている人も多いですが、大切なPRポイントが伝わりにくくなってしまいます。文章は箇条書きに変更し、見出しを付けましょう。ごちゃごちゃした印象を与えないために、フォントや枠の線の太さをそろえることも忘れずに。『見てみよう』と思えるものを作ることがポイントです」
勘違い3
異業種転職の場合、実績は必要ない
「実績は、会社から与えられたミッションへの向き合い方を見せるもの。例えば営業や販売職の人がそれ以外の職種へ応募をする場合であっても、必ず書くようにしましょう。書けるような実績がないという方は、『ロープレを上司に褒められた』など、上司や先輩、顧客から評価されたことでも構いません。その際、どのように取り組んだか、どのような工夫をしたのか、具体的に記載することを忘れずに。仕事に対する姿勢を伝える意識で書いてくださいね」
一方で、チャンスをつかもうと転職者がやってしまいがちな行動もある。その一つが「在籍期間が短い経歴を書かないこと」と青柳さん。
「面接で伝えればいいと考えている方がいますが、これは止めましょう。たとえ面接できちんと説明をしたとしても、事前に記載していないことで不信感を抱かれてしまいます。もし面接時にも言わずに隠したまま入社した場合、経歴詐称を理由に解雇されてしまう可能性も。転職回数が多い方は特に、抜け漏れがないかよくチェックしてくださいね」
「職務経歴書は自分の分身」と青柳さん。書類選考はもちろん、面接官の事前確認資料や面接中の参考資料としても使われるものだからこそ、正しい書き方やポイントを押さえておきたいもの。「会いたい!」と思ってもらえるような内容になっているか、自分の職務経歴書を見直してみよう。
取材・文/天野夏海(編集部)