入社1年目でも転職していい? 「会社辞めたい」モードになった時の対処法
これまでのカウンセリング件数は2万件以上! 女性に大人気のキャリアカウンセラー水野順子さんへの連載取材で、長く働き続けたい女性に役立つ転職・キャリアの情報を発信していきます。初めての転職活動に役立つノウハウも盛りだくさん! 長期的な視点で今後のシゴト人生を考える上でも参考にしてくださいね。
新しい仕事に、慣れない職場環境。入社1年目には、覚えることが盛りだくさんのタフな毎日が続く。それが楽しいこともあるが、辛くなり過ぎてしまった時はどうすればいいのだろう。
「入社1年目だけど、もう既に会社を辞めたい!」
そんな気持ちになった時、転職についてどう考えるべきか、キャリアカウンセラーの水野順子さんに聞いた。
新しい環境疲れから、辞めたいモードになってない?
「一時的な感情で、早まって転職しないでほしい」と水野さん。慣れない生活リズムによる疲労や、自分の理想が叶わない嫌気から、漠然と「会社を辞めたい」モードになっていないか疑ってみてほしいという。
「入社1年目には、変化がたくさんあります。新生活や、職場環境、仕事上の人間関係に慣れてきたら、辞めようと思っていたことも忘れてしまう人も多いものですよ。また、入社1年目は研修や、先輩と一緒に仕事をする機会が多く、実際の仕事を自分で采配して行える状況ではないケースがほとんど。その段階で、仕事の向き不向きを判断するのは難しいと思います」
まずは会社員生活に慣れること。会社の環境や、人間関係に慣れること。そして、自分の采配で仕事が進められるようになることを目指すべきだと水野さんは言う。
「自分一人で仕事ができるようになり、『それでもやっぱり……』と思ったら、それから辞める判断をしても遅くはありません。『嫌だ』という気持ちだけで今の会社を離れるより、『次にどんな仕事がしたいか』や『どんな環境で働きたいか』がしっかり見えてから転職活動をした方が、後悔しない決断ができます」
入社1年目で会社を辞めると転職に不利?
会社を辞めること自体は、悪いことでも何でもない。
だが、入社1年目の人材を、ビジネスパーソンとしては「未熟な存在」だとたいていの企業は考える。それゆえに、入社1年目の転職者に対して「即戦力にはならない」という印象を抱く企業も中にはある。
「仕事や会社についての基礎をまだ身につけていないと判断され、次の転職が不利に働く可能性があることも事実です。最初に就職した会社に一生勤めるという時代ではなくなってきましたが、入社してすぐに会社を辞めてしまう人に、日本の企業は寛容になりきれていません」
一方、労働環境が最初に提示されていたものと明らかに違ったり、パワハラやセクハラがあったりして、やむを得ず職場を変更しなければいけないパターンだってある。そういう場合は無理せずに、すぐに転職を検討すべきだと水野さんは話す。
「この場合、退職理由が明確ですから、自分の身を守るためにもすぐに新しい環境を探してOK。繰り返しになりますが、『辞めない方がいい』のは、退職理由が漠然としている時です。何となく今の会社が嫌だから、何となく疲れたから、何となく自分には合わない気がするから、など、漠然とした動機で退社してしまうと、次の職場がなかなか決まりません」
中途採用では“即戦力”であることが重視される
「どうしても辞めたい」……入社1年目の女性がもしも転職を決意したら、その際に気をつけるべきことは、同じ失敗を繰り返さないようにすることだ。
「『なぜ会社を辞めるのか』、『自分が仕事に何を求めているのか』、『前職の何が合わなかったのか』をきちんと棚卸しして、次の会社では長く働けるように自己理解を深めておきましょう。それと同時に、入社を検討している企業のことは、よく調べること。HPを見たり、働いている人に直接話を聞いたり、転職サイトの情報をよく読みこんだり、人材紹介やハローワークでキャリアカウンセラーに相談したり。さまざまな方法があります」
新卒採用と中途採用とでは、求人の探し方も応募書類も異なる。中途採用で問われるのは、いかに即戦力になってくれる人材かどうかということだ。履歴書や面接では、仕事の面でこれまで「何をしてきたのか」そして、新しい職場で「何ができるのか」を具体的に聞かれることになる。入社1年目の転職であっても、自分の仕事のスキルを客観的に把握し、採用担当に正しく伝えられるよう意識しながら転職活動に臨んでほしい。
取材・文/栗原千明(編集部)
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