「やっぱり前の会社の方が良かった……」転職で失敗してしまった女性がすべき3つのこと
これまでのカウンセリング件数は2万件以上! 女性に大人気のキャリアカウンセラー水野順子さんへの連載取材で、長く働き続けたい女性に役立つ転職・キャリアの情報を発信していきます。初めての転職活動に役立つノウハウも盛りだくさん! 長期的な視点で今後のシゴト人生を考える上でも参考にしてくださいね。
通常、より良い環境や条件を求めて行う転職活動。思い切って職場を変えた結果、「やっぱり転職しなければよかった」と後悔するような事態は避けたいものだ。
だが、企業風土や職場の合う合わないは、働いてみて初めて分かることもある。もしも転職先選びに失敗してしまったら、どうすればいいのだろうか。キャリアカウンセラーの水野順子さんに聞いてみた。
転職して1カ月が経過……
「やっぱり前の会社にいればよかった」と思ってしまったら?
転職して1カ月くらい経つと、職場の雰囲気や新しい仕事にも徐々に慣れてくるもの。だが、その時に「前の会社にいればよかった」という後悔の念が浮かんでくるようなら、下記の3つのことを試してみてほしいと水野さん。
1.なぜ転職したのかを思い出す
2.今の職場の何が自分にとってよくないのかを考える
3.客観的な意見を取り入れる
「手放してしまったものが良く見えてしまうというのは、人の心理としてよくあること。
明らかに労働環境が劣悪である場合や、求人票や人事の言葉に偽りがあって労働条件が入社前に聞いていた内容と全く違ったなどという状況を除けば、まずは冷静になって自分の行動を振り返る必要があります」(水野さん)
まずは、転職動機を思い出してみよう。
「転職前に何を最も重視して転職しようとしていたのか、考えてみてください。
きっと、その条件が叶う場所だと思ったからこそ、今の職場を選んでいるはずです。全ての条件がよくなっているかどうかではなく、あなたが『一番大切にしたい』と思ったことが叶えられているかどうかで判断してみてください」
次に、なぜ今回の転職が失敗だと感じるのかその理由を明確に。
「今の職場環境についてどこが良くないと考えているのか具体的にしてみましょう。
例えば、人間関係を重視する女性は多いものです。新しい会社で人間関係がぎくしゃくしていてそれが嫌だと思っている場合、慣れ親しんだ前の会社の方が居心地がよかったと感じてしまうこともあるかもしれません。
でも、転職後1カ月くらいではまだ周囲に打ち解けられなくても当然です。中途入社では、迎える側は新しく入ってきた人に即戦力であることを期待するケースが多いもの。
新しい職場で新人だからといって、新入社員のように“手厚く面倒を見てくれる”ような環境はあまり無いと思います。今は失敗と思っても、時が経てば解決することもあるので冷静に考えてみましょう」
最後に、客観的な意見を取り入れること。
「新しい環境に自分が慣れていない時は、どうしても感情的な判断を下しがち。自分がした選択が客観的にはどう見えるのか、第三者に意見を求めてみるのがいいと思います。
友人や家族はもちろん、キャリアカウンセラーのようなプロに相談してみるのもいいでしょう。自分だけでは気付かなかった新しい職場のいいところやあなた自身が抱えている問題点が見つけられるかもしれません」
「流され転職」や「勢い転職」は失敗の元!転職で後悔しやすい女性の特徴
また、転職してすぐに「前の会社にいればよかった」と後悔する女性には2つの特徴があると水野さん。具体的には、「周囲に流されて転職するパターン」と、「情報収集なしで勢い任せに転職するパターン」が最も多いケースだそう。
「20代後半を迎えると、同世代の中で転職をする女性が増えてきます。そんな時、『周りが転職しているのだから私もした方がいいのかな?』と焦ってしまう女性も多いようですが、転職はあくまで自分自身の問題。
周囲と合わせてするものではありません。
また、『何でもいいから今とは違う仕事がしたい』『とにかく環境を変えたい』と、勢いで転職する女性も少なくありません。自分が転職したい理由を明確にした上で、それが叶えられる環境かどうか事前にしっかりリサーチしなければ入社後にギャップを感じることになります」
転職は人生を変える大きな転機。本当に転職したいのか、転職で何を叶えたいのか、何を優先し、何を手離してもいいのか――? しっかり自己分析してから転職活動に臨むようにしたいもの。
もし「失敗した」と感じても、今回水野さんが教えてくれた3つのことを確認し、自分の状況を客観的に認識できれば次の「正しい選択」につながっていくはずだ。
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取材・文/栗原千明(編集部)
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