フォロワー7万4千人!夫も仕事関係者もTwitterが出会いのきっかけ―星野有香さん×藤井佐和子さん対談企画
大学を2カ月で中退!
家業の手伝いをきっかけに美容業界へ
藤井:星野さんは、Twitterのフォロワー数が、なんと7万4000人!Facebookやブログも積極的に活用されていて、まさにソーシャルメディアの達人ですね。
星野:今年7月に結婚したんですけど、実は夫と出会ったのもTwitterなんですよ……(笑)。
藤井:え?Twitterで?
星野:はい。一昨年の12月に夫からもらったダイレクトメールがきっかけです。「いつも、Twitter拝見しています。面白いつぶやきをされていますね。よかったら、一度ごはんでもどうですか」と、誘われて。夫に限らず、仕事関係者の8割はTwitterで出会った人たちですね。
藤井:現在のお仕事内容も、ソーシャルメディアを軸にされたものなんですよね?
星野:主に法人のお客様向けに、ブログ、Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアを活用して、いかに一般消費者との
距離を近づけていくかのコンサルティングを行っています。
藤井:まさにご自身の実体験に基づいてという感じですね。
星野: そうですね。私の場合、自分自身が試行錯誤してきたリアルな体験をベースにアドバイスさせていただいているのが、最大の特徴だと思います。
藤井:大学時代の専攻もIT系だったんですか?
星野: いえいえ、経済学部でした。しかも入学してたったの2カ月で中退してしまって(笑)。そもそも将来なりたいものも特になく、なんとなく大学へ進学してしまったんですよね。当然のことながら、授業が始まってもつまらない。このままズルズルと4年間を大学で過ごすくらいなら、いっそのこと働いたほうがいいと思って、辞めてしまいました。
藤井:それから、働き始めたんですね。
星野:はい。母が化粧品店を経営してまして、その仕事を手伝ううちにメイクに興味を持って、マックスファクターで美容部員をするようになりました。並行して、エステティシャンの資格を取得するための学びもしました。
同僚の一言がきっかけで
夢のない自分に愕然として退職を決意
藤井:資格取得後に上京されたわけですけども、生まれ育った大阪を離れることに不安はありませんでした?
星野:いえ、全く(笑)。私、超ポジティブ思考なんですよ。ミーハーなところがあって、東京へ行きたい一心で上京しました。
藤井:東京での生活はいかがでしたか?
星野:楽しかったですよ。運よく大手のスパサロンで仕事を得て、店舗でチーフも任されました。やりがいもありましたし、疲れたお客様が元気になって感謝されるのもうれしかった。ところが4年ほど働いたある日、同期入社で仲の良かった子と食事をしていて、ふと、「有香ちゃんは何のためにここにいるの?」と問われて、私は何も答えることができなかったんです。その子は、将来、自分のサロンを持つのが夢で、その修行のために働いていると言っていました。夢のない自分に愕然としました。
藤井:ご自身の将来について考えるきっかけになったわけですね。
星野:今の環境は非常に恵まれているけれども、このままここにいたら、何の変化も起こせないと思い、翌日、辞表を提出しました。
藤井:すごい行動力ですね(笑)。
星野:ええ、まあ(笑)。辞めた後に、今の自分には夢がないけれど、夢を持って頑張っている人の話を聞くことで、やりたいことが見つかるんじゃないかと考えました。そこで、1、今の仕事は何ですか? 2、前職は何ですか? 3、前職を辞めた理由は何ですか? 4、将来の夢は何ですか?――という4つの質問に答えてくれる人を紹介してほしいと、ありとあらゆる知り合いに頼みこんだんです。すると、お会いした方が別の方を紹介してくださるような輪が広まって、気づくと1日5人以上にお会いすることになっていました。結局、2年間でトータル3000人以上の方にお会いしました。
藤井:お仕事も続けていらしたんですよね?
星野:昼間は、人と会う時間にしたかったので、夜間の仕事を見つけました。銀座のホステスです。せっかくなら働きながら女性としての気配りや話し方を学べたらいいと思いました。
藤井:昼も夜も人と会って、疲れませんでしたか?
星野:正直言って、辛い時もありましたよ。でも、これを続けることが何かにつながると信じていました。とにかく、自分にとって「これだ!」と思えるものを見つけたかったから、スキルアップや自己啓発の本もよく読みましたし、研修やセミナーも興味のあるものには片っ端から足を運びました。結局、2年間で200万円近く自分に投資しましたね。
人脈の力で1カ月目から
コミッション金額が100万円を超える
藤井:銀座でのホステスの仕事に加えて、フルコミッッションの営業のお仕事もされるようになったそうですね。
星野:先ほどお話ししたように、当時は自分の夢を見つけるために、1日5人以上もの人に会う毎日でした。そして、お会いする方は男性が多かったんです。男性にお会いして真っ先に目に付くのがスーツの着こなしでした。第一印象ってすごく大切なんですよね。出会う人たちに少しでもかっこよくなってほしいと思いフルコミッションの高級紳士服の販売を始めました。せっかくお会いするなら、相手のお話を伺うだけでなく、私のほうから相手の方に有益な情報を提供できたらいいなぁと考えたのです。
藤井:誰だって、素敵に見られたい気持ちはありますものね。
星野:美容部員の仕事をしていた時に取ったカラーコーディネーターの資格が生かせるということもありました。
藤井:アパレル未経験でいきなりフルコミッションの営業は、難しくありませんでしたか?
星野:その仕事を紹介してくれた知人にも、3カ月以上は無給を覚悟するように言われました。ところが予想に反して、始めて1カ月目でコミッション金額が100万円を超えたのです。連日、相当な数の人に会っていましたし、売ろうという気持ちではなく、純粋にその方のためを思ってアドバイスしていたことが、かえって良かったみたいです。
取材・文/田中美和 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER