女性ITエンジニア100名に聞く! エンジニアとして働く魅力&キャリアビジョン
エンジニアの仕事に、どんなイメージを持っているだろうか?
「仕事が難しそう」「長時間労働が多そう」「女性が少ない業界で、長く働き続けることが難しそう」など、ひょっとすると、ネガティブな印象を持っている人も多いかもしれない。しかし、国や企業が女性活躍推進に本格的に乗り出した今、女性エンジニアの働く環境は徐々に変わり始めている。
そこで今回は、女性エンジニア100人に、アンケート調査を実施。現在の働く環境、仕事のやりがいや醍醐味、キャリア意識について聞いてみた。
エンジニアの仕事を長く続けたい女性が半数以上!
その理由とは……?
Q.1
あなたの職場の男女比は?
今回Woman typeが実施したアンケート調査では、回答者となる女性エンジニア100名のうち、81.5%の人が現在の職場環境について「女性より男性の方が多い」と回答している。
続いて、「男女ほぼ同じくらい」と回答した人が13.5%、「女性が男性より多い」と回答した人は5.0%となった。
女性活躍が推進されていると言っても、エンジニアの世界では、まだまだ女性が少ない職場が多いというのが現状だ。
Q.2
あなたはエンジニアの仕事を「長く続けたい」と思いますか?
しかし、そんな中でもエンジニアの仕事を「長く続けたいと思う」と回答した人は、51.9%にものぼる。続いて、「分からない」と回答した人が27.8%、「長く続けたいと思わない」人が20.3%という結果となった。
また、「エンジニアの仕事を長く続けたいと思う」と回答した女性たちにその理由を聞くと、次のようなコメントが寄せられた。
【社内外の人の期待に応える楽しさ】
・他の部署の人から頼られて、それに応えることができたときは、とても嬉しい(20代後半/社内SE)
・クライアントからの難しい依頼に応え、仕事をやり遂げたときの達成感は、一度味わうとクセになる(20代後半/SE)
【飽きがこない魅力】
・エンジニアの仕事は「モノづくり」ですが、作るものの種類やクライアントからの要望は毎回異なるため、仕事に飽きがきません(20代後半/SE)
・世の中には、簡単に解決できそうでできない問題が多いと毎回気付かされる。「まだまだやることはたくさんある」という意欲を掻き立てられる仕事です(20代前半/ITコンサルタント・プリセールス)
【自分の仕事がカタチになる喜び】
・自分が設計したものが製品となり、世に出るのが一番の醍醐味。ユーザーからの反響もダイレクトに感じられて嬉しい(30代前半/プログラマー)
・技術者として作り上げたシステムが、正常に動き続けることに毎回感動します。時には国家的なプロジェクトに携わることもあり、ロマンがあります(30代後半/プログラマー)
【チームで味わう達成感】
・システム開発において、チームで苦労を重ねて一つのものを作り上げた時の達成感は、非常に大きな魅力(20代後半/SE)
・モノづくりに携わっているというワクワク感、チームでプロジェクトを成し遂げて得られる一体感は、仕事をする上での原動力です(30代前半/プログラマー)
【クリエイティビティーを発揮できる】
・新しい価値を社会に与えられる醍醐味がある。そして、日々変わっていく技術トレンドを追いかけることで、自分も世の中の最先端にいられる(20代後半/ITコンサルタント・プリセールス)
・自分のアイデア一つで世の中をよりいっそう便利にしたり、困っている人を助けたり、生活を豊かにできるところがこの仕事の良いところ。非常にやりがいが大きい(20代後半/SE)
【コミュニケーション力が生かせる】
・仕事を通じてさまざまな業種の方々と出会い、コミュニケーションを取ることが楽しみの一つ(20代後半/社内SE)
・海外の方と仕事をすることも多く、自分の世界が広がるのを感じられる(30代前半/SE)
生涯現役&60代になってもエンジニアでいたい人が半数以上
Q.3
あなたは何歳までエンジニアを続けたいですか?
さらに、エンジニアの仕事を何歳まで続けていきたいか質問すると、「60代まで」と回答した人が最も多く、31.4%。「生涯続けたい」と答えた人が22.0%で約4割となった。
現状、職場でマイノリティーとなってしまうケースが多い女性エンジニア。「キャリアの壁」に直面することも多いことが予想されるが、「長く仕事を続けたい」という理想をどのように実現しようとしているのだろうか。特に、20代のうちに準備しておくべきだと感じることを聞くと、2つのポイントが浮かび上がった。
【ポイント1】実績にこだわること
・仕事でしっかり成果を出し、会社で必要とされる人になることが何より大事。実績を積み上げていく中でしか得られない知識や経験も多いと思います(30代後半/アプリケーション開発エンジニア)
・出産をしても仕事を続けたい場合、産休育休から復帰した後も職場で必要とされるように、お休みに入る前に高い成果を出しておくことが大切だと思う。「この分野のことならあの人が一番」と社内の人に言われるくらいの専門スキルを身に付けておいて、代えのきかない存在になることを意識すべき(30代前半/通信インフラ系エンジニア)
【ポイント2】技術以外の面でもスキルアップすること
・コミュニケーションスキルを上げることです。技術的な面で頼られるだけでなく、人として「一緒に働きたい」と思ってもらえるような存在になることが必要だと思っています(20代後半/プログラマー)
・言語、技術、トレンドは変わり続けるので、対人関係スキルやマネジメントスキルなども同時に身に付けておくのが大切。それがあれば、長く仕事を続ける上での武器になる(30代後半/プログラマー)
・エンジニアであっても、基本的なビジネスマナーやファシリテーション能力は絶対必要。そこを磨いておけば、クライアントからも選ばれます(20代後半/SE)
・IT業界では今後、コーディングスキルよりも交渉力、問題解決力の方が重要視されると思う。だから、プログラマーとして雇われていようと、上位工程を意識する気持ちを忘れないよう心掛けたい(20代後半/プログラマー)
寄せられた回答を見ていると、技術面でのスキルアップだけではなく、コミュニケーション力や、マネジメント力など、汎用的なスキル・能力を磨くことを重要視する意見が特に目立つ結果となった。「20代のうちに仕事の成果や実績をつくっておくこと」を重視する声も多いが、いずれも、社内外での“信頼”を集めることにつながっている。
続いて、SI業界、コンサル業界、Web業界を代表する3社で働く女性エンジニアの事例を紹介したい。「いつまでコードを書き続けることができるのか」という共通の悩みを抱える3人は、エンジニアならではの“キャリアの壁”をいかに乗り越えようとしているのか――。
下記の記事へ続く。
>>「何でもやってみる」その心意気が未来を変える! 女性エンジニアが“長く働く”を実現する方法【IT職種 異業種エンジニア座談会】
【調査概要】
調査方法:①『クラウドワークス』登録者のうち、20~30代の女性エンジニア50名/②『女の転職type』会員のうち、20~30代の女性エンジニア50名にWebアンケートを実施
有効回答数:100名(①と②を合算)
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文/Woman type編集部