08 FEB/2019

「私の仕事、5年後はないかも」自分のスキルに不安を感じている女性が、転職活動を始める前にやるべきこと

2019年1月26日(土)、渋谷ヒカリエで行われた『長く働きたい女性のための転職イベント』セミナーに、Woman typeの『転職サプリ』連載でもおなじみ、キャリアカウンセラーの水野順子さんが登壇。

水野順子さん

キャリアカウンセラー
水野順子さん

株式会社キャリアコレクション代表取締役、All About女性の転職ガイド。公務員・外資系大手人材サービス会社を経て独立。キャリアカウンセリングや研修・講演を通じ、メンタルケアや人間関係の築き方などを含めた女性のキャリア支援を行っている。過去に20,000人以上へのキャリアカウンセリングと、60,000人以上への講演・研修によるキャリア支援実績がある
>>ホームページ

どうすれば転職活動は成功する? 転職活動はどうやって進めればいいの? これからのキャリアをどうやって考えればいいの? そんな働く女性たちの疑問に、水野さんは答えてくれた。

転職活動で「これから伸びる企業」を見極めるには?

突然ですが、皆さんは何歳まで働きたいですか?

ここにいる皆さんは20~30代が多いということで、きっと、5年後、10年後は働き続けている想定なのではないでしょうか。

今、多くの仕事がAIなどによって機械化されようとしています。
5年後、10年後、あなたが今やっている仕事は、変わらず人間がやっているものだと言えるでしょうか?

答えが「NO」の場合は、今から転職を視野に入れ、長く働き続けていくためのスキルが身に付くような場所に移ることも検討した方がいいかもしれませんね。

では、どうやって転職先を選べばいいのか。給料、働き方、何を重視するかにもよりますが、絶対外してはいけないのは、「これから伸びる企業」を選ぶ視点です。転職してすぐ倒産してしまうような会社に行ってしまっては、望まない転職を繰り返すことになってしまいますからね。

「これから伸びる企業」を見極めるには、今後の世の中の動きを読み、“どこに顧客が増えていくか”を想像する必要があります。日本国内では超高齢社会が訪れようとしていますから、高齢者がクライアントになるような業界は、今後需要が高まるでしょうね。

「何のための転職か」必ず明確にしておこう

次に、皆さんが転職を成功させるために是非覚えておいてほしいことがあります。それは、自分の可能性を自分で狭めてはいけない、ということです。

キャリアカウンセラーの仕事をしていて、日々感じるのは「私にはこれしかできない」と決めつけて、自分の可能性を潰してしまう女性が多いということ。これは、とてももったいないことです。転職活動をするときは、周囲の人に自分の強みについてヒアリングしてみるといいですよ。自分ではきづかなかったような美点が出てくることがよくあるものです。

水野順子さん

また、「仕事に何を求めるか」という希望を明確にしておくことも大切です。それがないと、転職活動の軸がぶれてしまい、転職後に後悔することにもつながりかねません。

具体例でお話しましょう。以前、私がキャリアカウンセリングをした公務員の女性がいました。その方は、「もっと人と触れ合うような仕事がしたい」という思いで転職活動を始めたにも関わらず、結局、大手企業の法務職に転職をしました。「大手企業勤務」というところに、惹かれてしまったわけです。でも、1週間ほど在籍して、また転職活動を始めることになってしまいました。働き始めて「やっぱりここじゃない」と思ったそうです。「人と触れ合う仕事がしたい」という軸と、全く違う選択をしてしまったからですね。こうなると、次の転職はさらに大変です。「なぜこんなに短い期間で会社を辞めるのか」ということが、転職活動時のネックになってしまいます。

これから転職をしたいと思っている方は、「なぜ転職したいのか」「仕事をする上で一番大事だと思うことは何か」をしっかり整理していきましょう。「これさえ叶えられれば私の転職は成功」と自信を持って言えるようにしておくと、後悔しない転職ができると思います。

変化する時代を味方につけるために必要な2つのこと

また、自分のこだわりを明確にすることのほかに、もう1つ大切なことがあります。それは、「計画的偶発性理論」を味方につけることです。これは、予期せぬ偶然の出来事にベストを尽くして対応し、その経験の積み重ねでより良いキャリアが形成されるという考え方。

皆さんの中にも、今の会社に入ったのは「偶然」という方が多いのではないでしょうか? これまで思い描いた通りのキャリアを歩んできた、という人の方が少ないはずです。偶然や変化を楽しんで受け入れていくことが、長く働き続ける秘訣ですね。

最後に、物事を楽観的に捉える姿勢も大事です。変化への柔軟な対応が求められる時代。「私にはこれしかできない」「どうせ無理」と物事を悲観的にとらえていては、新しいチャンスを掴むこともできません。「まぁなんとかなるさ」と何にでも挑戦してみることが大事です。その先に、思いもしなかったような素敵なキャリアが描けるかもしれませんよ。

取材・文/於ありさ