仕事観が全く違う彼との結婚は長続きする? “似たもの同士”の結婚が良いとは限らない理由【連載:恵ママの部屋】

恵ママの部屋
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仕事は楽しいけれど、それだけじゃ嫌。恋だって楽しみたいし、プライベートも充実させたい。どちらも諦めずに自分らしいキャリアを築いていくためには? 働く女性たちから寄せられた「仕事と恋」の悩みに、キャリアコーチ兼スナックママの佐々木恵さんが回答します!

今回の相談

(Cさん/30歳/経営企画)

今付き合っている彼は公務員なのですが、「仕事は仕事」と割り切っているタイプで、熱意がそんなにありません。私は仕事が大好きで家に帰っても仕事のことを考えているタイプなので、価値観の違いを感じています。仕事大好き人間な私と、仕事は仕事で割り切るタイプの彼と、結婚してもうまくやっていけるのでしょうか……?

恵ママからの回答
⇒同じ価値観の人間なんていない。違いを認めた上で尊重できるかどうか

カップル

仕事が大好きな自分と、仕事に対しては割り切っているパートナー。逆のケースのご相談もよくいただきますが、いずれの場合も、2人の間に温度差や距離感を感じてしまうというお悩みを抱える方が多いようです。

パートナーとの価値観の違いを目の当たりにし、2人の将来に不安を感じてしまったという経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。私自身、結婚して約5年が経ちますが、夫のことを知れば知るほどあまりにも価値観が違い過ぎて、この人とうまくやっていけるのだろうかと不安になることは、未だにしょっちゅうあります(苦笑)

そんなときに、私がいつも思い出して支えられている言葉があります。それは、“自分と同じ価値観の人間なんていない。違いを認めた上で、相手の価値観を尊重できるかどうかだ”というメッセージ。

たとえ血の繋がった親子であろうと、全く異なる価値観を持った別の人格です。ましてや育ってきた環境の異なる相手であれば、なおのこと。それは考えてみればごく当たり前のことなのですが、一緒にいる時間が長くなればなるほどつい忘れてしまいがち。価値観が合う合わないではなく、「私は私。彼は彼」と、お互いの違いを認めた上で、「自分にはない価値観だけれど、そんな点も含めて良いな」と思えるかどうかが、相性を見極める上でのポイントとなるのではないでしょうか。

Cさんはとにかく仕事が大好きということですが、彼にとっても、Cさんにとっての仕事と同じぐらい情熱を注いでいる大事な何かがきっとあるはず。それは一体何なのかを考えてみてはいかがでしょうか? 趣味だったり、家族や友人といった人間関係だったり、ひょっとするとCさんと過ごす時間なのかもしれません。そして、なぜそれに価値を感じているのか、彼の言葉で聞いてみるのも良いと思います。

彼にとっての情熱の矛先が明らかになった上で、改めて考えてみてください。あなたにとって、彼の魅力はどんなところにあるのでしょうか? これから先もずっと、彼の人生を応援したいと思いますか?

ひょっとするとCさんの中で、「自分がこれほど仕事に対して熱意を持って取り組んでいるのに、彼に共感してもらえない」という寂しさも感じているのかもしれません。たとえ「仕事」という側面においては温度差があったとしても、異なる領域で、それぞれが「熱意を持って取り組んでいること」を応援し合える関係であれば、互いにとって最高のパートナーだと思いませんか?

「家庭運営」という観点では、価値観の違いはむしろ互いにとって好都合

カップル

さて、Cさんのように価値観や仕事観の違いというものは悩みの種になりがちではありますが、一方で結婚後の生活を円滑に送っていく上では、この違いこそが潤滑油になり得ることもあります。

というのも、結婚して家族になるということは、「家庭」というある意味一つの組織を運営するチームメンバーになるということ。メンバーそれぞれが異なるポジションで価値を発揮し、全体として攻守のバランスが取れれば最強のチームができるのと同様に、家庭内においても、それぞれの仕事観や理想のライフスタイルに応じた役割分担をすることで、より運営が円滑になるのです。

例えば、夫が仕事よりも家事や育児に対する優先順位が高いようであれば、家のことを夫に任せられる分、妻は思う存分仕事に精を出すことも可能となります。この点においては、我が家の場合は夫も私も仕事大好き人間なので、妥協点を見出すまでにすごく苦労しました……。ある意味Cさんと彼のように仕事観が明らかに異なる方が、互いに補完し合うことができ、夫婦としては抜群のチームワークを発揮する可能性も多いにあり得ます

将来自分がどんな働き方やライフスタイルを送りたいのか?どんな家庭を築きたいのか?それは、現在のパートナーと一緒にいることで実現できそうか?という視点からも、ぜひ考えてみることをオススメします。

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【この連載の寄稿者】
佐々木恵さん

京都大学卒。リクルート、キッズラインを経て、2018年独立。“一人一人が自分の軸でしなやかに輝く“をミッションに、フリーのキャリアコーチとして活動中。これまで支援してきた女性の数は、800名を超える。自身もキャリアを模索する一人の女性として、枠にとらわれず仕事も育児も120%楽しむ独自の生き方を探求&実践中。週に1度”スナック恵”のママとしてカウンターに立ち、悩める老若男女の相談にのり、ご縁を紡ぐことがライフワーク。プライベートでは、甘えん坊な2歳児のズボラな母。好きな言葉はセレンディピティ。
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