「土日勤務で恋人に会えない。私が仕事を変えるべき?」29歳・販売女子のお悩み【連載:恵ママの部屋】
仕事は楽しいけれど、それだけじゃ嫌。恋だって楽しみたいし、プライベートも充実させたい。どちらも諦めずに自分らしいキャリアを築いていくためには? 働く女性たちから寄せられた「仕事と恋」の悩みに、キャリアコーチ兼スナックママの佐々木恵さんが回答します!
今回の相談
私はアパレル販売の仕事をしているので土日はいつも出勤しています。彼は飲食系の仕事をしていてシフト勤務なので、休日はバラバラ。夕方から深夜まで働くスタイルなので、二人の生活リズムが全く合いません。彼のことは好きだけど、自分の仕事も好きなので、彼の生活スタイルに合わせるべきか悩んでいます。
恵ママからの回答
⇒「自分にとって心地良い生き方のバランス」を可視化してみよう
せっかくの休日なのにパートナーに会えないのは寂しいし、場合によっては別れの原因に繋がることもありますよね。私も過去にすごく忙しい方とお付き合いしていた経験があり、近くにいるのになかなか会えないという状況に、いつもストレスを感じたり落ち込んだりしていました。
しかしある時、「だったら私も思いっ切り忙しくしてやる!」と、半ば当て付けのように考え、前々から興味のあった資格の勉強や習い事を一気に始めることに。
すると思っていた以上にハマってしまい、交友関係も広がり、週末ますます予定が入るように。気が付けば、逆にパートナーの方が私の予定に合わせて動いてくれるようにまでなりました(笑)。彼のおかげで、その時期は思い切り自己投資に勤しむことができたので、今となっては感謝しかありません。
さて私の例は少し極端かもしれませんが、Bさんのように「自分自身のキャリア形成と、パートナーや家族との生活スタイル」の二つを天秤に掛け、悩みを抱えている女性は結構多いのではないでしょうか?
そんな方にオススメなのは、二つの選択肢を比較しどちらが良いのか考えるのではなく、まずは「自分にとって心地良い生き方のバランス」を可視化すること。
さらには、「現在の自分」と「数年後の理想の自分」の2つの視点を持って、客観的に自分自身を見つめてみることです。
まず、以下の6つの項目に対し、5点満点中今の自分は何点になりそうか、自己評価で点数をつけてみてください。
・仕事・キャリア
・パートナー・家族
・人間関係・友人
・自己投資・学び
・趣味
・お金
それを、以下のような円グラフにプロットしていくのです。
眺めてみて、いかがでしょうか?
「パートナーは2点だけど、仕事と人間関係は4点だし、全体として見ると悪くないな」、「仕事の不満点にばかり目が向いていたけれど、改めて考えてみると、趣味や友人との時間やお金の項目が満足できているのは、今の仕事のおかげだったな」など、現在の自分自身を構成しているさまざまな要素を俯瞰して捉えることができるのです。
悩んでいるとついつい視野が狭くなって、今問題が起きている一部の事象にばかり、目がいってしまいがち。全体像を把握し、広い視点を持った上で、改めて問題を捉え直してみることをオススメします。
「数年後の理想の自分」についても描いてみよう
「現在の自分」について把握できたら、次に、同じ6つの項目と円グラフを使って、「数年後の理想の自分」についても描いてみましょう。時期については、ある程度具体的にイメージしやすい「1年後」がまずはオススメですが、場合によっては「3年後」や、「半年後」などでも構いません。自分自身にとって、少し先の未来として目標にしやすい時期や、重要な転機となりそうな時期があれば、そのタイミングに設定して、各項目の理想の点数を付けていきます。
ここで重要なことは、一生懸命点数を上げることでも、凸凹をキレイな円に近付けることでもありません。あくまでも、「その時の自分にとって心地良いバランス」を見つけることが重要なので、頑張って今より点数を上げたいと思う項目があるのならば、連動して下がる項目があるのは、自然なこと。全ての項目に対し全力を注ぎ、満点に近づけることはほぼ不可能なので、凸凹で全く構わないのです。
既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、これはよく研修やコーチングなどでも使われる「人生の輪」と呼ばれるセルフチェックの手法を取り入れたワークです。一人でもすぐにできるので、私は立ち止まって少し整理したいと思った時に、よく活用しています。
例えば私の場合、「仕事」については、昨年独立したばかりでさまざまな点においてまだまだ試行錯誤中。楽しいけれど理想には程遠い。「お金」に関しても、現在は自分の中での優先順位をあえて下げ、稼ぐことよりも経験や人脈を増やすことを重視しているため、自己評価は低くなっています。
一方、「自己投資・学び」「人間関係」の構築については積極的に取り組めているので、現在の自己評価は高いのですが、1年後は「仕事」と「お金」の満足度をもっと上げていきたいので、その分これらの点数は減らしても良いのかもしれません。
また2歳の息子がいるため、私にとって「家族」の比重は大きく、子どもの成長に応じて、「家族」と、それ以外の項目に掛ける時間やパワーのバランスを定期的に見直し、調整する必要もあります。このように全体のバランスを見ていくことで、現在の自分自身にとって絶対に譲れないものや、手放したり力を抜いたりしても良いものが、自然と見えてくるのです。
このワークは、自分自身の振り返りとして一人で実施するだけでも充分効果がありますが、さらにオススメなのは、パートナーや友人など、フラットに話せる方と一緒に取り組み、描いたものを眺めながら気付きを対話し合うことです。人に話すことで、自分の想いや気付きをより深めることができる上に、パートナーと一緒に行えば、お互いの価値観や未来の理想像についても話し合うことができるので、更に一石二鳥。
仕事もプライベートも存分に自分らしく楽しみたい欲張りな女性や、転職・結婚・転居など人生のターニングポイントにいる皆さん、悩んだときにはぜひ参考にしてみてください。
【この連載の寄稿者】
佐々木恵さん
京都大学卒。リクルート、キッズラインを経て、2018年独立。“一人一人が自分の軸でしなやかに輝く“をミッションに、フリーのキャリアコーチとして活動中。これまで支援してきた女性の数は、800名を超える。自身もキャリアを模索する一人の女性として、枠にとらわれず仕事も育児も120%楽しむ独自の生き方を探求&実践中。週に1度”スナック恵”のママとしてカウンターに立ち、悩める老若男女の相談にのり、ご縁を紡ぐことがライフワーク。プライベートでは、甘えん坊な2歳児のズボラな母。好きな言葉はセレンディピティ。
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