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JUN/2019

【びっくえんじぇる】総重量280キロ!自他共に認める“おデブアイドル”がステージに立ち続ける理由「笑われても、見下されても、それがバネになる」

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日本の女性は細い。人口に対して肥満(BMI30以上)女性の割合は、アメリカが41.0%、フランスが17.4%なのに対し、日本はわずか3.1%。特に若い女性にこの傾向は顕著で、「男女共同参画白書 平成30年版」でも10~30代に痩せ過ぎの女性が多いことが指摘されている。

これだけスリムな体型への憧れが強い日本で、「ありのままの自分の体型」を肯定できる女性はきっと少数派だろう。「ボディ・ポジティブ」なんて言われても、自分の体を愛せるのはモデルやグラビアアイドルのような女性だけに許された特権な気がしてしまう。

そんな中、「太ってる自分だってステキ」「背中のお肉がかわいい」と、“おデブな自分”を愛する3人組がいる。『肥満落下系堕天使アイドル びっくえんじぇる』だ。

細くて華奢な女性たちが勢揃いするアイドルの世界。そんな中で、時には「デブなのにアイドル?」なんて言われてしまうこともあるらしい。それでも彼女たちがアイドル活動を続けている理由とは……?

びっくえんじぇる
肥満落下系堕天使アイドル びっくえんじぇる えりぴよ(写真左)、いのりん(写真中央)、みっちゃん(写真右)
私たちお空から落っこちた肥満落下系堕天使アイドル'びっくえんじぇる'(びくえん)です!総重量3人で291kg!人間界に落っこちてからもぷくぷく成長中!天界にもどるために、歌って!踊って!痩せて! ファンの呼び名はヘルシー!
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■Twitter:@big_angel5

肥満落下系堕天使アイドルの総重量は280キロ!

−−まずはそれぞれ自己紹介をお願いします。

大橋ミチ子さん(以下、みっちゃん):身長167センチ、体重102キロの唐揚げ担当、「みっちゃん」こと大橋ミチ子です!よろしくお願いします!

びっくえんじぇる大橋ミチ子

橋本一愛さん(以下、いのりん):身長156センチ、体重80キロの白米担当、「いのりん」こと橋本一愛です!よろしくお願いします!

びっくえんじぇる橋本一愛

多田えりさん(以下、えりぴよ):身長169センチ、体重98キロ、マヨネーズ担当の「えりぴよ」こと多田えりです!よろしくお願いします!

びっくえんじぇる多田えり
取材当日、みっちゃんとえりぴよはテレビ番組のダイエット企画挑戦中だったので間食は禁止。いつもより痩せているそうです

−−よろしくお願いします! びっくえんじぇるはどんなグループなんでしょう?

みっちゃん:「肥満落下系堕天使アイドル」で、いわゆるデブアイドルです(笑)。歌って踊って、私たちらしいステージをやりながら、痩せて天界に戻るっていうコンセプトで活動しています。

−−ということは、痩せたら天界に戻っちゃう……?

いのりん:そうですね。ただ、今の体重の半分ぐらいまで痩せて、モデル体型にならないと帰れないんですよ。なので、まだまだ時間がかかるかな~という感じです(笑)

−−では当面は下界にいらっしゃるということで(笑)。どのような経緯でびっくえんじぇるはスタートしたんですか?

みっちゃん:活動を始めたのは2018年で、今は2年目です。私といのりんはもともと俳優の柏原収史さんがプロデュースしていた『Pottya(ぽっちゃ)』っていうぽっちゃり系アイドルグループにいたんですけど、解散してしまって。でもまだまだ活動したかったので、オーディションでメンバーを募って、びっくえんじぇるが誕生しました。その時に加入したのがえりぴよですね。

−−ということは、皆さんはびっくえんじぇるになる前から“びっく”な感じだった?

いのりん:そうですね。私は小学校に上がるころから太り始めました。

えりぴよ:私は3歳から太ってました。えりだけに、エリートデブです(笑)。小学校6年生の時点では85キロありましたね。でも、“動けるデブ”だったので中学校ではバスケ部に入って63キロまで痩せたんですけど、部活を辞めてからはまた太って今の体重に至ります。

びっくえんじぇる

みっちゃん:私の場合、学生時代は標準体型だったんですけど、周りにデブって言われて。半年間ヨーグルトと水しか摂らないっていう無理なダイエットをしたんです。一時期は54キロまで体重を落としたけれど、リバウンドとダイエットを繰り返した結果、約3年で倍近い体重になりました。ピークの時は116キロありましたね。

「デブでもアイドル」を目指した三人三様の想い

−− 一般的に、アイドルは細くて華奢なものというイメージを持っている人は多いと思います。皆さんが最初にアイドルになろうと思った時には、「私には無理かも」みたいな気持ちはありましたか?

いのりん:めっちゃありましたよ! でも私は昔からアイドルが大好きで、どうしてもアイドルになりたかったんです。だから最初にアイドルグループのプロデューサーさんに会ってもらえることになった時は、「意地でもこのチャンスに食らいつくんだ!」って必死でした。

そして、実は私、Pottyaの前に細い女の子が集まるアイドルグループにいたんですよ。他のメンバーは40キロ代なのに、私だけ58キロあって。「活動しながら痩せればいいよ」って言われて入ったのに、結局そのグループにいた2年間で15キロも太ってしまって。それでもアイドルをやりたかったから、「デブってバカにした人たちを絶対に見返してやる!」って思いでここまで続けてきましたね。

びっくえんじぇる

えりぴよ:私も歌やダンスが好きでアイドルに憧れてたけど、「アイドルは細くてかわいいもの」だから、自分なんて絶対無理って思ってました。なにせ3歳から太ってたから、体型をからかわれることも多くて。自分がデブだってことに対してすごく悲観的でした。

でも大人になってから、ぽっちゃりをコンセプトにしたメイドカフェやPottyaのようなグループが出始めて、「太ってる子が好きな人もいるんだ」って気付いたんです。それで自分をポジティブに受け入れられるようになって、私もアイドルとして「デブでも大丈夫だよ」っていうことを伝える人になりたいと思いました。それでびっくえんじぇるのオーディションを受けたんです。

みっちゃん:私はアイドルには興味がなかったんですけど、『la farfa(ラ・ファーファ)』っていうぽっちゃり女子のためのファッション誌を見て、衝撃を受けたんです。それまでの私は周りの人からデブと言われては「太ってる自分はこんなにも駄目なのか……」って落ち込んで、自分のことも大嫌いでした。

でも、『la farfa』のモデルは太ってる自分を受け入れた上で、おしゃれやかわいさを追求してる。私もそうなりたいと思ってモデルに応募して、そこからPottyaの活動につながりました。太ってる自分を受け入れられたことが第一歩だったなと思いますね。

−−太っていることを自分で認めることができても、周りの人が厳しいことを言ってくることもありそうですよね。それこそ、「痩せたらかわいいのに」って言われること、ありませんか?

びっくえんじぇる

みっちゃん:それはよくありますね! 私たちの『Come With Me』という曲に出てくる「そこの彼女もそこの彼氏も私を見て言ったの。痩せたら絶対かわいいのに。はいはい重々承知です」って歌詞の通りで、そんなことは知ってるんですよ。単純に痩せないだけで(笑)

えりぴよ:ふふふ。余計なお世話だよね(笑)

「ダイエットは明日から」「一歩痩せて二歩太る」
共感と自然体が呼ぶ、女性人気

−−「アイドルなのに太っているなんて」と否定的なことを言ってくる人もいますか?

みっちゃん:そうですね。この間、名古屋の方でいろんなアイドルが集まるイベントに出演させていただいたんですけど、舞台に出るやいなや、他のアイドルのファンの方から笑われたんですよ。別のイベントではいきなり「クソデブ」って言われたこともあります。

−−そういう反応ってすごくショックだと思うんですけど、それでもアイドルとしてステージに立ち続けようって、どうして思えるんですか?

みっちゃん:悔しさがバネになっているところはありますね。「私たちのことをバカにした人たちから絶対に拍手をもらってやろう!」って気持ちでステージに立ったら、ものすごく良いパフォーマンスができて、びっくりするぐらいの拍手をもらえたことがあったんですよ。

笑われたり見下されたりしても、私たちが一生懸命パフォーマンスをすることによって、少なからず人の心を動かせるって自信はありますね。

えりぴよ:共感の声が増えてるのも大きいです。活動を始めた当初は、「こんなデブがアイドル?」って否定的な声がたっくさんくると思ってたんですよ。でも、私たちがデブアイドルをやってること自体への批判はほとんどなくて。

みっちゃん:思っている以上にプラスの反響が大きかったんです。「デブ」とか「消えろ」とか言われても、それ以上に私たちのことを好きで、応援してくれている人がいっぱいいる。だから頑張れていますね。

いのりん:それに「デブ」って言われてもねぇ。「そりゃあそうだよ。だってデブなんだから」って私は思っちゃう(笑)

びっくえんじぇる

みっちゃん:私たちは「デブアイドル」って自ら名乗ってるんですけど、デブって言葉もあえて使ってるんですよ。私たちがアイドルとして活動することによって、「デブ」の偏見を変えていきたくて。もちろん誰に対してでも言っていい言葉じゃないけど、「デブって言われたって別に良くない?」くらいのレベルに変えたいと思ってるんです。

いのりん:明らかにデブなのに「デブは失礼だから『ぽっちゃり』って言わなきゃ」っていうのも嫌なんですよね。それこそPottyaの時は「ぽっちゃり」って打ち出してたんですけど、標準体型の女性でさえ自分たちのことをぽっちゃりって思ってるから、「いや、お前たちはデブだろ」ってなるんですよ。でも今は私たちが「デブなんです!」って認めているからこそ、痩せてる女の子のことも元気づけられてるんじゃないかなと思います。

−−びっくえんじぇるのファンは痩せてる女性が多いんですか?

びっくえんじぇる

みっちゃん:8割が女性で、私たちより痩せている人がほとんどです。いわゆるアイドルオタクみたいな方は少なくて、「オイッ!オイッ!」ってコールではなく、「キャー!!」って歓声が響く感じですね(笑)

いのりん:デビュー曲が『ダイエット始めなきゃ』って曲なんですけど、全部私たちの経験談なんです。「ダイエットを始めなきゃ! ちょい待って、明日から」とか「一歩痩せて二歩太る」みたいな(笑)。そういう歌詞にも共感してもらえてるのかなと思います。

えりぴよ:細くてかわいい女の子が私たちを見て「かわいい~!」って言ってくれるんですから、信じられないですよ(笑)。でも、それだけダイエットは女性の永遠のテーマなんだなぁと思います。だからこそ全てをさらけ出してる私たちを見て、「元気や勇気をもらえる」って言ってくれる方が多いのかもっていうのは感じますね。

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幸せ度数は100倍に!「太ってる」って認めたら人から愛されるようになった

びっくえんじぇる LIVE情報

びっくえんじぇるワンマンLIVE~大阪に落っこちた!?真夏の激痩せの陣~
日時:8/3(土)OPEN 15:30 / START 17:00
会場:ROCKTOWN
料金:3500円+ドリンク代(当日)
LIVEの前後に物販&特典会あり
>>チケット購入はコチラから

取材・文/天野夏海 撮影/洞澤佐智子(CROSSOVER)企画・編集/栗原千明(編集部)


分岐点
生き方に「正解」はない時代。ライフデザインは自由だけど、人と違う道を行くのは、やっぱりこわい。だから、この特集で届けたい。自分らしい人生を謳歌する女性たちの声を。誰かと一緒じゃなくていい。あなたが選んだ道が、一番正しくて、一番素晴らしい――。

『私たちの分岐点』の過去記事一覧はこちら

>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/work/bunkiをクリック

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