榮倉奈々さんインタビュー「『映画の世界を壊したくない』その一心でアクションシーンに挑みました」

榮倉奈々

榮倉奈々(えいくら・なな)

1988年生まれ、鹿児島県出身。ファッション誌のモデルを経て、『ジイジ~孫といた夏』(04年)で女優デビュー。『余命1ヶ月の花嫁』(09年)で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。『わたしのハワイの歩きかた』『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』(14年)、『娚の一生』(15年)など

ヒロインの成長を演じる。でも、前作は意識し過ぎない

2013年春に公開され、人気を博した『図書館戦争 LIBRARY WARS』。その続編である『図書館戦争 THE LAST MISSION』が、2015年10月10日に公開される。

本を読む自由を守る図書隊の精鋭、特殊部隊(タスクフォース)の新人隊員・笠原郁を演じるのは、第一作に引き続き榮倉奈々さん。その上官役である岡田准一さんとの師弟愛にあふれるやりとりや、時にコミカルな言葉の応酬は、第一作同様に胸をキュンとさせてくれる。

それに加えて今作は、タスクフォースの一員として活躍する笠原郁の雄姿がまぶしい。今作の撮影にあたり、榮倉さんは「1作目よりも責任を感じた」と振り返る。

「前作の郁は、岡田さん演じる堂上教官にしごかれる新人。でも今回は、上官と部下という関係に変わっています。その分、成長した郁を演じたいし、皆さんの期待にも応えなければいけない。でもそう思う一方で、第一作のことは考え過ぎないようにもしていました。映画の中の郁が時間の経過と共に成長しているのと同じように、私自身もこの2年半でいろいろなものを見て変わっているはず。第一作と変化を付けようと変に意識せず、今の自分が読んだ脚本を感じた通りにやろうと心掛けていました」

疲れ切った状態で、深夜の街を全力疾走!

榮倉奈々

『図書館戦争』といえば、タスクフォースの面々の厳しい訓練シーンや、銃撃戦を含む戦いのシーンが大きな見どころだ。しかし今回のクランクインは、図書隊の制服やタスクフォースの戦闘服ではなく、私服のシーンだった。

「日常のシーンから撮影がスタートしたことは、ちょっと不思議な感じでした。制服の方が『いよいよ図書館戦争が始まるぞ!』って気分が盛り上がるのに、と思っていました」

そう言ってほほ笑む榮倉さんだが、私服のシーンから入ったことが『図書館戦争 THE LAST MISSION』らしさを象徴していたのかもしれないと続ける。

「第一作よりも、登場人物の生活感や人間味が前に出るように作られているのが今回の作品。それを象徴するような私服を最初に感じられたのは、今振り返えればよかったんだと思います」

もちろん、タスクフォースのアクションシーンは健在だ。今回は榮倉さん自身もアクションシーンにチャレンジしている。
圧巻は、榮倉さんが深夜の街を走り抜けるシーン。大変なアクションシーンを撮り終えてからの撮影で疲れ切っていたところに、ほぼマックススピードで走り続けることを要求された。

「とにかくずっと、『早く止まりたい!』と思いながら走っていました(笑)。でも、岡田さんはじめ、タスクフォースの皆さんは、本当に素晴らしいアクションをなさるんです。それなのに、私のせいで映画の世界を壊したくない。『やっぱり女性はダメだ』と思われたくない、タスクフォースの一員としての仲間感を出したい! という一心で撮影に臨みました」

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