榮倉奈々さんインタビュー「『映画の世界を壊したくない』その一心でアクションシーンに挑みました」


決断は、フラットなときにするのがいい
「どんなアクションにも対応できるように体づくりをした」という榮倉さん。実は前作が終わってからもずっと、毎日のトレーニングは欠かさなかった。
「走ったり筋トレをしたり、コツコツとトレーニングは続けていました。それほど大げさなことではないのですが、、日常的に体をケアすることは大切かなと。郁は一途な気持ちで男性ばかりのタスクフォースに入り、コツコツと努力を続けているのですが、そんな純粋なモチベーションを保ち続けられる姿を見て、うらやましいなと思ったりもします」
やる気が起きなかったり、イライラして投げ出したくなってしまったり……。心のコンディションを思うようにコントロールできずにいる働く女性は少なくない。そんな時の心のケアについて、「しょうがないですよね、イライラすることもありますよ」と笑顔で応えたのち、こう話してくれた。
「休む、寝るなど、時間を置くのが一番。自分が良くない状態のときに出す答えって、だいたい間違っているか、よくないことが多いので、ストレスがあるときに何かを決めたりはしないようにしています。だからといって、調子の良いときや気分が高ぶっているときに答えを出せばいいというものでもないと思うんです。決断は、浮足立っていない普通のときにするのがいいと思っています。私の場合、お休みを挟むと平坦な感情の日々が戻ってくるので、そのときにいろいろと考えるようにしています」
今作の『図書館戦争』の撮影が終わった後、久しぶりにまとまった休みをもらった榮倉さんは、海外旅行に行ったり、海に遊びに行ったり、つかの間の休日を楽しんだ。こうしたリフレッシュ期間を経て、撮影で高揚していた榮倉さんにフラットな気持ちが戻ってきたという。
シリーズものを演じ続けられることの喜び

リフレッシュ後、改めて『図書館戦争』のキャンペーンや、新たな仕事に意欲的に取り組み始めた榮倉さんは、「ストレート過ぎて直球勝負しかできないところがかわいい」と笠原郁の魅力を語る。多くの人から愛されるヒロインを演じるのは大きな喜びだ。
「原作にはたくさんのファンの方がいて、とても大切にされている作品だと感じています。そんな作品に呼ばれたことは、ありがたいし、うれしいです。さらに、キャストもスタッフも前作と同じメンバーで2作目が実現できたことは、本当に誇らしいことです」
「ちゃんと郁に見えたらいいな」とはにかむ榮倉さん。その笑顔は、ピュアな笠原郁そのものだった。

『図書館戦争 THE LAST MISSION』
10月10日(土)全国ロードショー
国家による思想検閲やメディア規制が横行する社会となった近未来の日本。検閲に対抗して本を読む自由を守る“図書隊”の特殊部隊「タスクフォース」に所属する笠原郁(榮倉奈々)は、上官の堂上篤(岡田准一)のもと、訓練と日常業務の日々を過ごしていた。そんなある日、図書隊に下った指令。その裏には、特殊部隊を壊滅させ、図書隊を解散させることを目的とした罠が仕掛けられていた――。 公式サイト:http://www.toshokan-sensou-movie.com/index.html
取材・文/朝倉真弓 撮影/竹田俊晴
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