道端ジェシカさんインタビュー「自分の本音に気付くために『心のときめき』に正直でいたい」

道端ジェシカ

道端ジェシカ(みちばた・じぇしか)

1984年10月21日生まれ、福井県出身。13歳でモデルデビュー。日本を代表するトップモデルとして『VOCE』、『CLASSY』、『sweet』、『anan』など多くの女性ファッション雑誌のカバーを飾る。また2010年には、パリコレデビューも果たす。2007年に『Samantha Thavasa(サマンサタバサ)』のデザイナーとしてバッグやジュエリーを販売。単行本や写真集の出版など、多方面で活躍中。映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』では演技に初挑戦し、主演の大役を果たした

主人公を演じるために
改めてヨガと向き合った

雑誌の表紙を飾るトップモデルで、ヨガウエアのプロデュースを手掛ける他、ヨガインストラクターとしても活躍している“KUMI”という女性。映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』で道端ジェシカさんが演じたのは、彼女自身をほうふつとさせるような役どころだ。

冒頭付近から、神々しいほどに美しいヨガのポーズを見せてくれる道端さん。道端さん自身も約9年前からヨガに親しみ続けているが、この作品の主演が決まってからは、集中して2カ月ほどヨガ教室に通い詰め、ヨガインストラクターの役作りに励んだという。

「この映画をきっかけに、もともと好きだったヨガとまっすぐに向き合うチャンスをいただいて、ヨガの素晴らしさを再認識することができました」

そう語る道端さんにとって、この作品が女優としての初めてのチャレンジとなる。演技するにあたって、苦労したことはなかったのだろうか?

「KUMIはモデルにヨガインストラクターと、仕事が忙しい中でも靴に隠れて見えないペディキュアに手を抜かないほどの努力家。自分の気持ちを良くするためにも、自分自身のケアには手を抜きません。そんな部分には共感できるのですが、ストレスを感じると暴飲暴食に走ったり、好きな男性に対して素直になれないところなど、自分とは違うと思う部分もあるキャラクターです。そういったところを演じるのは私にとってチャレンジングなことで、お芝居のしがいがあると感じました」

また、感情をあらわにするシーンよりも、日常的な何でもないシーンの方が演じるのが難しいことを実感。

「普段とは違う話し方や言葉遣いで、自分と似ているけど少し違うKUMIを表現するのはとても難しいと感じました。そういう意味において、女優という仕事は、まだまだ深掘りが必要。勉強しがいのある分野だなと感じています」

選択肢を前に迷ったときには
心がスッキリする方を選んでみる

道端ジェシカ

道端さんが演じるKUMIは、世の女性が憧れるカリスマ的存在でありながら、人生に迷っているという役柄。もう一人の主人公の海空(みく)がどんどんあか抜けて輝いていくのと反比例するように、悪いことが重なっていき、人生初の挫折を味わう。

「迷う、という意味においては、30歳前後の私や皆さんも迷う年ごろですよね」と、笑顔でうなずく道端さん。「仕事とどう向き合っていくのか、家庭をどう築いていくのかなど、女性ならば迷って当然だと思います」と受け止める。

そんな迷いが生じたとき、道端さんは、自分の心の声に耳を澄ますことを心掛けている。

「頭でいろいろと考え始めると、迷いは止まらなくなってしまう。物事はいかようにも考えられるから、ずっとグルグルと考え続けてしまうんですよね。でも、迷っているときって、自分の心の中では答えが出ているんです。それなのに、何かしらの理由で自分を偽って決めている答えとは違う方を選ぼうとするから、本心をごまかすための言い訳を考えたりして迷っちゃうんですよね」

実は、この映画の話が来た時も少しだけ迷ったという道端さん。そんなときには、仕事を受けたときの気持ちと、受けなかったときの気持ちを想像して、心がスッキリする方を選んでいるのだとか。

「会社で仕事をしている人とは状況が違うかもしれませんが、私に関していえば、何か迷いが生じたときには、心がスッキリする方、心が喜ぶ方の選択肢を選ぶようにしています。そして、自分で『やる』と決めたからには集中する。最終的に、それがいい結果を生むような気がします」

自分で決めて、責任を背負ったことをやり遂げる楽しさ。道端さんがそれを知ったのは、高校生の時のことだった。

(次ページへ続く)

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