本当にやりたいことができない時期があっても、その時にしか学べないことがある【今月のAnother Action Starter vol.13 歌手・BENIさん】
将来の夢はワールドツアー
ジャネットやマドンナを目指したい
今年12月18日には、男性ヴォーカリストのヒットナンバーを英語詞でカバーしたアルバムシリーズ第3弾となる『COVERS3』が発売する。
アルバムの中から先行シングルとして11月20日にリリースされる『粉雪』は、レミオロメンによるオリジナルのロックサウンドをR&Bにアレンジするなど、今回もBENI流のカヴァーソングを堪能させてくれる。
「『COVERS3』も選曲から手がけたのですが、今回はBEGINさんとORANGE RANGEさんという、わたしと同じ沖縄出身のアーティストが2組入っています。特にBEGINさんの『島人ぬ宝』は、沖縄人として共感できるメッセージが詰まった曲。思い入れがあるからこそ、この歌詞を英語に変えて、もっともっと多くの人に島人(しまんちゅ)の気持ちを知ってもらえたらいいなと思って選びました。自分で歌ったことで、この曲はわたしにとってより一層大切な曲になった気がします」
日本語と英語の両方でメッセージを発信できるというのは、アメリカ人の父を持ち、幼少期をアメリカで過ごしたBENIさんならではの強みでもある。だからこそ、彼女が自分の将来を思い描く時も、そのフィールドは決して日本国内に留まることはない。
「小さい頃からの夢は、ジャネット・ジャクソンやマドンナのようにワールドツアーができるくらいのインターナショナルなアーティストになること。だから世界中の誰もが知っているディズニー・チャンネルのアニメの主題歌を歌えることになったときは本当に嬉しかった! 日本の家族や親戚だけじゃなく、海外の友達もオンエアを見てくれて『すごいね!』って言ってくれて。さすが世界のディズニー・チャンネルだなという感じで、自分の中では世界につながる仕事という意味でとても大きな出来事でした。
『キム・ポッシブル』の主題歌は、『Call Me,Beep Me! 』という曲だったんですけど、主人公キム・ポッシブルの力強さとキュートな感じがあらわれているかっこいい歌詞で、歌っていて自分がスーパーヒーローになれた気分でした。今後はそういう風に感じてもらえる英語の歌詞を自分で書いてみたい。それでアルバムを作ったり、それを引っさげて海外でツアーもやってみたりとか、やりたいことはたくさんあるんです」
どんなにつらくて大変なことがあっても
最後の2%は希望がある
アーティストとして大きく飛躍を遂げたBENIさん。その存在感はますます高まる一方だ。
各種の音楽チャートやランキングを賑わすだけでなく、そのライフスタイルや生き方までもが女性たちの共感を呼び、ファッションリーダーとしても注目を集めている。
アーティストの中には、世間が求めるイメージを崩さないようにと考える保守的な人も意外と多いが、どうやらBENIさんは正反対のタイプらしい。
「アーティストは進化することも大事だと思うんです。もちろん、世の中の人が持っている“BENI”のイメージを意識することも必要ですが、それを破ることを恐れずに、色んなことにトライしたい。歌のスタイルにしろ、ファッションやメイクにしろ、怖がらないで何でもやってみたいんです。『キム・ポッシブル』や『COVERS』も、その1つですしね。
そうやって進化を続けることが、アーティストとしての“自分らしさ”なのかなと思っています。
あとは、常にポジティブマインドを持つことも心がけていますね。わたしの歌にも『強くなろう』とか『どんなにつらいことがあっても、最後の2%だけは希望を持とう』というメッセージを込めている曲が多いです」
新しいチャレンジをする時は、誰だって多少の不安や怖さは付きまとう。働く女性たちだって、たとえ今の仕事に不満を感じていても、「今の仕事を辞めて転職するのはリスクが大きい」と考えて、ためらってしまうことはあるはずだ。
だが、それが本当に自分のやりたいことならば、トライしてみる価値はある。BENIさん自身がそう信じ続けているからこそ、女性たちの心に響くメッセージソングを生み出すことができるのだろう。
「もし新しいディズニー・チャンネルでテーマソングを歌わせてくれるというのなら、もちろんトライしたい! 新しいことにトライするのは確かに怖いけれど、わたしは、何も始まらないことほど悲しいことはないって思うんです。だから、とにかく第一歩を踏み出してみてほしいです」
チャレンジするということは知らない自分を見つける旅、とBENIさんは語る。自身も、食わず嫌いだったジャンルの音楽を歌ってみたら、実はすごく楽しかったという経験で気付いたのだそう。
「自分で勝手に苦手だと決めつけていただけなんですよね。それ以来わたしは、あえて自分が苦手だと思うものにもトライするようにしているんです。思い込みや決めつけを捨てて、オープンマインドで何にでもチャレンジしていれば、きっと新しい自分に出会えるはず。
ディズニー・チャンネル開局10周年のキャッチコピー『さあ、つぎのワクワクへ。』というのはわたし自身のキャッチコピーにもしたいくらい共感できます。
わたしは、恋にも仕事にも常にときめいていたい。ディズニー・チャンネルがわたしをワクワクさせてくれるように、わたしも皆さんをワクワクさせたい。そのためにこれからも自分を進化させていきたいですね」
取材・文/塚田有香 撮影/柴田ひろあき
『Another Action Starter』の過去記事一覧はこちら
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