大事なのは自分が楽しむことよりも“みんな”が笑ってくれること【 今月のAnother Action Starter vol.3お笑い芸人 渡辺直美さん】


渡辺直美(わたなべ・なおみ)
1987年生まれ。吉本興業所属、東京NSC12期生。ビヨンセのものまねで一躍注目を浴び、バラエティ番組を中心に活躍中。2011年10月より『森田一義アワー 笑っていいとも!』の月曜レギュラーとして参加。2012年3月には、『ピカルの定理』で同番組発の白鳥美麗名義で歌手デビューを果たす。2012年8月に単独ライブを開催予定。また2012年秋には、出演した映画『綱引いちゃった!』が公開予定。
幼いころの夢が現実の目標に変わった
決意の瞬間は突如訪れる
幼いころに描いた夢をかなえることができる人は、そう多くはない。
いまやテレビに雑誌に引っ張りだこの女性ピン芸人・渡辺直美さんはその数少ない一人。幼稚園の頃からお笑いが好きだったという直美さんも、一度は夢をあきらめかけた。
「小さな頃から『ものまね王座決定戦』が大好きで、コロッケさんをはじめとしたものまねの芸人さんに憧れていました。それから、『めちゃ×2イケてるッ!』の岡村隆史さんが大好きになって、お笑い芸人になりたいってずっと思っていました。でも、自分はものまねが上手いわけではなかったし、子どもの夢なんかかなうわけないと思っていました」
そんな渡辺さんを本気にさせたのは、CS番組で見た『ルミネtheよしもと』のお笑いライブだった。
「進路に迷っていたとき、そのライブを見て強く思ったんです。絶対に自分もあの舞台に立ちたいって。人から見たらなんてことない日常だったのかもしれませんが、このときがお笑い芸人になる夢を追っていくって決意した瞬間でした」
その後、ファミレスでバイトをしてお金を貯め、2006年、東京の吉本総合芸能学院(NSC)に12期生として入学。翌年にデビューし、直美さんの快進撃は始まった。
直美さんの印象的なネタといえば、何と言ってもビヨンセの当て振りだろう。本物よりもだいぶ豊満な身体なのに、動きのキレはビヨンセそのもの。このネタが彼女を一気に表舞台に引き上げた。
極度の緊張と気配りのあまり
テレビで話せないジレンマ

強烈なインパクトを強みに、誰もが知る人気者となった直美さん。しかし、いまだに毎日、ものすごい緊張感と戦っている。
たとえば、2011年より月曜レギュラーとして参加している『笑っていいとも!』。その前年まで務めたオープニングに踊るアシスタント役「いいとも少女隊」に比べると、その責任も重圧も桁違いだ。
「決められたタイミングで、決められた動きをすればいいアシスタントの役割に比べて、自ら一歩も二歩も前に出ていかなければならないレギュラーという存在は、立ち位置の違い以上の重みがあります。場に応じて、自分の言葉でお客さんを笑顔にしなければならないんですからね。いまでも毎回反省を繰り返してますよ」
直美さんは、フリートークで自分の話をしようとしても、「いまはあっちの芸人さんが話したがっているんじゃないか?」とか、「あの俳優さんはこういう話題は好きじゃないかも……」と周囲が気になってしまい、タイミングを逃してしまうのが弱点だという。
「そんなの気にしないでポンポン話に入っていけば、たとえタイミングがちょっと変だったとしても、メンバーがなんとかしてくれるはずだって頭では分かってるんです。でも、なかなか発言する勇気が出ない。“緊張しい”で、その上、変な強がりが出てしまうんですよね」
そんな直美さんが一歩を踏み出したのは、ある番組に出演したのがきっかけだった。
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