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DEC/2019

夫の転勤、専業主婦生活、職場を転々とする中で磨かれた「置かれた場所で咲く力」

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持つべきものは、頼れるメンター!
「後輩たちへ」

長く仕事は続けていきたい。でも、どんな仕事が自分に合っているのか、そもそもどんな人生を送りたいのか、自分のありたい姿が明確にならない女性も多いはず――。そこでこの連載では、さまざまな人生経験を積んできた『Mentor For』のメンターたちが、“豊かなキャリア”を描いていくためのヒントを後輩女性に向けて送ります

こんにちは。今回からこの連載の執筆を担当します、『Mentor For』 公式メンターの畑さち子です。初回は簡単に、自己紹介から書かせてください。

 畑さちこ

畑さち子
『Mentor For』 公式メンター。ウィメンズキャリアメンター、国際コーチ連盟プロフェッショナル認 定コーチ。日本アンガーマネジメント協会ファシリテーター・トレーナー。航空会社(地上職)を退職 後、二児を育てながら、子育て本の編集・出版、海外での日本語教師を仕事とする。帰国後、コーチ ングを学び、2003年独立。2018年に、メンタリングを学び、「次世代の女性がイキイキと自分らしく 生きる」ことを応援するために、メンターとして活躍の幅を広げている

私は読者の皆さんより、ずっと人生の先輩です。

雇用機会均等法以前の1980年に入社しましたが、その後結婚した相手が転勤(思いがけないことに、その後20年間で10回の引っ越しをすることになります)になり、あっさりと退職してしまいました。

時代の風潮もあり、その時はあまり悩まなかったのですが、ある意味それからが本番でした。引っ越しを繰り返しつつ、二児を育てつつ、自分の意思だけでは思うようにならない環境の変化があっても、その中でどう精一杯力を発揮するかを考え抜いてきたのです。

そこでこれから3回にわたって、プロのメンターとして、そして人生の先輩として、次世代の皆さんに伝えたい「置かれた場所で力を発揮するためのコツ」について書いていきます。

「私が社会に対してできることはこれだけ?」専業主婦時代に感じたモヤモヤ

主婦

人生は思うようにならないことも多々あります。その中で力強く前を向くために私が必要と感じたポイントは、次の4つです。

1)「出来ない」ではなく「何ならできるか」に思考を切り替える

子どもたちが乳幼児だったころ、子育てのほぼ全てを専業主婦である私が担っていました。子育てを楽しみながらも、その一方で「このままでいいのか」「社会に対し、私が出来ることはないの か」と、とてもモヤモヤする不完全燃焼の日々。

そんな中、いつかは何かの材料になるのでは、とセミナーや講演会に託児付き(当時は少なかったです)であれば片っ端から申し込んでいました。中には全く興味の持てないものもありましたが、「こういう世界もあるのか」という引き出しと話のタネは増えていきました。

家でできるということで、ライター業にも応募し、企画を提案しながら、記事も書かせていただいていました。お小遣い程度の収入でしたが、社会とつながっている感覚が私にはとても大事なものだったのです。

子育てに限らず、いろいろな事情で「出来ない」ことが多い状況に陥る可能性は誰にでもあります。そんなとき、「○○したいのに出来ない」「前は出来たことが今の環境では出来ない」と嘆いていても、何も変わりません。

その状況を変えられそうなら変えるために動く。変えられないなら、その中で何か一つでも出来ることを探すこと。行動することでしか、道は開けません。

私の場合、お小遣い程度でも→少しでも社会とつながれるなら……と始めたライター業で生まれた出会いが、次のキャリアへとつながっていきました。

2)「一人じゃ無理」なら、仲間を探そう

主婦

ライター業を始めたことで、「子どもは可愛い、家庭は大事、でも私自身も輝きたい」というコンセプトのもと、女性のネットワークを支援する活動も開始することになりました。

一人では何も出来なくても、人数が集まれば何か出来ます。当時まだこういう活動が珍しかったこともあり、地域情報誌記者の知人に話したところすぐに掲載、それを見た全国紙、TVにも取り上げていただき、あっと言う間に初対面の人ばかり150人以上のネットワークが出来ました。

SNSもない時代、こんなに同じ思いの人がいるとは、考えてもみませんでした。一歩踏み出すことをせず、「一人ではできない」と躊躇していたら、今の私はいなかったと思います。

3)「困った、辛い」の課題が、実はキャリアのチャンスになる

行動したい! 活動したい! と、外に出るものの、いつも子ども二人を連れ歩いていた私。それはそれでとても大変でした。しかしそこで諦める、不満を漏らすのではなく、その困難さを乗り越えるために何ができるかを考え抜きました。

考えた末、女性のネットワークで出会った同じような環境の仲間と『子どもと出かける大阪遊び場ガイド』(メイツ出版)という本の執筆、編集をすることに。「自分一人で自由に行動できない」という課題を、「子どもと一緒に取材できる」というキャリアのチャンスに変換することが出来ました。

それまでも子連れのガイド本はありましたが、実際に「子連れの女性」がベビーカーを押しながら取材したリアル感と実用性で好評をいただき、後に兵庫版も発行。このシリーズはたくさんの方に届くロングセラーとなりました。

困った、苦しい、と悩んでいる方は、「じゃあそれを仕事にできないか?」と、発想を変えてみてはいかがでしょう。

4)全ては自分の選択の結果

キャリアも順調に回り始めた矢先、また夫に転勤の辞令がありました。さすがにショックでかなり悩みはしましたが、結局、転勤帯同を決めました。

転勤先のシドニーは住みやすい美しい街で、楽しい体験もたくさんすることができましたが、一方、言葉の壁もあり、情報は入りにくく、人間関係も広がらず、閉塞感を感じることもありました。

主婦
シドニーの街

こんなことになったのは「夫のせい」「夫の会社のせい」と自分を被害者のように感じたこともありました。どんなに一生懸命がんばって、その場所で根を張ってきても、ヒョイと引き抜かれて、ポイと新しい土の上に放り出される草のようだ、と自分を哀れんだこともありました。

しかし、同じようなことをグルグルと考え続けて、ある時ふっと思ったのは「帯同を決めたのは、夫や夫の会社ではなく私自身だ」ということです。

そう思ったとき、すっと体が軽くなり、「じゃあ、ここで何が出来るか」と考えを前に向けることが出来ました。

そこで養成学校に通い始め日本語教師になりました。日本帰国後も仕事が見つからないなど大変なことはありましたが、日本語教師の体験を通じて「相手の成長をサポートすることが好き」ということに気付けたため、コーチング、メンタリングを生業に。

以上が私の人生から得た「思うように行かないときにどう突破していくか」というポイントですが、私に限らず、どんな人でも、どんな環境でも、思い通りにいかない、不本意なことはいくらでもあります。思う通りに行く人生を描くことも大事ですが、上手くいかない時こそ、「この状況で何が出来るか」と考えてみてください。全く違う人生になりますから。

バラバラで横道、脇道もたくさんあったとしても、全てが未来の自分の糧、財産になります。

ある方が「自分の体験はアドバイスと言う形で誰かへのギフトになるのですね」とおっしゃっていましたが、私の体験、歩いてきた道、考え、気付きがどなたかへのスモールギフトになれば、本当にうれしいです。そしてあなたの体験も、次の道へ続く女性たちのギフトとなります。

次回はメンターとして向き合ってきたこれまでのエピソードについて書いていきます。

>>Mentor for

『後輩たちへ』の過去記事一覧はこちら

>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/work/juniorをクリック

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