「正社員なら安心」はもう古い? 2020年は仕事選びの基準をアップデートしよう【#キャリアアドバイザーの本音】
この連載では、今SNSで話題のキャリアアドバイザー・えさきまりなさん(@MarinaEsaki)が、長く働きたい女性のための後悔しない転職術を“本音”で伝授します!
皆さんこんにちは、キャリアアドバイザーのえさきまりなです。今回も、女性たち一人一人が「理想のキャリア」を築いていくために大切だと思うことをお話したいと思います。
2019年も、たくさんの女性たちの転職支援をさせていただきました。その中で感じるのが、職種や雇用形態に対する考え方が“一昔前”状態の方が少なくないということです。
例えば、営業やシステムエンジニア(SE)の仕事に、皆さんはどんなイメージを持っていますか?
何となく「営業はイヤだ」「エンジニアにはなれない」そう思い込んでしまっている方は多いのではないでしょうか。
世の中は劇的に変わっている。
仕事に対するイメージをアップデートしよう
では、なぜそう感じてしまうのか。例えば、営業の仕事については、次のようなイメージを持っている女性が多くいます。
「ノルマに追われてきついんでしょ?」
「パワハラ上司に叱られ詰められたりしそう」
「クライアントに振り回されてしまって、残業も多くなりそう」
これらは実際、転職相談に訪れた女性たちが語った言葉です。
しかし、時代はもう令和。多くの企業で働き方改革が進んでいますし、営業職が果たすべき役割も以前とは変わってきています。
例えば、コンサルティングやソリューションを伴ったインサイドセールスは、顧客のニーズに丁寧に寄り添える女性の活躍が目覚ましいのが特徴。内勤メインの仕事なので、営業といっても残業が少なく、体力的な負担も軽減されています。
また、クライアントとの関係構築や、企画提案、改善提案、反響対応がミッションとなっている営業職の方も増えていますし、そこにノルマはありません。
さらに、エンジニア職にも同様のことが言えます。
「自分は理系じゃないからできない」という印象を持っている方もいると思いますが、最近では文系出身の女性が未経験でSEの仕事に挑戦する事例も増えています。
日本全体でIT人材の不足が叫ばれる中、ポテンシャルのある人を採用して自社でエンジニアとして育てたいと考える企業も増加傾向にあり、未経験者の採用も活発です。
長く仕事を続けていくためにも「オフィスワークで手に職をつけたい」と考えている女性には、うってつけの選択肢ですね。
「正社員じゃなきゃダメ」、それって本当?
また、雇用形態に関するイメージも、“一昔前”のまま、アップデートされていない人がたくさんいる印象です。
例えば、求人を探すとき、「正社員であることは大前提だ」と考える方はきっと多いと思います。
でも、そもそも、なぜ正社員でなければいけないのでしょうか?
「安定して働けるから」
「ボーナスが出るから」
「何となく安心だから」
「親が安心するから」
など、いろいろと理由はあるでしょう。
ただ、正社員だから安泰という時代はもう終わっていると思います。
2019年には、経団連の会長やトヨタ自動車の社長の発言も話題になりましたが、終身雇用を存続できる企業はもうほとんどありません。
さらに、会社に在籍していれば給与が増えるという年功序列から仕事の成果に応じて給与が増える実力評価へと日本社会全体が移行してきていますし、定年後は安心して年金生活を送れるという保証もない状況です。
現在、日本で働く女性の半数以上が非正規雇用と言われていますが、過去には派遣切りが深刻な社会問題になるなど、「非正規雇用=よくないもの」と捉える風潮があったのも事実です。
しかし、最近はあえて非正規雇用を選び、複数の収入源を持つことでリスク分散しながらフレキシブルな働き方をする人も増えています。
非正規雇用も悪くない?
本業と副業の掛け合わせで収入アップ
個人的には今後、社会がますます非正規雇用に対して肯定的になっていくのではないかと予測しています。
そう考える理由として、私の知人の事例を紹介させてください。
派遣社員として働くAさんは、事務で9:00~17:00まで時給2000円×週5勤務、月収32万円を得ています。さらに、週末には美容師時代のスキルをヘアメイクとして生かし、月5万円を副収入として得ているのですが、本業と副業の収入をあわせると、年収は約440万円です。
Bさんは、在宅で業務委託として6時間×週3日オンラインアシスタントの仕事をしています。そこで得られる収入は、月に15万円。しかし、週に2回ヨガインストラクターとして働くことで、月20万円、さらに隙間時間にはブログライターとして仕事をしており、月10万円を得ています。全ての収入をあわせると、年収は540万円になっています。
いかがでしょうか?
複数の仕事を掛け持ちして働くのも、そんなに悪くないと思います。
国税庁の調査によると、企業の生存率は、5年で14.8%、10年で6.3%、20年で0.4%、30年で0.021%と結果が出ています。
つまり、30年以上続く企業で今後ずっと働き続けることは、奇跡に近いということ。だからこそ、固定観念に縛られず、フレキシブルに働き続けるためのスキルと選択肢を常に持っておくべきだと思うのです。
「自分の会社だけは大丈夫」
「正社員なら安定」
そう考えるのは、もはやリスクになる時代です。一人一人が目の前の「当たり前」を疑って、自分らしいキャリアのかたちを考えていきましょう。
【執筆者プロフィール】
えさきまりな”
短大卒業後、事務職として働き、その後、二度の転職を経験。現在はキャリアアドバイザーとして年間600名以上の女性転職希望者の支援を行う。オンラインでも活動の場を広げ、「キャリアアドバイザーの本音」と題したTwitterアカウントが好評
Twitter:@MarinaEsaki
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