やりたいことは全部やればいい! 迷いの多い30代を経た今、躊躇している女性に伝えたいこと

20代後半の女性たちがよく口にする、「30歳になっちゃう」という言葉。なぜ私たちはこんなにも30代になるのが怖いのだろう?
これからの人生について、一人であれこれ悪い想像をしてしまうから? それなら、少し先の未来を歩く先輩たちが、何に悩み、何に喜びながら30代を過ごしてきたのかを知れば少しは不安がなくなるかも。すでに30代を乗り越えた“40’sウーマン”たちが語る等身大の言葉に耳を傾けてみよう。

自分の人生は自分で決断し
誰かのせいにしないこと

やりたいことは全部やればいい! 迷いの多い30代を経た今、躊躇している女性に伝えたいこと

こうして楽しく仕事をしてきましたが、今年4月に再び転職しました。実は最初から、「入社から6年間」と期限を決めて、それまでに自分がやるべきことをやり切ろうと決めていたのです。一人の人間が同じポジションを長く務めるのは組織にとってもよくないし、ある時期が来たら新しい人を入れて組織を活性化させるべきだという考えがありましたから。そして実際に人事部長としての仕事をやり遂げ、スマイルズという会社が成長して“第3創業期”と呼ぶべき新たな成長期に入るまでを見届けることができました。そして自分をもう一段上へと成長させるためにも、新たなチャレンジをする時期だと考えたのです。それで「うちに来ませんか」と誘ってくださった今の会社に転職し、40代にして新たなスタートを切りました。スマイルズを辞めると告げた時は皆さん引き止めてくださったし、盛大な卒業式もして頂いて、私は本当に幸せ者だと思います。

今30代を振り返って思うのは、「どんな選択をするにしろ自分で決断すること、そして決断した以上は自分の人生を誰かのせいにしないことが大事なのだ」ということ。私も迷いの多い30代を過ごしましたが、専業主婦になることや離婚すること、部長を引き受けることなど、全て自分で決断してきました。自分の人生をどうするかは自分で考え、決めるしかない。そんな当たり前のことを、改めて教えてもらった30代だったと思っています。

私と同じように、女性なら人生で迷うことはたくさんあると思います。でも私は、自分の経験を踏まえて、若い人たちにこうアドバイスするんです。「やりたいことがあるなら、とりあえず全部やってみれば?」って。「子どもはほしいけど、今は仕事が忙しいから……」と迷っている女性には、「命を授かるのは奇跡なんだから、自然に任せてみたら?」と背中を押しています。

私もこれからやりたいことがたくさんあります。新たな職場であるシーボンは、一部上場企業で社員は1200名規模。そのうち女性が93%を占めています。人事の責任者として、これだけ多くの女性たちがもっと活躍できる環境を作れば、女性の働き方や生き方を変え、さらには日本社会全体の女性活用を推進することにもつながるはず。この大きな目標を達成するために、これからも挑戦を続けていきたいと思っています。

取材・文/塚田有香 撮影/吉永和志

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