「人生に、無駄なことは一つもない」元専業主婦が保険の世界に飛び込み気付いた“営業として働く喜び”
新型コロナショックの影響で、生命保険のニーズが高騰。コロナ禍の影響を受け、保険営業職の働き方も大きくアップデートされている。そこでこの特集では、識者・人事・営業職として活躍する女性たちへの取材を通じ、保険業界の女性活躍の実態、仕事の醍醐味を探っていく――
今回、Woman type編集部が訪れたのは、アフラック保険サービス株式会社。
アフラック・コンサルタント(以下、AC)と呼ばれる同社の営業担当は、8割以上の人が未経験からキャリアをスタート。そんな環境だからこそ、メンター・メンティー制度を導入し、チームで支え合う環境をつくっているという。
インタビューに応じてくれた現役ACのM.Aさんも、接客販売やコールセンター勤務、専業主婦を経て同社に未経験入社した一人だ。

アフラック保険サービス株式会社
アフラック・コンサルタント
M.Aさん
1976年生まれ。百貨店での販売、クレジットカード会社のコールセンターでのオペレーターなどを経験。2019年4月にアフラック保険サービス株式会社に入社。現在は横浜支社でアフラック・コンサルタントとして保険販売を行っている。二児の母
一般的に、専業主婦期間をブランクととらえる会社は多いが、現職ではその人生経験こそが「非常に役立っている」とMさんは力強く語る。一体なぜだろうか。
コロナショックを機に変わった働き方や、Mさんが感じるACの仕事の醍醐味とあわせて聞いた。
「保険のおかげで、命がつながった」
――保険営業の仕事は未経験からのチャレンジだったとのこと。Mさんはこれまでどんなお仕事を経験されてきたのですか?
新卒で初めて仕事をしたのは、百貨店での接客販売でした。5年ほど働いた後、結婚を機に退職。それからは専業主婦をしていました。
夫が転勤族なのですが、7年前に今住んでいる横浜に引っ越してきたタイミングで、クレジットカード会社に再就職。コールセンターで5年ほど働き、昨年アフラック保険サービスに転職して、今はアフラック・コンサルタントとしてお客さまのご要望にあった商品をご提案しています。
――新卒で販売のお仕事をされていたということは、元々接客業がお好きだったのでしょうか?
人と関わる仕事は大好きです。ただ、前職のコールセンターの仕事では、いつも言われた通りの役割しか果たせていないことにもどかしく感じていました。
パートという雇用形態だったこともあって、勤務時間も10~15時ときっかり決まっていて。自由が利かず裁量もないので、お客さまの役に立っているという実感をなかなか得られませんでした。
当時は子育ても忙しかったので仕方ないかな、と思っていましたが、子どもが中学生になるタイミングで、やっぱり正社員としてもう一度働きたいなと思ったのです。
――その時になぜ、ACとして就職することを選んだのでしょうか?

身内に、肉腫という特殊なガンに罹患した親戚がいまして。今も通院で治療をしながら働いているのですが、たまたまアフラックの保険に加入していたおかげで治療費をまかなえているという話を聞いて。
それに、これも偶然なのですが、私の父母もそれぞれ胃がん・乳がんの経験があり、みんなアフラックの保険に入っていたおかげで命がつながっています。
保険が役に立つということを身に染みて実感していたので、それを伝えられる人になりたいと思いました。
営業で大事なのは「数字」じゃなくて「商品の良さを伝えること」
――ご自身にとって保険が身近な存在だったのですね。ただ、保険の営業と聞くと、ノルマや販売業績へのプレッシャーなど、大変なイメージはありませんでしたか?
元々販売の仕事をしていたので、そこまで心配はしていなかったです。それよりも、自分の裁量で仕事ができるかどうか、お客さまの役に立てる実感があるかどうかの方が重要でした。
私自身は自分の経験からアフラックの商品の良さを実感しているので、あとはそれを伝えるだけ。「役に立っている手応えがあるかどうか」が何よりも大切なので、数字のことは気にしていませんでした。
――数字ありきではない、と。

はい。実際に保険営業の仕事を始めて以降も、数字よりもお客さまに寄り添っているかを大切に思っています。
お客さまに保険のご加入を決めていただけるときは、いつもお役に立てたなぁ、とうれしくなりますね。
以前、他社の保険にご加入されている方を担当したことがあるのですが、お客さまが保障の内容を何も理解されていなかったことがありました。
20歳くらいからずっと同じ保険に入り続けていて、30代半ばを過ぎてよくよく見てみたら、金額の割にすごく保障が手薄だということが分かって。歳を重ねている分、保険料も高くなっていたのです。
――確かに、何も分からないまま保険に入る、というのはありがちですよね。
保険は若い時に入った方がいい、とはよく聞くかもしれませんが、その意味を本当に理解してご加入されている方は多くありません。
若くてリスクが低いからこそ、低い保険料で手厚い保障を買える。
逆に言えば、40代50代と年齢を重ねてリスクが高くなれば、同じ保障でも保険料は高くなってしまいます。
その点、アフラックの保険は終身で持つことが可能です。加入した時と同じ保険料で一生涯の保障を持っていただけることが魅力。
そのことをお客さまにご説明したところ、深く納得していただけたようで、総合的な商品にご加入いただけました。それが私にとって初めての総合商品のコンサルティングだったのです。
「Mさん、役に立ったよ。ありがとう」と直接言っていただけた時は本当にうれしかったですね。お知り合いもご紹介していただいて、ご縁がつながっていくことがありがたいなと思いました。
家事や子育て…人生経験の全てが役に立つ
――商品の良さを伝えることの重要性が伝わってきます。ただ、さまざまなライフステージにいるお客さまお一人お一人にぴったりのご提案をするのは難しくないですか?

そういう意味では、自分自身の人生経験がものすごく役に立つ仕事だと思いますね。
私と同世代のお客さまも多く、皆さん自分と同じような悩みを抱えていたり、似たような境遇にいたり、共感できることが多いのです。だからこそ、提案も自分事のように考えてできるというところは私の特権かもしれません。
――専業主婦や子育てなど、プライベートな経験も役に立っているのですね。一方で、生命保険の営業は未経験。どうやってお客さまを探せばいいのか、悩むことはありませんでしたか?
そこはあまり心配していませんでした。というのも、私たちはすでにご契約いただいているお客さまや、CMなどをご覧になって資料請求をしてくださったお客さまにご提案することができます。それをもとに、アポイントを取りお客さまのご要望を聞かせていただく、という流れです。
なので、自分の知り合いだけを頼って販売をするとか、親族に売らなければいけないとか、そういう心配はありませんでしたね。
――会社がサポートしてくれるのですね。実際に営業活動が始まったら、一人で黙々と営業をする、という感じなのでしょうか?
一人で営業活動をすることはありますが、そこに孤独感はありません。なぜなら、弊社にはメンター・メンティー制度というものがあって、先輩コンサルタントが新人のメンターとしてついてくれますし、営業所長が仕事やキャリアのことなど、いろいろと相談に応じてくれるのです。
保険の販売は専門的なことも多いので初めのうちは不安なことがありましたが、営業所長やメンター、同僚にいろいろ相談できることが心強いですね。
ただ、やっぱり自分で努力して勉強はしなくてはいけないことも多いです。私自身も「“被保険者”って何?」っていうところからこの仕事を始めましたから(笑)
でも、全てお金に関わることですし、自分の人生に役立つスキルを身に付けながら働けるというのは、一石二鳥だと思いますね。
――お給料以外にも得られるものがあるということですね。
はい。ただ単に稼ぐための仕事、というわけではないのがこの仕事の魅力。お客さまから感謝されたときの喜びだったり、会社に貢献できたときの充実感だったり、目に見えないものもいっぱいあると思うのです。
専業主婦だった時の自分はすごく小さい世界にいたので、いまこうしていろいろな人と触れ合い、学べる環境があることがすごくうれしいのです。こうして考えると、仕事からたくさんのものを得ているなぁと改めて思いますね。
何気ない会話の中に、提案のヒントがある
――働きやすさの面では、いかがでしょうか?
男性・女性関係なく、仕事と家庭のバランスを大切にできる仕事だと思います。
今年の2月に娘の中学受験があったのですが、中学受験のサポートって本当に大変で……。この仕事でなければ乗り越えられなかったのではないかな、と思います。
自分の裁量で時間をつくれるおかげで、仕事と子育て・家事の両立ができました。
――逆に、自由な働き方ができる分、ご自身が気を付けていることはありますか?
やはり、自分に甘くなり過ぎないこと、でしょうか。自分で自分を律することを心掛けています。
――最近は、新型コロナウイルス感染拡大によってさまざまなビジネスに影響が出ています。ACの皆さんの働き方も変わってきていますか?
今は対面での営業は厳しい状況が続いているので、郵送での対応やお電話でのご説明を丁寧に行っています。顔と顔を合わせてお話できないからこそ、保険の話ばかりをしないように意識していますね。
――それはどうしてですか?

私たちの仕事は、お客さまにとって本当に必要なものが何なのか、を汲み取ることが大事ですが、実は何気ない会話の中にたくさんヒントが隠れていると思うのです。
「在宅勤務ではどんな工夫をされているのですか」「コロナ禍で外出できない中、どうやって楽しみを見つけているのですか」など、保険とは全く関係のない会話の中で、少しずつお客さまのことが見えてくる。
保険の話は3割くらいで、あとは普段のコミュニケーションを大切にしています。
――まさに、人生経験が生かせるポイントでもありますね。今後、Mさんはどのようなキャリアを歩みたいとお考えですか?
この仕事は、全国どこでもできる仕事です。家族が転勤族なので、しばらくしたら引っ越しをする可能性もあるのですが、他の拠点に移ったとしても歓迎されるよう、出来る限りスキルアップしていきたいなと思っています。
たくさん学んで、たくさんのお客さまとつながって、ご縁を大切にして働いていきたいです。
取材・文/太田 冴 撮影/赤松洋太
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