16 FEB/2021

コロナ禍にキャリア見つめ直す女性増加。2021年、企業の採用活動の特徴は?

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コロナ禍で「キャリアを見つめ直したい」女性が増えています。

私が共同代表をしているWaris(ワリス)では「Warisキャリアエール」という女性向けのオンラインキャリア相談サービスを展開していますが、前年同期比でご利用者が2倍以上に増えています。

Warisキャリアエール

会社員の方の利用が6割以上で、年代は30代・40代の方が中心です。

「今のままの働き方でいいのだろうか?」
「今のままの会社でいいのだろうか?」

ご相談の特徴としては、こうした本質的な問いに直面している方が多いようです。

では、対する企業側の動きはどうでしょうか?

田中美和

【この記事を書いた人】
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和

大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事

二度目の緊急事態宣言による影響は「ほとんどなし」

現在、10都府県に二度目の緊急事態宣言が発出されていますが、私たちが普段お付き合いしているほとんどの企業では採用活動に影響は出ていないのが実情。この点は、昨年の緊急事態宣言時と大きく異なるポイントです。

昨年の場合は初めての事態にとまどわれる企業が多く、採用活動の凍結や縮小など影響は決して少なくありませんでした。

やはり二度目であること、前回の緊急事態宣言解除から半年以上の期間が空いていたことなどもあり、企業側も採用活動を円滑に行うことに対して十分な準備期間があったようです。

先行き不透明ではあるけれども、だからといって今後の事業運営のことも考えると採用活動自体はゆるめない……そんな企業が大勢を占めています。

採用状況

私たちの会社はITベンチャーのお客さまが比較的多いのですが、法人向けのオンライン事業を手掛けている会社などは、コロナ禍でリモートワークが広まったことで法人客からの需要が増し、むしろ業績好調に転じていらっしゃる会社もあります。

そういった会社は採用活動にも非常に積極的です。

増えるリモート採用&リモートOKの仕事

コロナ禍の採用活動の最も大きな特徴が「リモート採用」ではないでしょうか。

最近では採用活動にあたっての面談もほぼリモートで実施されています。また、これはあくまで肌感覚の話ですが、実際にお仕事をする場合も「リモートOK」の場合が全体の8割近くに達しているように感じます。

ただ、「リモートOK」と言っても、もともとリモートワークOKの会社と、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてのあくまで一時的措置としてリモートワークを容認している会社があります。

仕事選びの際にリモートワークを重視するのであれば、その会社がどういう意図や体制でリモートワークを取り入れているのか確認された方がよいかもしれません。

リモートワーク

リモートワークは時間・場所の自由度が高く、魅力的な働き方ではあるのですが、決してバラ色というわけでもありません。

実際に仕事を始めてから、チャットなどのテキストコミュニケーションが中心になることで情報共有に難しさを感じたり、なかなか思うような成果発揮につながらなかったりするケースもあります。

リモートワークで成果発揮するためには個人側にも高い自律性が求められますし企業側にもリモートワークで人材を活かすスキルが求められます。そういう意味ではまだまだ発展途上な部分も大きいのではないでしょうか。

採用ニーズの高い仕事は?「オンライン」「デジタル」がキーワード

実際にニーズの強い仕事内容に関しても「オンライン」や「デジタル」がキーワードです。

コロナ禍を受けて企業がオンラインを全般的に強化してきています。このためデジタルマーケティング(Webマーケティング)やデジタルメディアを活用した発信に知見のあるPR経験者、Webサイトの企画・デザインができる人、ECサイトの立ち上げ・運用の経験がある人などに注目が集まっています。

Webマーケティングなど

また、私たちの会社はインサイドセールスのBPOサービスも手掛けているのですが、こちらもコロナ禍で問い合わせが増えています。コロナ禍の影響で企業各社の営業活動がオンライン化しているため、その部分をアウトソースしたいニーズがあるのです。

人事関係もニーズが強い分野です。リモートワークを取り入れるにあたっての就業規則改定や評価制度の再検討など、知見のある人にプロジェクト的にかかわってほしいといった企業側の要望があります。

ビジネス系職種の副業は、日中の動きがポイント

さらに、コロナ禍の特徴の一つとして、副業に関する認知向上が挙げられます。個人側はリモートワークの影響で時間の自由度が高まり、副業志向が明らかに強くなっています。

一方で、企業側でも副業人材の登用に対する認知が高まり、内容によっては副業で優秀な方にお願いしたいという話があります。メディアでも、誰もが知っている大企業や自治体が副業人材を募集するという類のニュースを目にする機会が増えましたね。

しかしながら、営業・広報・マーケティング・人事などのビジネス系職種での副業ですと当該チームとの日中のやりとりもそれなりに発生するため、日中どれだけ自由に動ける時間を確保できるかが副業の仕事獲得ともつながってきます。

もちろん、タスク型業務など隙間時間でできるものやそうした仕事を仲介する事業者もあるので、副業でご自身のやりたいことや、実際に使える時間数や時間帯を考慮した上でぜひ挑戦していただければと思います。

副業

今回はあくまで私のかかわる範囲から見えることではありますが、コロナ禍での採用トレンドをお伝えしてきました。

いかがでしたでしょうか? 前回の緊急事態宣言時とは異なり、採用活動そのものに大きな影響は出ていませんし、むしろ積極的に採用活動を行っている企業もあります。

また、リモートで面談から採用までの一連の流れが確立されてきたのは、効率性を考えると個人側にも多くのメリットがあります。リモートOKの仕事が増えているのも朗報ですね。

ご自身の「やりたいこと」を見つめ直した上で、新たな環境に挑戦したいということであればぜひ臆せず一歩を踏み出していただけたらうれしいです。