01 MAR/2021

「女性エンジニアのキャリアのお悩み相談室」開催レポート【Woman type×Code Polaris 大平かづみ・ちょまど・松井菜穂子】

イベントレポート

いまだ女性比率が少ないエンジニアの世界。同性のロールモデルが少ないことから、将来のキャリアビジョンが描けず「このまま長く働いていけるのだろうか」と不安を抱えている女性エンジニアは多いのではないでしょうか。

そこで、『Woman type』では、2月15日(月)にオンラインイベント「女性エンジニアのキャリアのお悩み相談室」を開催しました。

女性エンジニア限定の技術コミュニティー『Code Polaris(コード ポラリス)』の立ち上げメンバーである大平かづみさん、千代田まどか(ちょまど)さん、松井菜穂子さんの3名をゲストに迎え、女性エンジニアが自分らしいキャリアを築いていくための秘訣をたっぷりお話いただきました。

<ゲストプロフィール>

大平かづみさん

Code Polaris代表
大平かづみさん

フリーランスエンジニア。SIerに組込エンジニアとして新卒入社したのち、その後はウェブ、クラウドの世界へ。数度の転職を経て、2019年に独立。マイクロソフト社が優れた技術者を表彰する「Microsoft MVP for Microsoft Azure」の受賞実績を持つ
Twitter:@dz_

ちょまどさん

千代田まどか(ちょまど)さん

エンジニア兼漫画家。大手外資系IT企業のインターナショナルチームでCloud Developer Advocateとして勤務。漫画家としての活動は『マンガでわかる外国人との働き方』(共著)や内閣サイバーセキュリティセンター『みんなで叶えるためのサイバーセキュリティパンフレット』の漫画部分など。ツイッターではインフルエンサーとしても活躍し、フォロワーは8万人を超える
Twitter:@chomado
ブログ:千代田まどか (ちょまど) のブログ『ちょまど帳』

松井菜穂子さん

松井菜穂子さん

新卒でITコンサル系企業にエンジニアとして入社。その後、複数の企業でエンジニアリングに従事したのち独立し、Web制作を受託。2018年5月にZOZOテクノロジーズに入社してからは、フロントエンドをメインに活躍する。現在はkulala Inc. CTO
Twitter:@nahokomatsui

キャリア不安1位は、給与や昇進ではなく“技術面”

本イベント開催に先立って、Woman typeでは女性エンジニア約100名にアンケート調査を実施。

「今後のキャリアで不安なことは?」という質問では、給料や昇進に関する項目を抑え、「最新技術をキャッチアップし続けられるか」という技術面への不安が1位という結果になりました。

今後のキャリアで不安なこと

「子育て中は自分の時間がないからこそ、ブランクが不安」「男女問わず、最新技術へのキャッチアップに課題を持っているはず」などの声が寄せられました。

女性エンジニアイベント

続いて、ゲスト3名に「どのように技術を学んできたか?」と問うと、大平さん・ちょまどさんは口を揃えて「アウトプットが大事!」と回答。

ちょまどさんは、新卒で入社した会社を3カ月で退職後、すぐに転職できた経験を振り返りつつ、その理由を「ブログやツイッターでアウトプットをしていたから」と語りました。

「技術記事をブログに書こうと思うと、間違えたことを書くわけにはいかないという気持ちで一生懸命勉強する。それが学びにつながるんです」(ちょまどさん)。

大平さんからは「完璧主義になりすぎないことが大事。分からないものは分からない、でいいから、尻込みせずにどんどんアウトプットをした方がいい」という言葉も。

その心強い言葉に、参加者からは「私もアウトプット頑張ろうって思った!」という声が寄せられました。

女性限定コミュニティだからこそ得られる安心感がある

20代女性の半数以上が「結婚・出産後も仕事を続けられるか」という悩みを抱えていることに対しては、Code PolarisメンバーのSlackにある“子育てチャンネル”が話題にあがりました。

エンジニアとして働きながら子育てをしている女性メンバーや現在妊娠中のいわゆる “プレママ” のメンバーが、子育てグッズや子育てノウハウなどの様々な情報を交換しているとのこと。

女性エンジニアイベント

「社内に同性の同僚がいなくても、Code Polarisにはたくさんの仲間がいる。それだけで安心感が得られるはず」(大平さん)。

ちょまどさんも「私もいつかは子育てしたい。子育てチャンネルで、バッチリ予習をしています!(笑)」と語り、笑いに包まれる場面もありました。

キャリア選択は「好き」「得意」を大切に

順風満帆にキャリアを築いてきたように見えるゲストの3名も、キャリアに悩んだ時期があったそう。

まずは、女子大の文系学部を卒業してエンジニアになったというちょまどさん。

「当時は、すごい実力を持った“つよつよエンジニア”の方々と、対してへっぽこな自分を比べて、自信を失ってしまいました。文系だったからプログラミングの話のできる人が周囲にいなくて、観測できるのがネット上のつよつよな方々だけだったので、比べて自信がガリガリ削られていました。

でも、他人と比べるのを辞め、自分は好きなことをやっているんだからそれでいいや! 私はプログラミングやコンピュータが大好きだから、”好き” を続けて楽しもう! と思ったら、楽になったんです」

そう、コンプレックスを乗り越えた経験を語りました。

また、大平さん・ちょまどさんとは対照的に、アウトプットや自己アピールが苦手であることに悩んだという松井さんは「自分が得意なことを頑張ることが使命なんだ!」と前向きに切り替えたことで、プロダクト作りにコミットする現在のキャリアに繋がっている、と語ってくれました。

先人の経験を大いに活かして、自分を輝かせるためのキャリア形成を!

イベント終盤では、参加者からの質疑応答も実施。「伸ばすべきスキルはどう決めればいい?」「キャリアプランはどの程度はっきり決めるべきもの?」など、リアルな疑問が多数寄せられました。

女性エンジニアイベント

30代前半女性からの「事務職からエンジニアに転職をするのは可能か?」との質問には、松井さんが「エンジニアは、他の業種に比べて経験年数に関わらず活躍できる機会が多い。未経験でも他の領域の知見と合わせれば、十分自分の強みを出せるはず」と力強く回答してくれました。

まだまだ女性が少ないエンジニアの世界。ですが、Code Polarisのようなコミュニティの誕生によって、女性エンジニアを取り巻く環境も変化しつつあります。

「私たちが経験したような苦しい思いを、皆さんがもう一度経験する必要はありません。みんなで助け合いながら、自分を輝かせるためのキャリアを築いていってほしい。Code Polarisではそのためのお手伝いをしていきたいです」と語る大平さんの言葉で、イベントは締め括られました。

エンジニアとして働く女性、エンジニアを目指す女性が、自分らしい仕事・働き方と出会えるよう、Woman typeも全力で応援していききます。

今後も、さまざまなイベントや情報発信をご期待ください!

取材・文/太田 冴

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