働く女性の7割が在宅勤務を希望するも6割が出社の現実。「緊急事態宣言」解除後の働き方の変化を調査

長引くコロナ禍。大阪などで過去最高最多の感染者数を記録するなど、“第4波”といわれる感染拡大が広がっています。また緊急事態宣言が出るのか……そうなれば仕事はどうなるのか……不安な気持ちでいる人も多いと思いのではないでしょうか?

そこで今回は20~30代の働く女性100名に、前回(2021年1月~)の「緊急事態宣言」が仕事に与えた影響についてアンケートを実施しました。

※このアンケートは2021年3月18日~24日に取得した内容です

Q.1 前回(2021年1月~)の緊急事態宣言が解除されたタイミングについて、どう思いますか?

1都3県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の緊急事態宣言のタイミングについて、率直にどう感じていますか?

約4割の女性が「まだ解除すべきではない」と感じたと回答しています。実際、宣言解除後は感染拡大が再び広がっており、時期尚早だったのではないかと考える人が多いようです。

また、それぞれ回答理由も聞いてみました。

まだ解除すべきではないと思う

・都の感染者数もまた増えてきている今の状況での解除は諦めのように思えて、人の考え方や行動に悪影響になってしまわないかと心配(32歳/医療事務)

・対策なしで解除しても意味がないから(36歳/事務)

・変異種が増加してきているため。感染者数がまだ多いため(36歳/一般事務)

・検査数を大幅に減少させての感染者数減だし、変異ウイルスもはやっているし、お花見や歓送迎会などのシーズンで飲み歩く人が増える時期だから(37歳/一般事務)

・まだ完全に無くなったわけじゃないしワクチンも普及していないから(20歳/販売)

・3月いっぱいはお花見や異動などで人が動く時期なので宣言を月末まで延長した方がいいと思う。一度医療従事者の方たちの力を抜かせてあげてほしい(36歳/営業事務)

・感染者がまた増えつつあり、これからお花見や歓送迎会などのイベントも緊急事態宣言が解除されたことによってやる人が増えそうだから(27歳/福祉職)

適切なタイミングだと思う

・自分の生活にあまり関係がないので、よく分からないですが、飲食店などは、そろそろ限界だと思うので、解除していいと思います(36歳/販売サービス)

・感染者と経済のバランスを見て緩和を繰り返していくべき(35歳/一般事務)

・複数のサービス業が困り果てていたから仕方がないことだと思う(30歳/一般事務)

・だらだらと緊急事態宣言を延長するより、根本的な原因の排除を行い、経済を立て直すべきと思うから(25歳/営業)

・暖かくなり湿度も上がってきて感染者数が減ってきているので、経済の状態を考えると解除するべき時期にきていると感じる(38歳/一般事務)

・これ以上、緊急事態宣言を延長させても何も効果がないと思う。人は動いているし、保証はないので(27歳/営業事務)

もっと早くに解除すべきだったと思う

・長引かせても効果が薄いと思うので(20歳/事務)

・解除してもしなくても感染者数は変わらないから(34歳/商品企画)

・偏った業種が経済的ダメージを受けている。緊急事態宣言以外の対処が必要だと思う。宣言が出てようが外は人で溢れている(28歳/事務)

・緊急事態宣言の発令や解除に関しての情報が曖昧で、この1年間何をしていたのという感じ。こんな曖昧だったら最初からしないほうがいい(32歳/品質管理)

・もうみんな緊急事態宣言にも慣れてしまった感じがあり、どこも混雑している。その中で飲食店などは休業になったりしていてかわいそうだと思う(27歳/一般事務)

わからない

・感染者数が硬直状態にあるので、解除したらまた感染者数が増えるだろうとは思います。ただ、経済的に厳しい方もいらっしゃるとは考えています。(飲食店は特に)安全的には「まだ解除すべきではないと思う」、経済的には「もっと早くに解除すべきだったと思う」と考えているのが正直なところです(27歳/エンジニア)

・ここまで引き伸ばしても何も変わらないし、もう緊急事態といっても効果はない(32歳/不動産事務)

・宣言の意義は病床逼迫の緩和だが、そもそも、病床数が少な過ぎるため、制限をかけるのも大事だが、ベッド数を増やすことも同時に行うべきだと思っているから(35歳/一般事務)

・解除してもしなくても、あまり生活は変わらないので。ただ解除した事により、感染者数は増えると思います(37歳/インサイドセール)

・何の案もなく延長されていただけのように思うので、都内も人が多くあまり意味がないように感じていたから。ただ、変異ウイルスが心配なので、解除後も心配(28歳/一般事務)

中には、緊急事態宣言の効果を疑問視する意見や、経済のことを考えると宣言解除もやむを得ない………という声も。医療従事者やサービス業への影響を心配する声も多く見られました。

では、緊急事態宣言の解除は、働く女性たちの仕事にはどのような影響を与えたのでしょうか?

Q.2 緊急事態宣言の解除によって、あなたの仕事には影響がありますか?

緊急事態宣言の解除によって、あなたの仕事には影響がありますか?

意外にも、影響がないと回答した人が約6割という結果に。少数派ながら、影響があると回答した人には、どんな変化があったのでしょうか?

仕事が増える・忙しくなる

・飲食関係の事務をしているので、解除されればやる事が増え、忙しくなります(20歳/営業事務)

・旅行業なので、旅行の問い合わせが増える(34歳/商品企画)

・宣言延長によりキャンセルとなった外での取材ができるようになります。宣言延長により企画そのものがなくなってしまったものもあったので、感染対策に気を付けながら新たに企画が始動できるようになります(39歳/Webデザイナー・ライター)

・職場の営業時間が元に戻る(38歳/パーソナルトレーナー)

・シフトが増えてしまいます(37歳/事務)

働き方が変わる

・完全リモートワークから週に何度かは出勤する働き方になります(27歳/エンジニア)

・緊急事態宣言が出ていると在宅勤務ができるが、解除されると在宅勤務禁止になる(27歳/一般事務)

・緊急事態宣言中は在宅ワークがメインなので、出社することになると思います(29歳/一般事務)

・週に1回在宅勤務だったのがなくなり、毎日出勤しなければならない(27歳/福祉職)

収入・利益が増える

・旅行や出張など人の移動に関わる事業のため、会社の収益がかかっています(27歳/サービス業)

・観光客向けへのサービスがメインではあるので、売り上げがかなり下がりました(27歳/営業)

・委託業務での仕事ですが、3月上旬からストップ。収入が全くなくなってしまった(37歳/自営業)

緊急事態宣言の解除により、「勤務日数や勤務時間が増える」という声や、それに伴って「収入や収益の増加が見込める」という意見が目立ちました。

また、「リモートワークメインから出社メインに変わる」という声もちらほら。宣言解除によって、女性たちの働き方にはどのような変化があったのでしょうか。宣言解除による在宅勤務の可否・頻度の変化を聞きました。

Q.3  緊急事態宣言発令中と解除後の働き方(在宅勤務の可否・頻度)についてお教えください

▼緊急事態宣言の発令中

緊急事態宣言発令中と解除後の働き方についてお教えください

▼緊急事態宣言の解除後

緊急事態宣言発令中と解除後の働き方についてお教えください

「在宅と出勤が半々」の割合は緊急事態宣言発令中・解除後であまり変化は見られませんが、「基本的には在宅勤務」の割合については、解除後では約半数に減少。圧倒的に出勤して働く人が多くなっています。

在宅勤務が浸透したとはよく言われるものの、実際には、リモートワークを緊急時の措置としてしか取り入れない企業がまだまだ多いようです。

では、このような現状について、女性たちはどう感じているのでしょうか? 在宅勤務、出社、在宅と出社半々など、本音ではどんな働き方を望んでいるのか聞いてみました。

Q.4  あなたの理想の働き方(在宅・出社など)についてお教えください

あなたの理想の働き方についてお教えください

「基本的には在宅勤務」(41%)を希望する人が一番多く、「在宅勤務と出社が半々」(25%)を選択した人と合計すると、実に約7割の女性が在宅勤務を取り入れた働き方を望んでいることが分かります。

良くも悪くも働き方改革を推し進めるきっかけとなったコロナ禍。まだしばらく安心できない日々は続いていきそうですが、ステイホームの時間が増えた今だからこそ、将来理想とする生き方・働き方をじっくり考える期間とするのもよいかもしれませんね。

文/赤池沙希


【アンケート調査概要】
●調査方法:20~39歳の女性へのWebアンケート(クラウドワークスにて)
●調査期間:2021年3月18日~3月24日
●有効回答者数:100名