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JUL/2021

29歳でスタートアップ転職、ハードワークでも「幸せに働く」叶えられた唯一の条件【オア明奈さんのベストバランス】

仕事・収入・幸福度の相関関係は?
私のベストバランス

仕事が楽しければ、収入が低くても幸せ? 収入が高ければ、忙しくても幸せ? 幸せに働く「ベストバランス」は、意外と分からないもの。そこで、さまざまなキャリアの転機を経験してきた女性たちにインタビュー。仕事・収入・幸福度の相関関係について調べてみました!

安定した収入を捨てても、「やりたいこと」を仕事にすべき……? そんな悩みを抱いたことがある人は、多いかもしれないかもしれない。

「人生を祝うプロデューサー」として活動するオア明奈さんも、その一人。20代後半、順調なキャリアの中で何を仕事にすべきか、どう働いていくか、迷った時期があったという。

オア明奈 人生を祝うプロデューサー

人生を祝うプロデューサー
オア明奈さん

2008年中小企業支援のコンサルティングファームに入社。経営コンサルタントとしてフランチャイズ加盟店支援と新規事業開発を担当。2015年株式会社CRAZYに参画。オーダーメイドウェディング『CRAZY WEDDING』エグゼクティブプロデューサー、法人向けお祝い事業『CRAZY CELEBRATION AGENCY』創業を経て、2020年に独立。現在は、人が自分の人生を肯定できる祝いの場や空間をさまざまな形でプロデュースしている。米ザッポス社発の企業・組織文化開発プログラム「Delivering Happiness 」コーチサルタントも務める。2021年に初の著書「人生肯定」をクラウドファンディングを通じて出版。
Twitter:@akinaorr919 Instagram:akinaorr

オアさんは、中小企業支援のコンサルティングファームに新卒入社して7年間働いた後、オーダーメイドウェディングなどを手掛ける株式会社CRAZYに転職している。同社でプランナーや新規事業の責任者などのポジションを経て、現在は独立を果たした。

新卒時代からがむしゃらに働き、休職や転職、プライベートでは国際結婚も経験し、自分のベストバランスを模索してきたオアさん。幸せを左右するのは忙しさでも収入でもなく「自分自身の納得感」だと力強く語る、その理由とは?

一目惚れの入社。給与を知らずに飛び込んだ、スタートアップの世界

就職してから現在までのオアさんのキャリアの転機・年収の増減・幸福度の変化

就職してから現在までのオアさんのキャリアの転機・年収の増減・幸福度の変化

――新卒時代の就活では、どんな基準で仕事や職場を選びましたか?

一社目で重視したのは、自立して生きていくための「仕事力」が磨かれる職場か、ということでした。新卒から担当していたのは、当時アメリカから上陸したフィットネスクラブの日本国内での出店を支援する仕事。

足しげく現場に通い、成果を出すための方策を絞り出し、店舗経営者にアドバイスをし、人材を育成し……という感じで、「何でもやる」精神で泥臭く働いていました。

かなりハードワークでしたが、がむしゃらに仕事していたのでしっかり実績を出すことができて。社内でのポジションも収入も、順調に上がっていきました。

――コンサルティングの仕事ということで、同世代と比べたら年収も比較的高かったのでは?

そうですね、初任給も比較的高くて収入は良かったと思います。

成長実感も持ててやりがいも大きかったです。ハードワークがたたって休職した時期もあったのですが、最終的にはマネジメントに近いポジションで仕事をしていました。

――そんな中、CRAZYに転職されています。これはどうして?

オア明奈 人生を祝うプロデューサー

仕事内容も収入も、特に不満はなかったんですが、27歳くらいの時に「このままここで、この仕事を続けていていいのだろうか」と漠然と不安を感じ始めるようになったんです。

そして、ちょうどその頃に出会ったのが、今のパートナー。29歳で彼と国際結婚をしました。共働きなので、家庭の収入は二倍に。これを機に、「自分のやりたいことをやってみよう」という思いが強くなりました。

――やりたいこと、とは?

実は、自分が結婚式をあげるにあたって、CRAZYに相談しに行ったんです。

その時に、「パッケージ化された日本の結婚式文化を変えたい」と語る当時のCRAZYの代表の話を聞いて、直感的に「私がやりたいことはこれだ!」とひらめきました。

ミッションに一目惚れした感じですね。ビビッとくるものがあって、それから3日後。その時働いていた会社に退職届を出しました。

オア明奈 人生を祝うプロデューサー

――運命的な出会いだったのですね。当時のCRAZYは立ち上げ2年目のスタートアップ。給与も福利厚生も、前職には及ばなかったはずですが、気になりませんでしたか?

全く気にしませんでした。入社するまで、自分の給料も知らなかったくらいです。働き始めてから、あ、だいぶ下がったなぁとは思いましたけど(笑)

心の底から自分が共感できる仕事ができることがうれしくて、「年収はいくらくらいになるんですか?」とかそういう基本的な質問すらしなかったんですよ。

蓋を開けてみたら、年収は新卒時代と同じくらいになりました。

――その後、約5年間CRAZYで働いていますが、収入面に変化はありましたか?

入社時から退職時まで、少しは増えましたが、大きくは変わらなかったですね。当時は勤続年数による昇進がなく、創業初期だったこともあって賞与もあったりなかったりでしたから。

でも、スタートアップなのでそれは当然で、会社の成長=自分たちの給与アップ、という風にみんなが考えていました。仲間とともに走り抜けた5年間は、私にとってまさに第二の青春です。

――そんな、大好きな会社を離れて独立されています。その理由は?

退職を決める少し前、体調を崩した時があったんです。環境変化や、ハードワークがたたってしまって……。

自分が完全に壊れてしまう前にはやく手を打とうと思い、三カ月お休みをいただき、ニュージーランドに行きました。そこでニュージーランドに惚れ込んでしまい、いつかここで暮らしたい、と夢見るように。

オア明奈 人生を祝うプロデューサー

結婚式のプランナーは、必ず式の現場にいる必要があるので、リモートワークは難しいと思ったので、場所にとらわれずに働ける仕事をしてみようと考えて独立を決めました。

オア明奈 人生を祝うプロデューサー

ニュージーランドにて

今でも業務委託でCRAZYのお仕事をすることもありますが、フリーランスになってからは、肉体的にも時間的にも比較的余裕を持って仕事をしています。

収入は、独立後に過去最高額になりました。それも、CRAZYで経験を積んだからこそです。

幸福度の決め手は「意味づけ」と「納得感」

就職してから現在までのオアさんのキャリアの転機・年収の増減・幸福度の変化

就職してから現在までのオアさんのキャリアの転機・年収の増減・幸福度の変化

――オアさんは、最も年収が低かったタイミングで幸福度がMAXになっていますね。

本当ですね(笑)。こうして振り返ると、私の幸福度は、年収の多い少ないで左右されるわけではないんだな、と改めて思います。

――何が一番、オアさんの幸福度を左右していると感じますか?

私の場合は、仕事の充実度ですね。

やるべきだと思うことや、使命だと感じられることを、自ら選択できているかどうかです。「私は意思を持って、自らこの仕事に人生を懸けている」と、常に胸を張って言えることが何より大切。

仮にお給料が少し低かろうが、会社に指示された仕事だろうが、自分で意味づけができていれば、私は幸せに働けます。

――それが最もできていたのが、CRAZYで働いている時だった、と。

ええ。当時は常に熱狂していて、プライベートの時間もそっちのけで仕事に打ち込んでいましたね。

ハードワークでも、「やらされている」という感覚は一切なし。会社と自分のミッションが重なる場所で、サービスを成長させることに夢中になっていました。

ただ、30代半ばになって、プライベートの時間を大事にしたい自分も出てきて。未来の出産や子育てのことも考えるようになり、「仕事100%」な生き方を変えたいな、とも思うようにもなりました。

要は、ライフステージが変化して、私の中のベストバランスが変わってきたんです。

オア明奈 人生を祝うプロデューサー

キャリアも収入も「右肩上がり」から降りる時期があっていい

――独立してから年収は過去最高額を叶えています。その理由は?

20代でがむしゃらに仕事をしてきて、ビジネスの基礎力をつけたからこそ、フリーランスでもお仕事をいただけているのかな、と思います。

新卒で入った会社では、経営の何たるかを学び、営業を経験できたことが大きかったです。ビジネスの基本が叩き込まれたからこそ、転職もできるだろう、どうにか生きていけるだろう、という自信もつきました。

CRAZYでは、「理想をカタチにする力」を養うことができて、それは私が仕事を続けていく上での強みになっています。

オリジナルの式をプランニングするには、新郎新婦の理想を聞き、言葉にならない希望をも言語化し、期待をこえるものを提案、実現していく必要があるのですが、この一連の営みはまさにビジネスの基本ですよね。

――ビジネスパーソンとしての基礎、基本を徹底して磨き抜いてきたことが、今の収入や、理想の働き方の実現につながっているんですね。

はい。基礎力がないと、何か新しいことをやろうとしてもなかなかうまくいかないはずなので、20代のうちからとことん仕事をしてきてよかったな、と思いますね。

また、こうして振り返ると、転職したり、休職したり、年収も増えたり減ったり、凸凹な期間を過ごしてきて、その時々で自分がそれをどう感じるのかを実際に知ることができてよかったです。

ずっとキャリアアップを続けて、収入も増やし続けて……っていう世界にいては味わえない感覚もあったと思うので。

――キャリアも人生も、「右肩上がりを続けなければ」と考えてしまう人は多いかもしれませんね。

気持ちはすごく分かります。収入だって、仮に年収500万ある人が、未経験の業界に転職して350万になりますって言われたら、悩むと思うんですよね。年収減は、何となく自分の価値が下がったように感じるから。

でも、そんなことはありません。私もそうですが、一度右肩上がりの状況を崩したことによって、後で大きくジャンプアップする可能性もあります。

それに、その時に自分が「これだ!」と思えることに熱狂して取り組むことができたら、人生はもっと面白く、豊かになるんじゃないでしょうか。

取材・文/太田 冴

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