26歳のアパレル販売員、現年収250万円。キャリアアドバイザーが見る適正年収&収入アップ方法とは?
働けども働けども上がらない給料。これって普通? 私のスキルが足りないだけ? そんな疑問を抱く女性たちの職務経歴書をキャリアアドバイザーが査定。適正年収と今後の年収アップの方法を、職種別に伝授します。さぁ、みんなの仕事の「真実の価格」はいくら?
今回は、26歳・販売職Bさんの適正年収をキャリアアドバイザーが査定。Bさんはアパレル企業に新卒で入社。現在は副店長を務めているという。
Bさんの現年収は250万円。果たして適正年収は? 職務経歴書を見てみよう。
【年齢】26歳 【性別】女性
【学歴】大学卒
【現年収】250万円
【職務要約】
大学卒業後、アパレル企業に3年6か月在籍(現職)。 自社ブランドの店舗にて、接客・顧客対応・在庫管理などの業務に従事。入社2年6か月目より副店長
【担当業務】
■20XX年X月~20XX年X月(2年6か月間)
ポジション:販売スタッフ
接客販売/商品、備品管理/精算業務/クレーム対応/部分レイアウト作成、商品整理/アルバイトスタッフの教育
■20XX年X月~現職(1年間)
ポジション:副店長
接客販売/競合視察/売上管理/店舗全体のレイアウト作成/店舗在庫の調整、管理/新規顧客の獲得/VIP顧客の対応/販促イベントの提案、実施/新入社員教育/クレーム対応
【担当ブランド】
■ブランドA
客層:10代後半~20代女性
価格帯:2,000~8,000円
来客数:40〜120名/1日
■ブランドB
客層:30代以上の女性
価格帯:8,000円~40,000円
来客数:10〜20名/1日
【実績】
・20XX年度 店舗内個人売上額1位
・20XX年 店舗内顧客獲得数、リピート率、個人売上額 1位
・20XX年 店舗売上目標達成(110%)
・新店舗立ち上げを2度経験
年収250万円は業界の平均水準の範囲内。年収アップを目指すなら異業種転職を視野に入れて
現年収:250万円
適正年収:250万円程度
アパレル販売職は、そもそも給与水準が高い職種ではないため、現在のBさんの年収は業界の平均水準の範囲内だと言えます。
そのため、アパレル販売員としての市場価値で見るならば、年収はやや低く思えるかもしれませんが、適正ということになるでしょう。
とはいえ、Bさんの職務経歴書を見ると強みとなるポイントはたくさんあります。3つのポイントに分けて説明しますね。
①売上実績
「店舗内個人売上額1位」、「店舗内顧客獲得数・リピート率・個人売上額1位」など、確かな実績を出しているBさん。販売員としての接客スキルの高さが伺えます。
②複数ブランドでの勤務経験
Bさんは二つのブランドでの勤務経験をお持ちですね。異なる顧客層・価格帯のブランドでしっかりと実績を出しているので、多様な顧客層に向け、柔軟に対応できる販売・接客スキルがあることが推測できます。
特に、30代以上の顧客向け・高単価のブランドで活躍していることから、接遇スキルの高さが読み取れます。
③副店長としての勤務経験
直近の1年間は、副店長として働いているようです。マネジメント経験に加え、売上管理や販促イベントの提案、実施など、幅広い業務を担当していることが分かります。
このように、職務経歴書を見る限り、Bさんはとても高いスキルを持っていることが分かります。
もしも収入アップを目指したいという場合には、これらの経験や培ってきたスキルを生かして、別の業界・職種に転職するという選択肢もあります。
転職で年収アップを目指すなら?
→営業職へのキャリアチェンジで年収100万アップは可能
アパレル業界や販売職でも、平均年収の高い企業は存在するでします。しかし、給与ベースは営業職の方が上回ることが多く、販売職の経験者が営業職にキャリアチェンジする事例もよくあります。
【狙い目の業界・企業】
IT業界や人材業界、Web広告業界など、成長産業を選ぶと良いでしょう。給与水準が高いため、営業経験がなくとも、現年収よりも100万円程度アップした状態からキャリアをスタートできる可能性があります。
企業を選ぶに際には「平均年収」をチェックしてみてください。年収情報は、ハイレイヤーの実績を載せているケースもあれば、社員全体のアベレージを載せているケースもあるので安易に信じてしまわないように。面接時や、エージェント経由で確認するとよいでしょう。
【選考でアピールすべきポイント】
販売職から営業職にキャリアチェンジする際に、面接等で特にアピールすべきポイントは3つ。「具体的な売上実績」「ブランドの客単価」「担当していた業務範囲」です。
■具体的な売上実績
商品やサービスを「売る」という根本は、営業も販売も同じです。販売職としてどの程度の実績を出してきたのか、目標金額に対する達成率や店舗内での売上順位など、具体的な数字でアピールしましょう。
加えて、顧客の「リピーター獲得率」も記載できるとベター。数字での明記が難しい場合には、顧客獲得のためにどのような取り組みをしたのか詳しく職務経歴書に記載しましょう。
■ブランドの客単価
Bさんは客単価が高いブランドでの接客経験をお持ちです。「高額な商品を売るスキル」は、営業としても重宝されます。
客単価に加えて、顧客の年齢層がアピールポイントになることも。高い年齢層への接客経験は、営業職として必要な対人スキルやマナーを判断する要素となります。
■担当していた業務範囲
後輩指導や売上管理は、営業職であっても必要となる業務です。副店長としての業務経験についてしっかり伝えましょう。
今回は、販売職から営業職へのキャリアチェンジを通じて年収を上げる方法を提案しました。ですが、一度の転職がゴールになるわけではありません。
最初の転職で実績を出して営業職としてキャリアアップしていくことも、Web業界の営業職として経験を積んでから、将来的にはアパレル業界のWeb担当者というキャリアを目指すことも可能です。目の前の収入だけでなく、将来どうなりたいか、も考えながらキャリアを選択していきましょう。
≪次回はエンジニアの女性の適正年収を考えていきます≫
取材・文/上野 真理子 編集/秋元 祐香里(編集部)