売れてる人は何が違う?全国トップ3のアパレル店員が実践するオンライン接客&SNSマーケ“神業テク”

アパレル店員 販売テクニック

ECサイトやSNSなど、オンライン経由での売り上げが伸び続けているアパレル業界(参照)。オンライン接客やライブ配信での商品説明、SNSマーケティングなど、販売員の業務範囲はますます広がっている。

そんな中、オンラインツールをどう使いこなせばいいのか、SNS運用をどうやって成果につなげていけばいいのか、悩んでいる販売員も多いかもしれない。

そこでこの記事では、2021年8月に開催された接客技術コンテスト『STAFF OF THE YEAR』で全国1~3位に選ばれた、三人のカリスマ店員の“神業”オンライン・SNS接客テクニックをご紹介しよう。

STAFF OF THE YEAR
村岡美里さん

村岡美里さん(rienda 営業・販売本部)

『STAFF OF THE YEAR』初代グランプリ。2012年バロックジャパンリミテッドに入社し、rienda福岡ソラリアプラザ店に9年勤務した後、21年に営業・販売本部へ異動。現在は販売スタッフのSNS活用に関する教育などに携わる。Instagram(フォロワー数6.3万人)の他、TikTokでも積極的な投稿を行い、現在フォロワー数は3.6万人

なとりかさん

なとりかさん(MOUSSY ルミネ立川店/MOUSSYオフィシャルスタッフ)

『STAFF OF THE YEAR』2位。2011年に株式会社バロックジャパンリミテッドにアルバイトで入社。ルミネ立川店に配属。出産のため一度退職したが、1年後に復帰。17年9月からMOUSSYに当時5人しかいない「オフィシャルスタッフ」に。プライベートな投稿も交えたInstagramのフォロワー数は3.4万人に上る

森川小百合さん

森川小百合さん(mystic 新宿ミロード店 店長)

『STAFF OF THE YEAR』3位。2017年に株式会社パル入社。ルクア大阪店に配属、その後新宿ミロード店に異動。2021年2月に店長に昇格。Instagramでの情報発信に注力しており、現在フォロワー数は10.7万人

『STAFF OF THE YEAR』は、販売員の売上実績に加え、SNSのフォロワー数や、ビデオ通話・ライブ配信での接客技術を競うコンテスト(主催は、店舗スタッフDXアプリ『STAFF START』の開発・提供を行う株式会社バニッシュ・スタンダード)。

最終審査の様子はライブ配信も行われ、ファッション・アパレル関係者で構成された審査員による評価と一般投票によって、グランプリが決定した。

オンラインツールを駆使して高い売上とファンの獲得を実現している彼女たちは、一体どんな神業テクニックを持っているのか?『STAFF OF THE YEAR』初代グランプリを含む上位3名に話を聞いた。

「売れるオンライン接客」五つの神業

【『STAFF OF THE YEAR』1位・村岡美里さんの神業】
①インスタのライブ配信は、「丁寧回答」にこだわる

村岡さん

私が力を入れているのは、Instagramのライブ配信。

オンラインでのコミュニケーションって難しいでしょ? とよく聞かれるんですが、全然そんなことなくて。

むしろ、面と向かっては聞きにくいような質問も、配信のコメントにはたくさん寄せられるんですよ。

村岡さん

例えば「胸が大きいことが強調されないトップスはありますか?」とか「低身長で太っていても似合うスカートはどれですか?」とか。

悩みが具体的な分、一つ一つ丁寧に回答し、具体的な提案をするように心掛けています。

②語彙力を磨き、服の色味や素材感を「的確に」言葉で表現する

村岡さん

インスタライブやSNSに投稿した写真は、照明の具合で実際の色味や素材感が正しく伝わらない時があります。

なので、そこは販売員が自分の言葉で説明し、お客さまがその商品を購入したときに「思った通り素敵」と感じられるようにしなければいけません。

そこで、色味についてはスタッフ同士で「どう説明するのが的確か」を話し合い、認識を合わせ、正しく伝わる表現を探します。

村岡さん

色味だけでなく素材感も同じ。例えば、艶のあるスカートなら「ミラーっぽい、反射する感じ」といったように、どんな艶なのかまで言葉で説明するようにしています。

お客さまが実際にお洋服を手に取ってみる機会が減っているからこそ、販売員は語彙力を磨いて商品のことを正しく伝えていかないとな、と思っています。

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【『STAFF OF THE YEAR』2位・なとりかさんの神業】
③お客さまのクローゼットを拝見!手持ちの服を生かす“できそうコーデ”を提案する

なとりかさん

私は普段、自分のSNSアカウントで希望者を募って、抽選に当選したお客さまを対象にビデオ通話で一対一の接客を行っています。

やっているのは、手持ち服を生かした旬のコーディネートのご提案です。

なとりかさん

まずは、お客さまにクローゼットの中を見せてもらうんです。これはオンラインだからこそできるテクニックで、お客さまのクローゼットを見れば普段どんなお洋服を着ているのか、どんなテイストが好きなのか、一目瞭然。

「そのニットと合わせるには、新作のこのパンツがオススメですよ」とか、お客さまの手持ち服を生かすコーディネートを提案していきます。

「これならすぐできそう」と思えるコーディネートをおすすめするのがポイントですね。

④SNSは「商品PR」だけではなく「自己PR」のツールとして活用

なとりかさん

いつか店舗に足を運んでいただいたときに「この人に接客してもらいたい」と思ってもらうためにも、SNSはお客さまに私のことを知ってもらう場所だと思って運用しています。

ブランドや洋服のことだけでなく、私生活の様子や子どもとの写真も投稿することで、私自身にも興味を持っていただけたらいいな、って。

実際、「SNSを見て、なとりかさんとお話ししたいと思って来ました」と伝えてくださった方もいるんですよ。

なとりかさん

「なとりかと会いたい」と思ってくださる方を増やしていくためにも、SNSへの投稿はもちろん、コメントへのお返事も大切にしていきたいですね。

たくさんコメントをいただくので大変ではあるのですが「これくらいの身長に似合うコーディネートは?」など、細かい質問にもできる限り答えるようにしています。

直接会っているわけではなくても、そういった言葉のやりとりを通じて距離を縮めていくことはできると思うので。誠実さを伝えることにもつながるはずですよ。

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【『STAFF OF THE YEAR』3位・森川小百合さんの神業】
⑤SNSの写真投稿は、「アイテムが日常に溶け込んでいる風景」を見せる

森川さん

私がSNSに写真を投稿するときのこだわりは、ただアイテム紹介をするのではなく、なるべく「日常の中でどんなふうに使えるのか」までイメージできるようなビジュアルにすること。

例えば、実際にブランドのアイテムを身に付けた写真に「〇〇に行きました」などのコメントを添えてアップしています。

森川さん

コロナ禍で外出する機会も減って、お客さまは「本当に自分の暮らしに必要なもの」「これは長く使える」と感じるものだけを求めるようになりました。

なので、SNSを通じてそのアイテムが日常でどう生かされるのか、どんなシーンに適したアイテムなのかを伝えていくことがポイントです。

森川さん

SNSにもいろんな種類がありますが、日常風景を見せるならInstagramがおすすめ。

一方、そのまま購入につながるアプリ内での写真なら、素材感やシルエットが伝わるようにいろんな角度から撮影した写真を何枚も載せた方がいいですよ。SNSの特性を生かして使い分けるのがベストです。

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これからの販売員に求められるもの

オンライン接客やライブ配信、SNSでの情報発信に関するテクニックを明かしてくれた三人。

村岡さんは上記の他にも、最近ではTikTokへの動画投稿に注力しているという。

しかし、新たなSNSに挑戦することに対し、迷いや葛藤もあったのだとか。

村岡さん

正直、最初はTikTokを始めることに抵抗もあったんです。TikTokは『踊ってみた』動画が主流のSNSなので、私には向かないんじゃないか、って。

でも、自分なりに挑戦してみようと思って取り組んだ結果、今では私がやっているSNSの中でTikTokの動画の再生回数が一番多いんですよ。

村岡さん

SNSも、接客スタイルも、トレンドはどんどん変わっていきます。そのことを、このコロナ禍で再確認しました。だからこそ、先入観を持たずにいろんなことに取り組む姿勢を大事にしていきたいですね。

村岡さん同様、なとりかさんもSNSに注力する中で新たな発見があったと語る。

なとりかさん

最初の緊急事態宣言が発令された頃は、もう店舗は必要なくなっちゃうのかも、とも思いました。でも、自粛が緩和されると「なとりかさんに会いたかった」と言って足を運んでくださるお客さまもいて。

そこで、どんな状況でも「会いたい」と思ってもらえるスタッフになりたいと思ったんです。

なとりかさん

今回お話しした通り、SNSはアパレル店員にとって大切なツールです。でも、SNS上だけでキラキラした自分を装ったって意味がない

実際に会いに来てもらったときにがっかりさせない私でいるために、ちゃんと自分磨きをしていくことが大切なんです。

だから私はこれからも、子どもや仕事仲間との時間も大切に過ごすことで自分を磨いて、SNSでもリアルでも『素敵な自分』でいられるように努力していきたいと思います。

最後に森川さんが、オンライン時代だからこそ大切にしたい「店舗での接客するときの心掛け」について教えてくれた。

森川さん

ECショップでお買い物されるお客さまも増えましたが、まだまだ「実物を見て買いたい」「Webで買ったらイメージと違った」という方も多くいらっしゃる。

そういうお客さまは、私たち販売員と「一緒にアイテムを選ぶこと」に価値を感じてくださっています。

そんなお客さまの気持ちに応えるためにも、「絶対に全員素敵にする!」という姿勢で店舗に立ち続けたいですね。

オンラインツールを使うだけでなく、自分なりの工夫を凝らしながら成果を出し続けている村岡さん、なとりかさん、森川さん。彼女たちの言葉は、具体的なテクニックだけでなく、「顧客の期待に応えるために、自身のスキルや人間性を磨き続けていくこと」が何よりも大切であることを教えてくれた。

取材・文/キャベトンコ 編集/栗原千明(編集部)、秋元祐香里(編集部)

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