空港グランドスタッフから事務職へ。就活の後悔をバネに挑んだ新卒3年目・25歳の“リベンジ転職”
この連載では、さまざまな働く女性たちが「なぜ今の仕事を選んだのか」にフォーカス。自分と同世代の女性たちの仕事観をのぞき、自分の目指すキャリアを明確にするための材料にしてみよう!
「私、このままでいいのかな……」
空港のグランドスタッフとして働いていた池田彩さん(当時25歳・仮名)は、自分の将来に不安を抱えていた。

新卒で航空会社に入社したのは、偶然。学生時代の就職活動で最初に得られた内定が「ここだった」という理由だ。
何となくで入社を決めた会社、忙しい毎日……「航空業界で働きたい」という夢をかなえて仕事に熱を注ぐ同期に囲まれ、次第に気遅れするように。池田さんは、成長を求めて新しい職場を探し始めた。
そこで出会ったのが、総務業務を中心としたアウトソーシングサービスを法人向けに展開するコクヨアンドパートナーズだ。
現在、池田さんは同社で“事務のプロフェッショナル”として、大手電機メーカーのバックオフィス業務を担うチームで働いている。
なぜ、現在の仕事・職場を選んだのだろうか。池田さんの“シゴトジャッジ”について聞いた。
池田 彩さん(仮名)
大学卒業後、新卒で航空会社に入社。国内線の空港グランドスタッフとして約3年勤務。2018年10月にコクヨアンドパートナーズに入社し、大手電子機器メーカー内のコンシェルジュチームの立ち上げに参画。19年4月よりチームのリーダーを務めている
「私、一生このまま?」成長実感のない日々に、募る不安
たまたま内定が出た航空会社に就職し、これといって「やりたいこと」も「成長実感」も持てないまま、約3年が過ぎた。
搭乗者の対応に追われているうちに、瞬く間に時間が過ぎていく。早番、遅番が入り乱れる不規則なシフト勤務が続く。だんだん「心身ともにすり減っていった」と池田さんは話す。

「気付けば20代も折り返し。自分は一体何をやっているのかと虚無感に襲われるようになりました。ここにい続けたら、私は一生このままなの……? そんな焦りが押し寄せてきたんです」
仕事は山ほどあるが、目の前の業務をこなすことで精一杯。「手に職」と呼べるようなスキルが磨かれている実感が持てないことも、不安の種だった。
「今思えば、『何となく』で決めてしまった仕事だから、身が入らなかったのかもしれません。今度はスキルアップすることに熱中できるような長く続けられる仕事を見つけなきゃ、と思い直しました」
「手に職」×「働きやすさ」で選んだ事務の仕事
就職活動の反省を生かし、仕事・職場選びの軸を自分なりに決めることにした。
そこで思いついたのが、
・手に職が付く仕事
・長く働ける会社
この二つの条件だ。
当時の職場で感じていた“キャリア不安”をすっきり解消できる仕事・職場を探し始めた。
どんな仕事なら「手に職」が付くか。営業職やエンジニアなど、さまざまな職種を検討したものの、「長く続けていけるか?」と自問すると、どうもイメージが湧かない。
次第に池田さんは、事務職へのキャリアチェンジを考えるようになった。

「総務、経理、営業アシスタントなど、事務系の仕事は、どんな会社にもありますよね。なので、事務職としてスキルを磨けば、これから仕事に困ることはないはずだし、自分の『手に職』になる。そう思ったんです」
事務に職種を絞って企業を探していく中で出会ったのが、コクヨアンドパートナーズだった。池田さん自身もよく知る大手企業との取引実績が多く、「安定感のある会社で、ここなら長く働けそうだ」と思ったという。
また、同社ならではの働き方も、魅力を感じたポイントだった。
「コクヨアンドパートナーズの事務は、取引先での常駐勤務です。そのため、仕事の内容や就業条件も、どの取引先の担当になるかで大きく変わります。裏を返せば、たくさんの選択肢の中から自分に合った職場を探していけるということ。最終面接では、取引先の情報を見ながら、現場の良い点・大変な点を丁寧に説明してくれました」
仕事内容、チーム構成、勤務場所・時間など、あらゆる情報を比較した結果、池田さんは大手電子機器メーカーのコンシェルジュ業務(※)を担当することに。
(※)コクヨアンドパートナーズでは、経理、総務、その他事務作業など、あらゆる業務を担う事務のスペシャリストを“コンシェルジュ”と呼んでいる
「コクヨアンドパートナーズのコンシェルジュはチームで業務に取り組むことが大半なので、事務未経験でもスムーズに仕事が覚えられました。
書類の作り方、清算業務での計算方法、取引先との交渉の仕方……丁寧にフォローしてもらえたので、不安を感じることもなかったです」

事務職として働き始めた池田さんが驚いたのは、覚えなければいけないことの多さだ。
「例えば清算業務一つとっても、どの部署に関連する清算かによって処理方法が違うんですよ。この部署は海外との取引だから税率が特殊、こっちは処理する時期に要注意……といった感じで。
社内の承認フローも複雑ですし、期限はもちろん厳守。お金が関わることなので、時には法律の知識が必要になることもあります。知らないことが次から次へと出てくるので、その度に先輩に確認したり、自分で調べたりして覚えていきました」
また、「コミュニケーションスキルの重要性を痛感した」と池田さんは言う。
「取引先の社員の皆さんから信頼していただくことが、私たちの仕事の大前提。そのためには、連絡をするタイミングや伝え方などにも注意を払う必要があります。グランドスタッフとしてお客さま対応をしてきた経験を生かして、チームの役に立とうという意識で働いていました」
「やりたいこと」を見つけたら、自然とスキルアップできる
コクヨアンドパートナーズに入社してから3年。自主的に仕事を探してチームに貢献する積極的な姿勢が評価され、池田さんは現在チームリーダーとして後輩育成や取引先との折衝などを行っている。
メンバーが「楽しく働く」環境を整えていくために、日頃からメンバーの声に耳を傾け、積極的に意見を取り入れるようにするのが池田さんのポリシーだ。

「メンバーのパフォーマンスが上がれば、お客さまの満足度も高まる。その結果、任せていただける業務範囲が広がって、われわれが担当できる仕事も増えていく。そうやって、自社にとっても、クライアントにとっても、いい関係をつくっていけたらと思っています」
また、転職動機でもあった「手に職」も、経験を積むにつれて磨かれている感覚があるという。
「事務の仕事は本当に幅広い。これまでは伝票に書かれた金額を『ただの数字』としてしか見られませんでしたが、今ではその数字が、会社経営においてどんな意味を持つものなのかが分かります。
どのようにして会社の利益が生まれるのか、それが何に使われているのか、結果、事業にどんな影響があるのか……。会社そのものの仕組みに詳しくなりました。
そして、会社経営に関わる法律の知識もだんだんと身についています。“商売の基本”が分かるようになったことが、私自身の強みになるんじゃないかと思います」
経営の基本を理解したことで、「もっとビジネスについて知りたくなった」と池田さんは続ける。これまでに、簿記の資格を取得した他、英会話やPCスキルを向上させるため、自己研鑽に励んでいるそうだ。

さらに、「今はマーケティングについてもっと勉強したい」と話す池田さん。ゆくゆくは、社内にマーケティング専門の部署をつくり、社内外に向けた広報活動も行っていきたいという。
「自然と学びたくなる、スキルアップしたくなる」そんな職場は、まさに池田さんが転職先に求めたものだった。
「学ぼう、スキルを磨こう、と思えるようになったのは、働きやすい今の環境のおかげ。やっぱり転職の時に『続けられること』を重視したのは正解でした。
今回の転職活動では、『何となく』ではなく『自分が納得できる仕事と会社』をとことん探して本当に良かったと思います」
面接で実際にお会いしてみて、「一緒に働きたい」と直感的に思いました。 それは池田さんの醸し出す朗らかな雰囲気、会話のテンポの良さ、前向きな姿勢……どれをとっても、弊社がパートナーとして求めるものにピッタリと合致していたからです。
この印象は入社いただいた後もずっと変わりません。弊社の行動指針である「一歩先行く気付き・くふう」をさまざまなシーンで体現してくれて、お客さまからの高い評価もいただけています。
これからも、弊社を担っていく人財としてご活躍されると信じています。
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取材・文/瀬戸友子 撮影/洞澤 佐智子 編集/栗原千明(編集部)、秋元 祐香里(編集部)
『シゴトジャッジ・ルーム』の過去記事一覧はこちら
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