「時間と場所に縛られない働き方」も「手に職」も両方手に入れる! ITが広げる女性キャリアの未来――『TECH LADY HOLIDAY』イベントレポート
2016年7月23日(土)、東京・渋谷『dots.』にて女性限定プログラミングイベント『TECH LADY HOLIDAY』が開催され、20~30代をメインに約100名の女性が集まった(主催:TECH::CAMP)。
『TECH LADY HOLIDAY』のコンセプトは、「ITスキルの習得で、広がるキャリアの可能性」。イベント当日は ITスキルを生かして活躍している女性ゲスト5名がトークセッションに登壇し、プログラミングスキル習得の魅力やメリット、現代女性のキャリアについて互いに意見を交わした。
トークセッション登壇者紹介
ITスキルの習得について、「難しそう」と条件反射的に感じてしまう女性も多いだろう。今回のトークセッションに参加した登壇者の中にも、はじめは「自分には無理なのではないか」と感じていた人が多かったそうだ。しかし、「いつもの仕事をもっと効率化したい」、「世の中にインパクトを与えられるものを作りたい」、「会社に頼らなくても生きていけるようなビジネスパーソンになりたい」、「時間と場所に縛られずに働けるスキルを身につけたい」など、各自がさまざまな目的を持ってプログラミングの技術取得へ向けて一歩を踏み出していた。
独学で勉強するのが難しければ、TECH::CAMPのようなスクールに通うも良し。身近にエンジニアがいるなら教えを請うのも良し。最初の苦手意識さえ克服できれば、きっとその後のキャリアは広がっていくはず。
当日来場していた女性たちの多くが、「自由な働き方を実現する1つの選択肢として、プログラミングを学んでみたいと思った」とイベント後のアンケートで回答していた。
未経験でエンジニアに転身!
呼吸をするように仕事ができる。“生涯の仕事”と出会えて一安心
また、トークセッション登壇者の1人である中島裕美さん(株式会社Woman&Crowd)は、「社会的に意義の大きいものを、自分が作り出せる喜びは代え難いもの」とエンジニアの仕事の魅力を語る。
中島さんは20代で3回の転職を経験。かつては接客業など、ITとは全く関係のない仕事に就いていた。いずれの仕事もなかなか長続きせず、これから先の将来が不安になり、自身の好きな分野を見つけて「手に職」となるエンジニアへの転身を決意した。
「20代半ばの頃、仕事が長続きしない自分に対して焦りを感じていて。これから先の長い人生を歩んでいく上でどんな仕事を選択したら良いだろうかということを考えて、思い浮かんだのが以前から興味を持っていたIT系です。社会のあらゆる基盤となっているITという分野で、自分自身にそのスキルを身に付けておけば、これから先困ることはないと思ったからです。ただ当時は何もスキルを持っておらず、何を身に付けるべきかもわからない状態だったので、まずは働きながらWeb系のスクールに通いました。そこでどういう職種やスキルがあるのかを知り、さらに個別のスキル毎に書店で技術書を買って独学で学びました。その後少し自信がついてきた頃に、無事、エンジニアとして就職することができました」
その後は現場業務を通じてWeb系のシステム設計やプログラミングを経験し、フリーランスに転向。2011年からサイバーエージェントグループの社員として、サービスの開発に携わってきた。
「以前まではなかなか長続きする仕事がなくて悩んでいた私ですが、今年でエンジニアになって10年目。ようやく“生涯の仕事”と言えるものを手にできた実感があります。プログラミングって、書いたとおりに動くという当たり前ですがすごくシンプルな世界なので、誤ったコードを書けば当然動かない。動くか、動かないかが、はっきりしているんです。そういう部分が性に合っているのもあって、長続きしているのかなって思いますね。はっきりしているとは言え、書き方次第ではまったくパフォーマンスも違うし、奥が深い部分があるので、どこまで行っても先があるところに面白さを感じますね」
未経験からエンジニアになり、天職を見つけることができた中島さんの言葉は、私たちに勇気を与えてくれる。
仕事も、家庭も、自分らしくしなやかに続けていくために――。
理想の未来を、自分で選択できるように。
ITスキルの習得は、今の働き方や生き方に迷いを感じている女性たちの人生を180度変える可能性を秘めている。少しでも興味が持てるようなら、思い切って最初の一歩を踏み出してみよう。
取材・文/栗原千明(編集部) 画像提供/『TECH LADY HOLIDAY』