07 OCT/2021

謙遜、知ったか、盛りすぎ注意!「微経験転職」失敗あるある5パターン【キャリアアドバイザーの本音 えさきまりな】

“ちょっとの経験”をたっぷり生かす!
微経験転職のすゝめ

未経験ではないけれど、実務経験が豊富にあるわけでもない――。“ちょっとだけ経験のある仕事”に新しくチャレンジしてみたい人へ、後悔しない「微経験転職」を叶えるヒントを紹介します!

微経験転職

転職して新しい仕事に挑戦しようとするとき、「どうしても採用されたい」という気持ちから、面接の場で自分を偽ってしまう人は少なくない。

特に、実務経験が乏しく“微経験”しかない場合、自信のなさから必要以上に自分を大きく見せてしまう人も多い。

「キャリアアドバイザーの本音」をつぶやくSNSで人気を博すキャリアアドバイザーのえさきまりなさんによれば、“微経験者”が転職活動でやりがちな失敗パターンがあるという。

ずっと内定が出ない、採用されてもすぐ短期離職してしまう……そんな事態を避けるために、やるべきでないこととは一体何だろうか。よくある五つの失敗パターンを聞いた。

えさきまりな

キャリアアドバイザー
えさきまりなさん

1986年生まれ。短大卒業後、自動車ディーラーでの事務職、エステティックサロンでの接客・店長経験を経て、2016年株式会社キャリアデザインセンターへ入社。キャリアアドバイザーとして実績を残し、2020年に退職。現在はSHE株式会社にてキャリアコーチングを担いながら個人でも人材紹介を行うなどキャリアアドバイザーとして活躍している。 Twitter:@MarinaEsaki

“微経験転職”よくある失敗5パターン
失敗パターン1:履歴書や職務経歴書に「感情」要素を盛り込みすぎる

微経験転職

微経験者の場合、「わずかしかない経験を熱意でカバーしなければ……」と思うあまり、努力の方向性を間違えてしまうことも。

例えば、職務経歴書の自己PRを、長文で書きすぎてしまうケース。実務経験が少ない不安から、この仕事をどれだけやりたいと思っているか、熱意があるか、などの「感情」を書き過ぎてしまう女性が少なくないという。

しかし、それでは逆効果。そもそも履歴書や職務経歴書は、あくまで「何かできる人なのか」を証明する資料だからだ。

えさきさん

実務経験の乏しさを熱意で補いたい気持ちはよく分かります。

でも、採用に値するかどうか判断するための情報が少なく、ただ単に文量が多いだけに見えてしまうと採用担当の印象はむしろ悪くなります。

自信の無さから空回りしてしまわないよう、「努力の方向性」には気をつけた方が良さそうだ。

失敗パターン2:面接中「分からないこと」があっても知ったかぶりでスルーする

微経験転職

また、デキる自分を見せようとして、面接中に分からない話が出てきても知ったかぶりをしてしまう人も多いという。しかし、これもまた、印象アップにはつながらないNG行動だ。

えさきさん

察しの良い面接官なら、候補者が知ったかぶりをして話をしていることはすぐに見抜くはず。

「分からないことを分からないままにする人」は、仕事が始まってからも同じことをしそうなので印象はよくありません。

会話の中に分からないことが出てきたら、素直に「申し訳ございません。私の勉強不足で、理解が追いついていません。この部分について教えていただけますか?」と尋ねる方がむしろ好印象。

知ったかぶりをするよりも素直に教えを請える人の方が、「入社後も学びながら成長してくれそうだ」と期待値が高まります。

手のかからない自分をアピールするより、相手のことをよく知ろうとしている自分の姿勢を伝えることの方が、ずっと大切だ。

失敗パターン3:人やチームの実績まで、自分一人の手柄として語る

微経験転職

即戦力とみなしてもらえるよう、「成果をアピールしなければ」という焦りから、職務経歴書や面接の場で過去の経験や実績を盛ってしまう人も。

その場は何とかやりすごせても、このパターンは「入社後に後悔する可能性が極めて高い」とえさきさん。

えさきさん

例えば、自分自身が関わった部分はほんの少しであるにも関わらず、チームであげた成果を自分の手柄のように話してしまったり、企画立案や進捗管理まで自分が一気通貫で担当したような伝え方をしてしまったり、事実を誇張してしまう人が時々います。

でも、仮にその話を信じて採用された場合、企業からの期待値はかなり高い状況。入社後、新規プロジェクトを丸々任され、実力以上の仕事を前に困り果てる……なんていうこともありますね。

これまでの実績を語る際には、本当に自力で出した成果を等身大で伝えることが、転職で失敗しないためのポイント。実力以上の期待値で入社しても、短期離職につながりかねないので注意が必要だ。

失敗パターン4:微経験があるのに、謙遜して未経験アピールをする

微経験転職

次の仕事に生かせる経験やスキル、知識があるにも関わらず、自信のなさや謙遜から、それらを隠してしまう人もいるという。

しかし、全くの未経験だと認識されると、仮に内定が出たとしても新卒相当の給与になるなど、転職後にキャリアがリセットされるリスクも高い。

職種チェンジをする場合でも、次の仕事に応用可能な知識やスキルがあれば、採用担当にしっかり伝えよう。

えさきさん

例えば、介護施設や病院の事務職として働いている人が、医療機器メーカーに転職して営業にチャレンジしようとした場合、仕事内容は全く異なります。

でも、営業先となる医療や介護現場のことをよく知っているということが、新しい仕事で役立ちますよね。これは、面接の場でしっかりアピールしておきたい微経験です。

その他にも、広告代理店で働いていた人が進行管理スキルを武器にWebディレクターに転身するなど、作業工程が似ていることが微経験になるパターンも。

さらに、「プライベートで積んだ経験も十分なアピール材料になる」とえさきさん。

えさきさん

例えば、エンジニアとしての実務経験はないけれど、ゲームが好きで、趣味でゲームを自作したことがある方の場合。

遊びでやっていたことなんて面接の場ではとても言えないと思う人もいるかもしれませんが、全くそんなことはありません。

むしろ、自主的に学ぶ能力や、物事に熱中する能力を持っている人としてポテンシャルを高く評価されるケースもあります。

仕事・プライベートひっくるめて、自分の経験を細かく棚卸ししてみれば、次にやってみたい仕事との共通点が見つかるかもしれない。

パターン5:新しい職場でやりたくない仕事の経験を隠す

微経験転職

えさきさんによれば、「次の職場ではやりたくない」という理由で、後輩育成やマネジメント経験があることを隠してしまう人もいるという。

だが、経験重視の中途採用で微経験者が内定を得るには、経験のなさを補う+αが必要。特に、人材育成やマネジメントの経験は、企業に高くかわれる可能性が高いという。

えさきさん

今、人材育成やマネジメントの経験がある女性を採用したい企業は非常に多いです。

専門知識で実務経験者に劣ったとしても、マネジメント経験さえあれば、採用される可能性は十分あります。

どんな会社にいたとしても、数年働けば、後輩指導やマネジメントの機会は誰にでも巡ってくるもの。無闇に責任回避せず、難しい仕事にも貪欲にチャレンジすることで、キャリアの選択肢はさらに広がっていく。

微経験でも採用される人の共通点

微経験転職

微経験転職では上記のような失敗パターンが起こりがちだというが、えさきさんは「成功事例も数々見てきた」と話す。

えさきさん

微経験転職で内定を得られる人に共通するのは、前向きな思考と自律的に学ぶ力を備えていること。

例えば、仕事で困難なことに直面したときに前向きに対処できるかという人間性の部分は、業務知識と違って後から身につけるのが難しいもの。

こうした能力を元から備えている人を採用し、専門知識はあとで学んでもらえればよいと考える企業は多いです。

えさきさん

また、新しい会社に入れば実務経験者であってもそこでの仕事の仕方を学び、習得していかなければいけません。

そのときに、手取り足取り教えられなくても自分から情報を取りに行って学習できる人なのか、足りないスキルを自ら学んで補おうとする人なのかは、採用における重要なポイント。

微経験でも独学能力が高いことを客観的に示せれば、「入社後に成長してくれそうだ」と採用担当に期待してもらえます。

微経験転職、成功と失敗の明暗を分けるキーワードは、「等身大」。謙遜しすぎず盛りすぎず、素直なありのままの自分で転職活動に臨むこと。それが、内定を得るだけでなく、入社後も長く活躍できる会社と巡り会う絶対条件だ。

取材・文/太田 冴 編集/栗原千明(編集部)