22 JUN/2022

鈴木愛理が“いけるっしょ精神”を貫く理由「なんで私に? そう思う仕事ほど燃えます」

次のチャレンジ応援します!
Another Action Starter

日々の暮らしの中で、ちょっとしたチャレンジをすること。それが、Woman typeが提案する「Another Action」。今をときめく女性たちへのインタビューから、挑戦の種を見つけよう!

人気アイドルグループ『℃-ute』の元メンバーとして絶大な人気を誇り、現在はソロアーティストとして活動する鈴木愛理さん。

鈴木愛理さん

「アイドルが憧れるアイドル」と言われるほどの魅力と高いパフォーマンス力を武器に、歌手やモデル、女優……と広く活躍している。

そんな鈴木さんが主演を務めるABEMAオリジナルドラマ『ANIMALS-アニマルズ-』が6月23日から放送される。

初の連続ドラマ主演という大役にも果敢に挑み、本作で「新しい扉を開けた」と語る鈴木さんのチャレンジ精神や原動力に迫った。

「お芝居が楽しい!」初めての感覚を味わえた

ABEMAオリジナルドラマ『ANIMALS-アニマルズ-』は、恋も夢も忘れ、ブラック企業で懸命に働く“幸せ迷子のズタボロ女子”の主人公が、最高の自分に生まれ変わろうとする“大逆転ラブストーリー”だ。鈴木さんは主人公の鹿森海を体当たりで演じている。

ANIMALS

©AbemaTV, Inc.

本作のオファーを受けた際、「主演を務める責任でいっぱいになった」という鈴木さんに、プロデューサーはある言葉を掛けたそうだ。

鈴木さん

「今のあなたのまま、まっすぐ生きてください」というアドバイスをもらいました。

具体的な役作りについてのアドバイスはなかったので、最初は肩透かしを食らったような気分で(笑)

「今のあなたのままで」——。その言葉の意味は、実際に芝居に入る中でふに落ちたという。

鈴木さん

主人公の海ちゃんは、少し不器用なくらい自分に正直に、毎日を一生懸命生きている愛すべきキャラクター。

私は人生のテーマとして「自分にうそをつかずに生きる」ことを掲げているんです。だから「今の私のまま」臨んで、私自身のエッセンスが役ににじみ出ればいいな、と思いました。

鈴木愛理さん

実は「これまで演技に苦手意識があった」と明かしてくれた鈴木さん。自分と重なるキャラクターを演じる過程で、そんな心境にも変化があった。

鈴木さん

お芝居が楽しい!って、心の底から感じました。

これまでは「演技をしないと」と思うあまり、例えば泣くシーンでは「涙を流さなきゃ」って意気込まないと泣けなくて。

でも今回、海ちゃんが泣くシーンを演じる時は、なぜか自然と涙があふれて止まらなくなったんです。こんなに自分の内側から感情があふれ出したのは初めて。「演じた」というより、「役を生きた」感じでした。

自分自身の考えや生き方、全てが表れるのがお芝居なのかもしれない。そう気づいたことで「新しい扉が開けたのを感じた」と鈴木さん。

鈴木愛理さん

また、今回のチャレンジを経て獲得したのは、演技の楽しさだけではなかった。

鈴木さん

実は私、あまり人の前に出て仕切るのが得意じゃないんです。

学校でも、学級委員より図書委員とか、目立たないところでこっそり人の役に立ちたいタイプ(笑)アイドル時代も今も、我を通すよりは一歩後ろに下がって周りの人に頼ってきて。

でも今回、『このシーンはもっとこうしたい』って思いが自然とたくさん出てきたんです。スタッフさんと話し合いながら、一つ一つのシーンを大切に作っていきました。

音楽活動でもそうですが、現場の空気が作品に与える影響はとても大きくて。だから今回、パワーと愛情にあふれたチームで撮影ができたのはすごくうれしいですね。

すでに離れるのが寂しいくらい、これからもずっと忘れない現場です。

取材中に鈴木さんが周囲のスタッフと談笑する姿を見ても、この現場が「ワンチーム」で作品を作り上げてきた過程は明らかだった。

鈴木愛理

編集部のレコーダーを目にし、「ちっちゃい!かわいい!」と目を輝かせた鈴木さん。文字起こし機能が付いていることを伝えると「え〜!私の滑舌でも文字起こししてくれるかな?」と、取材時も一気に場を和ませてくれた。

「新しい自分」を見せるのが怖い時期もあった

今回の連続ドラマ初主演をはじめ、音楽のみならず、新しいジャンルの仕事にも幅広く挑戦する鈴木さん。そんなにも果敢に挑戦し続けることができるのはなぜなのか。

鈴木さん

幼い頃から好奇心旺盛で、「誰もやっていないことをやりたい」タイプ。

大人になっても変わらず、まずは何でもやってみるようにしています。私が基本的に「いけるっしょ!」って感じなので、周りの人に心配されるくらい(笑)

「だって、チャンスは人生で何回も来るものじゃないから」と続ける。

鈴木さん

もし新たなチャンスが、自分にとってハードルが高いと感じるものだとしたら、それはきっと、さらに成長するために神様が与えてくれた試練だと思っていて。

実際にソロになってからも、少し難しそうだなと感じた仕事が結果的に新境地を開拓するきっかけになることは多いんです。

だからこそ、「なんで私に?」と思うような仕事ほど燃えますね。

鈴木愛理さん

しかし、全ての人に等しくチャンスが与えられるわけではない。常にベストを尽くし、周囲からの期待には必ず応える。そんな信頼を築き上げたからこそ、彼女の元にオファーが舞い込むのだろう。

鈴木さん

いつどんなチャンスが来ても飛び乗れるよう、引き出しはたくさん増やして準備していますね。

そして、せっかく声をかけてもらった仕事には全力で応えたいから、誰よりも努力をする。根が負けず嫌いなんです。

そう語る鈴木さんからは、ストイックな印象を受ける。だが、「過去には挑戦が怖くなったこともある」と本音をこぼす。

鈴木さん

アイドルを15年間続けるうちに、「アイドルが憧れるアイドル」なんて言ってもらえるようになって。

うれしく思うと同時に、「積み上げてきたイメージを崩したら、がっかりさせてしまうんじゃないか」と、新しい自分を見せることへの恐怖も感じるようになりました。

鈴木愛理さん
鈴木さん

でも、ソロになって「15年目の新人」ってキャッチフレーズをつけてもらった時に、少し肩の力が抜けたというか。

これまで背負ってきたものを一度脇に置いて、「できない自分」を素直にさらけ出せるようになった気がします。

「鈴木愛理」の幸せは、仕事なしでは考えられない

8歳で『ハロー!プロジェクト』のメンバーに抜てきされ、20年間常に第一線を走り続けてきた鈴木さん。だからこそ、「ライフ」と「ワーク」は切っても切り離せない関係にある。

鈴木さん

私、仕事が大好きで。

仕事は、私にとっての全て。ステージが控えているから整体や美容院に行こう、みたいな感じで生きてきたから、「ライフの一部のワーク」というより「ワークの一部のライフ」という感覚がありますね。

鈴木愛理さん
鈴木さん

だから「鈴木愛理」という一人の女性としての幸せは、仕事なしでは考えられない。それが今の正直な気持ちです。

そんな鈴木さんも、今年で28歳。結婚や出産、転職や昇進など「ライフ」と「ワーク」のはざまで揺れ、人生の選択を迫られる人も多い年頃だ。

鈴木さんは、こうしたアラサー特有の悩みや葛藤にどう向き合っているのか。

鈴木さん

周りの友人たちが結婚や出産を経験しているのを目の当たりにすると、「ああ、いよいよ私も考えないといけない年齢になったのか」って逃げたくなります(笑)。

自宅で一人、「私は今後どうしたいんだろう……」と悶々とすることも。

鈴木愛理さん
鈴木さん

でも私は、先の計画を立てるよりも何が起こるか分からない方が好き。

だから、予測できない未来に思いをめぐらせるよりも、今を一生懸命生きる方が私らしいのかなと思います。

人生で達成したいゴールや目標に向けて、計画的に進む人もいれば、舞い込んできたチャンスを確実につかみ、与えられた場所でベストを尽くすことで人生を切り開く人もいる。鈴木さんは、まさに後者のタイプなのだろう。

鈴木さん

具体的な目標設定をしてしまうと、それがかなわなかったときにしんどくなっちゃうんです。

「このくらいの年齢で、こんな仕事ができていたらいいな」くらい漠然としたイメージは持っていますが、それにとらわれすぎず、とにかく目の前の仕事に一生懸命取り組みたい。

そうすれば、多少思い描いていた道から外れてしまったとしても、きっと良い方向に進むんじゃないかなって。

「表現」を軸に、誰かの“元気の源”であり続けたい

「将来設計が苦手で、先の予定は明後日までしか考えられない」と鈴木さんは笑う。常に目の前のことに集中する彼女だからこそ、世間体や年齢に縛られず、自分らしい輝きを放ち続けるのだろう。

鈴木さん

アラサーって、良くも悪くもこれまでの人生が表に出る年齢だと思うんです。

積み重ねてきたものが影にもなるし、輝きにもなる。

私はこれからも、自分にも周りにも嘘をつかず、まっすぐに生きていきたい。私の生き方が今後どうにじみ出てくるのか。今はそれが楽しみです。

鈴木愛理さん

ソロデビューから5年。その間も歌手、モデル、俳優とさまざまな挑戦を重ねてきた。いくつもの顔を持つ自分を、鈴木さんはどう捉えているのだろうか。

鈴木さん

私は「表現すること」が好きなんです。

その手段が音楽なのか、演技なのか……という違いかなと思っていて。

だから、その軸だけはブレずにやっていきたい。今挑戦させてもらっている仕事がそれぞれに生きているので、何一つ無駄な経験はないんだと感じていますね。

そう前置きした上で、「立ち返る場所はやっぱり音楽でありたい」と鈴木さん。

鈴木愛理さん
鈴木さん

今の鈴木愛理を作り上げたのは音楽だから。

ソロになった今、アイドル時代と同じステージに立つと、少し足がすくむ瞬間もあります。

それだけ私にとって音楽は、思い入れが強い、大切なものです。

私がステージに立つことで、ファンのみんなが「明日からも頑張ってみよう」って思ってくれる。それが、私が音楽を続ける原動力。

誰かの“元気の源”でいられる限り、これからもずっとステージの上に立ち続けたいです。

音楽というバックグラウンドで圧倒的な表現力を身に付けた鈴木愛理が、次のAnother Actionの舞台に選んだ『ANIMALS-アニマルズ-』。この作品を通じて、彼女の輝きはさらに増していくに違いない。

鈴木愛理

<プロフィール>
鈴木愛理(すずき・あいり)さん

1994年4月12日生まれ。千葉県出身。2002年、約3万名の応募から8歳で『ハロー!プロジェクト・キッズ』に合格。05年アイドルグループ「°C-ute(キュート)」を結成、07年に『桜チラリ』でメジャーデビュー。リリースしたシングル31作がすべてオリコンTOP10入り。17年にさいたまスーパーアリーナでのコンサートで解散。18年よりソロ活動を開始し、同年6月に1stアルバム『Do me a favor』をリリース。ソロ活動後に2度の武道館公演を開催した。その他TGC出演など、モデル、女優業など多岐にわたって活動の場を広げている。
Twitter/■Instagram

取材・文/安心院 彩 編集/天野夏海 撮影/野村雄治

作品紹介

ANIMALS

『ANIMALS‐アニマルズ‐』(ABEMA SPECIALチャンネル)
放送日程:2022年6月23日(木)夜9時45分〜(全8話、2話目以降毎週木曜夜10時~放送)

社会に出たものの日々の仕事に忙殺され、抱いていた夢はもちろん、恋をすることすら忘れてしまっていた主人公・鹿森海(しかもりうみ)。ひたむきに頑張りながらも日々に疲れ切っていた彼女の前に現れたのは、生意気でツンデレな年下カメラマンと、敏腕だけど恋愛下手な最新コスメベンチャー企業「ANIMAL BEAUTY(アニマルビューティー)」のイケメン社長。

そして彼女は、とあるきっかけで「ANIMAL BEAUTY」に入社するチャンスを手に入れる。2人の男性に刺激を受けつつ、まさかの恋心に揺れ動きながら、なりたい自分に変わろうと決意。サバンナのような厳しい社会の中で、彼女は果たして最高の自分に生まれ変わることができるのか。

ドラマ公式HP

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