『ラフィネ』リラクゼーション・セラピスト都築由美さん/いちセラピストでも組織論やマネジメントを勉強したい
仕事でもプライベートでも輝いている女性をクローズアップ! 自分らしいワーク&ライフスタイルで充実した毎日を送っている女性たちから、ハッピーに生きるヒントを教えてもらっちゃおう。
全国のショッピングセンターなどに店舗を構えるリラクゼーション専門店『ラフィネ』。数ある店舗の中でも大型店に分類される新宿サブナード店で働く都築由美さんは、セラピストデビュー前は自動車設計やハイブランドのアパレル販売員といった多彩な経歴を持つ。そんな彼女が“手に職”の道を選び、接客スキルを極めて毎日全力で仕事に向かう理由を聞いた。
「モノを売る」から「スキルを売る」へ
身一つで稼げる仕事がしてみたかった
編集部:販売のお仕事をされている期間が長かったそうですが、なぜセラピストになろうと思われたのですか?
とにかく手に職を付けたいと思ったんです。それまでは在庫ありきというか、“そこに在るモノ”を売る仕事はどうしてもそのモノ自体に頼ってしまうことが多く、トレンドに左右されたりもするので成績が上がっても「自分のスキルじゃないな」と思うこともありました。もちろんどの仕事も天職だと思えるほど楽しかったのですが、自分の身体一つでできるような“手に職”にもチャレンジしたいなと思ったんです。
編集部:セラピストになろうというのはいつ頃から考えはじめたのですか?
以前の仕事を辞めて、次に何をしようかなと考えたときに。それまではまったく考えていなかったです。でも学生時代はスポーツをずっとしていたので、ボディケアは昔から得意でしたね。親や友達も喜んでくれるので、そういうのを仕事にするのもいいかなっていう、自然な発想で行き着いたのがセラピストという道でした。
編集部:学生時代の部活でボディケアを覚えたんですね!
そうですね。小中高と陸上部だったので、部活後にみんなでやり合ったりして。そういうときに、リンパ流したりストレッチやボディケアし合って、「あー気持ちいー」って言ってもらうのは好きでしたね。ちなみに高校のときは、スプリンターで走り幅跳びと短距離をやっていて、スポーツ刈りにしていました(笑)。その頃ベリーショートが流行っていたのと部活後に蛇口から直接「わー」って流すのが気持ちよかったので。
編集部:今のお姿からは想像できない男らしさですね(笑)。
「人生で一番勉強した」研修期間
支えあった仲間は一生もの
編集部:部活でやり慣れていたとはいえ、その道のプロになるというのは大変な努力が必要だと思います。実際にやってみてどうでしたか?
確かに最初に受けた研修は大変でしたね。ラフィネでは最短で35日間の無料研修を受けられるのですが、東京の研修所に全国の新人が集まって、一気に70人が一緒に住む寮生活!朝起きてから帰って寝るまでずっと勉強する日々でした。その日にやったことが次の日の朝試験に出るので必死に勉強しました。
編集部:そんな機会なかなかないでしょうね。
小学校から専門学校卒業するまでの学生時代よりも勉強したかも(笑)。いや、人生で一番勉強した期間と断言できますね。だからそのとき一緒に過ごした研修の仲間とは今でもみんな仲良しです。
編集部:厳しい研修を乗り越えて、やっと店舗に立てる?
はい。でも最初の頃は、やっぱり仕事の時間配分がうまくできなくて大変でした。接客はこれまでもやってきたのですごく楽しかったんですけど、わたしたちセラピストは個人事業主になるので施術時間=収入。結構シビアな世界です。お客さまを出迎えてからお送りするまで全てを自分でやるので、こちらのお客さまのお会計をしている間に次のお客さまを案内して・・・と、時間のやりくりがすごく大変でした。
編集部:そういうノウハウは、先輩に教えてもらえたりするのですか? いわゆるライバル関係になってしまうのでは・・・。
確かに個人事業主同士って、独立して働いているイメージもあると思うんですけど、うちは全然そんなことないんです。みんなそれぞれ、プロ意識が高かったり、根っからの優しさがあったり、話し上手だったり・・・10数人いるんですけど、全員尊敬できます。
例えば、予約をいっぱいいただいてお昼を食べるほどの休憩が取れない日に、「あーごはん食べてないー」なんてバックヤードに戻ると「づっきーがんばれ!」っていうメッセージと一緒にお菓子やゼリー飲料が置いてあったり、誰かが研修に行くときには、前の日にみんなでその子に「がんばってね」のお菓子をあげたり。そういう気配りと支え合いがある職場です。
入店2カ月で店舗代表に!
フレッシュさで挑んだ接客コンテスト
編集部:素敵な仲間に囲まれてるんですね。
この新宿サブナード店自体が当時新店舗で、先月で2周年でした。オープンから半年程度の頃に配属されたので、「どうやってお客さまを呼ぼうか」っていう成長過程にいられたことが大きいかもしれません。自分個人で指名客をどんどん増やそうというよりも、新宿サブナードにいらっしゃるお客さまにラフィネのファンになってもらうために、と全員が考えてきた感じですね。だからR-1コンテストも、新宿サブナード店を有名にしたくて頑張りました。「看板を背負っていってきます!」って(笑)。
編集部:『R-1コンテスト』とは接客ナンバー1を決めるロープレコンテストと伺いました。 当時一番の新人だった都築さんが店舗代表に選ばれたのはなぜでしょう?
その頃まだ入って2カ月くらいだったのですが、「一番ラフィネっぽいから都築さんにしといたよ」って、当時のエリアマネージャーに言われて、「はーい」みたいな感じでした(笑)。ただ、当時も今も仕事への丁寧さは心掛けているので、フレッシュさも加わって選んでいただけたのではないでしょうか。
編集部:トップセラピストという栄誉をすでに持っている都築さんですが、今後のお仕事の目標は?
技術はもちろんですが、新人さんのマネジメントとか、お店全体をもっと良くしたりとか、そういったスキルもすごく勉強したいなと思っています。セラピストのスキルアップというと、皆さんアロマやオイル系の技術に広げたりとか、独立を志す方が多いんですけど、わたしはもっと組織運営や人間関係を良くするスキルを身に付けたい。経営側に行きたいとかマネジメント職になりたいというのではなく、あくまでも一セラピストとして、できることを増やしていきたいと思います。
オンとオフの切り替えは料理
しっかり自炊&たっぷり睡眠が健康のコツ
編集部:体力もいるお仕事だと思いますが、健康を維持するために気を遣っていることはありますか?
夕飯は帰ってから必ず自分で作ります。男らしいとよく言われますが意外と料理好きなんです(笑)。夕飯を作っている時間が幸せですね。それがオンとオフの切り替えにもなっているんです。一人暮らしを始めるときもキッチンで選んで引っ越しました。とにかく大きいキッチンがよかったので! あと、とにかく寝るのが大好きなので、よく寝ることも健康維持の秘訣ですね。
編集部:睡眠時間はどのくらい?
普段は7時半はきっちり寝ます。本当に寝るのが好きなんです!
編集部:ヘアスタイルもスポーツ刈りの方がギリギリまで寝られるんじゃないですか?(笑)。
そうですよね(笑)。今は仕事用にアップにできるように、髪を伸ばし続けているので、休みの日もお仕事用ヘアにしちゃいます。かわいいアレンジとか全く分からないので、サムライみたいなポニーテールしかできないのが悩み。もっとかわいくしたいんで誰か教えてください(笑)。
“手に職”仕事は身一つでどこでも働けるというメリットはあるが、シビアに数字を見なければならず体力的にハードな一面もある。しかし、都築さんは「大変です」と言いながらも笑顔で仕事の楽しいエピソードを話す。「男性のお客さまと車の話題になると盛り上がっちゃって(笑)」と、これまでのキャリアもネタとして顧客とのコミュニケーションに活かすなど、前職までの経験はすべて役立っていると言い切る。仲間から愛され、顧客から愛され、天職を見つけた彼女は疲れを感じさせない自然な笑顔が印象的だった。
取材・文/根本愛美(編集部) 撮影/赤松洋太
『ワーキングビューティー・アルバム』の過去記事一覧はこちら
>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/work/beauty/をクリック