化粧品プランナー 田島 奏さん/お客さまの「生の声」がモチベーションの源! 夢はロングセラーとなるコスメブランドを作ること
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常盤薬品工業株式会社 サナ事業部
田島 奏さん
大学卒業後、常盤薬品工業に入社。化粧品の営業を経験した後、23歳で商品企画チームに異動。現在、『エクセル』など同社が扱うメイクブランドのプランナーとして活躍
今回紹介するワーキングビューティーは、常盤薬品工業の商品企画チームで、化粧品の企画を手掛ける田島奏さん。社会人2年目で神戸へ転勤した後、とある事情で一時期全てのメイクブランドを1人で担当することに! 大きな仕事を任されても、プレッシャーに負けずにやり遂げられた理由とは?
“好きなこと”がいつしか仕事となり、
人気部署に異動というチャンスを掴めた
編集部:現在のお仕事内容を教えてください。
『エクセル』や『毛穴パテ職人』など、当社のメイクブランドの商品企画を担当しています。商品のコンセプトから、パッケージ、宣伝コピーなどを、研究所から営業部まで、社内のさまざまな部署と連携しながら、商品を作り上げ市場に送り出す仕事です。
編集部:化粧品の企画といったら、まさに女子の憧れのお仕事ですよね! もともとコスメはお好きだったのですか?
そうですね。母の勧めで中学1年生のころからスキンケアを始め、中学3年生からはメイクにも興味を持ちました。とはいえ、お小遣いもあまりなかったので、よく行っていたのは近所のドラッグストア。暇があれば通い、スキンケア商品をはじめ、コスメ全般から薬の棚まで、ほぼ全商品をチェックしていましたね。また、『@cosme(アットコスメ)』で、アイテムごとに口コミをチェックし、気になったものは実際に買ってみたり。大学に入ってからは、ドラッグストアでバイトまで始めました(笑)。そのころから、就職するならドラッグストアで扱っている商品のメーカーに行きたいと考えるようになりました。
編集部:まさに、“好き”を仕事にしたのですね。入社後すぐに、今の部署に配属になったのですか?
いえ、新卒で入社すると、最初は全員営業部に配属になるんです。私は化粧品の営業として、『ロフト』や『プラザ』などのバラエティーショップを回っていました。学生のころから好きだったメイクブランド『エクセル』をメインに扱っていたので、営業先でも自信を持って商品の良さをアピールできましたし、楽しかったですね。それから約1年経った頃に、化粧品の商品企画チームで人が足りなくなり、上司の推薦で営業部から異動に。商品企画チームはすごく人気があるので、正直異動は難しいと諦めていたんです。だから辞令を聞いたときはものすごく嬉しかったです!
編集部:実際に商品企画のお仕事をされていかがでしたか?
異動して2~3カ月後に、新商品の商品名、販売価格、宣伝用のキャッチコピー、コストなどを考え企画書を提出するチャンスをもらいました。コスメは大好きですし、それなりに自信はあったのですが、いざやってみると全然ダメで(苦笑)。会議でプレゼンしても、先輩から突っ込まれると言葉に詰まってしまったり。あらためてコピーを考えても「これでは伝わらない、何かが違う…でも分からない!」と自信が持てなくて。
編集部:頭に思い描いていることを、企画書に落とすのは難しそうですね。
はい。パソコンとにらめっこする時間が増えていくにつれて、だんだんお客さま目線で考えることができなくなって、「社内でどう企画を通すか」ばかりに意識が向いてしまっていました。そんなときにいつも行っていたのは、やっぱりドラッグストア。私のコスメ好きの原点である場所に戻ることで、お客さま目線に立ち返ることができたし、客観的な視点で企画を考えられました。とはいえ、そう簡単にはイチから自分で商品を生み出すことはできなかったんですけどね(笑)。
転勤後、全てのメイクブランドを1人で担当
あったのは「やるしかない」という責任感

編集部:神戸に転勤になったのはいつ頃なのですか?
商品企画チームに異動して1年も経たない頃です。部署が丸ごと神戸に移ることになったんですが、最初は「行きたくない」が本音でした(笑)。でも、せっかくやりたい仕事に就けたのに諦めていいのか…と1ヵ月くらい葛藤し、最終的に上司に相談して行くことを決意したんです。
でも転勤が難しい人もいて、しばらくは1人で全てのメイクブランドを担当することになりました。その3カ月後に社内の大イベントである新商品発表会も控えていたので、すごく焦りましたね。
編集部:かなりのプレッシャーですね。どうやってやり抜いたのですか?
「やるしかない!」という責任感でしょうか。とくに『エクセル』は大きなリニューアルをしている最中だったので、絶対に穴はあけられません。「どうにかして、頑張らなきゃ」という気持ちでいっぱいでした。特に、新商品発表会前は資料作りや関係部署への調整などやることが多く、終電まで仕事をする日が続きました。学生時代から、人に頼るのが苦手な性格なのですが、あの時ばかりは上司や先輩、後輩にもたくさん支えてもらいました。神戸で加わった新メンバーの協力も非常に大きかったです。何とか無事にやり遂げることができて、部内の連帯感も強まった気がしますね。
編集部:田島さんにとって仕事における大きな転機となったようですね。
そうですね。当社の代表的なコスメブランドである『エクセル』のリニューアルを経験できたのも大きかったです。営業から異動したばかりのころに上司から、商品企画という仕事は、さまざまな部署の協力がないと、成り立たない仕事だと聞いていたんです。そして、皆を動かす“ハブ”としての役割をするのが商品企画担当だと。神戸に転勤して、『エクセル』の転換期に携り、改めてそれを実感できました。他部署との連携が欠かせない仕事だからこそ、日頃からコミュニケーションを大事にし、何かあればできるだけ直接会って話すように心掛けるようになりましたね。ちなみに、2月25日に『エクセル』の新商品が発売されました!
編集部:宣伝いただきました(笑)。売れ行きが楽しみですね!
いつも商品がリリースされると、SNSなどでお客さまの生の声をチェックしています。「買って良かった」など、嬉しい感想をいただけるとモチベーションも上がりますし、自分の企画を認めてもらえたという自信にもつながるので。『エクセル』の新商品発売後ももちろんチェックする予定。今からドキドキしています!
神戸の夜景を眺めながらのランニングで
ストレスを吹き飛ばす!
編集部:田島さんはとてもスタイルがよく肌もきれいですよね。食生活など何か気をつけていることはありますか?
ズボラなので、特にこれというものはないのですが…。基本的に、外食はせず自炊しています。ごはん、みそ汁、おかず一品など、すごく簡単なものですけどね。和食が中心です。昼食から夕食まで時間が空くので、おやつも食べますよ。甘いものを食べている瞬間が至福の時です!
編集部:和食中心の自炊は太らない秘訣かもしれないですね。何か運動はされていますか?
もともとダンスをずっと続けていたので身体を動かすことは大好きです。最近は、仕事が早く終わった日にランニングをしています。神戸の海沿いの夜景はとても美しいので癒されますし、走ると嫌なことが全て吹き飛ぶので、ストレス発散にもなりますね。
編集部:海沿いの夜景を見ながら走るなんて、うらやましいです! お休みの日はどんなことをしていますか?
外に出ることが多いですね。神戸に来てからは、近所のお店を散策したり、自転車であちこち回ってみたり。あとは、最近ギターを買いました。私の名前は「奏(かなで)」というのですが、口笛くらいしか奏でられるものがなくて(笑)。せっかくなら何か楽器を始めたいと思って、インターネットの動画などを見ながら、独学で少しずつ練習しています!
編集部:ステキな過ごし方ですね。では最後にお仕事の目標を教えてください。
イチから企画を立て、ロングセラーとなるブランドを作ることです。実は入社前から「こんな商品があったらいいな~」と温めていた企画が通り、今年の夏に発売予定なんです。まだ詳細はお伝えできないのですが、今はその新商品のリリースに向けて動いているところ。夢が叶うように、頑張ります!
とにかく明るく社交的な田島さん。さまざまな部署と連携して活躍している姿が容易に想像できる。予定していた取材時間をオーバーしてしまったほど仕事の話題は尽きず、入社3年目とは思えない濃いエピソードも多数。そんな田島さんが手掛ける新ブランドが今夏に発売されるというから、どんな商品なのか今から楽しみだ。



取材・文/岩井愛佳 撮影/赤松洋太
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